読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

岸本葉子「カフェ、はじめます」~44歳独身会社員のいさみが勢いからカフェを始めることに?!

2018-05-28 03:05:25 | 
岸本葉子「カフェ、はじめます」読み終わりました。


タイトルに惹かれて読んでみることにした。


楽しかった~♪



私もカフェを始めるつもりで


ワクワクしながら読む事ができました。



カフェって結構簡単に始めることができちゃうんだねぇΣ(゚Д゚)



食品衛生管理者という資格を取れば


ど素人でも始められるらしい。



この取得も


1日講習を受けて


最後に小テストを受けクリアすればいいらしい。



ほぼ全員が受かるらしいから


1日あれば取れちゃう



後は保健所の審査が通る店があればOK



なるほど~


だからカフェって最近あっちこっちに見かけるわけだぁ。。




だけど



続けていくこと




が一番大変なんだよね~。



店だから利益を出さなきゃいけないわけだし。。




そういうところは何の業種でも同じだよね。



ウチも店をやってるので


その辺の苦労は「わかる~」って思いながら読みました。





いつも買い物に行く「万寿屋」



そこで顔見知りだったおばあさん「睦子」と「いさみ」



ある日



睦子が万寿屋の隣にある



大きな桜の木がある家



に入っていくところを見かける。



あ~この家の人だったんだぁ・・と初めて知る。



玄関前にカートを置き


荷物を運ぶことが大変そうだった睦子を見て


「運びましょうか」と声をかけるいさみ




そして、


桜の木に隠されていて見えなかった・・


奥にあった



かわいいお家



に出会ってしまう





和と洋を融合した



いさみが小さいころ通った友達の家に似ていた。



縁側があり


吐き出し窓を開けると腰かけてお茶が飲めそうだ



縁側の向こうは障子


開けると


奥に卓袱台が見える



真ん中に茶色い柱


縁側と硝子戸の桟は茶色の木で


赤い鉄板の廂がが庭に張り出している


2階は1階と趣が異なり


薄緑のペンキ塗りの板壁に


縦長の白い窓が並び


赤い鉄板の屋根を載せている



タイル敷きのポーチに白い柱があり


テラスのような雰囲気



正面は


飾り窓を持つ木の扉


扉を囲むのは薄緑の板壁


その部分には2階はなく


赤い鉄板を急勾配で寄せた


三角屋根になっている




玄関の飾り窓はステンドグラス


鉄の把手には飾りが施されている




一目でこの家が気に入ってしまったいさみ



睦子に導かれ


中でお茶をいただくことになる




卓袱台に茶箪笥




そこでいただくお茶と


睦子特製の糠漬けがまたおいしい





そこへ入れ代わり立ち代わりやってくる



睦子の住むこの土地を買い取ろうとする者たち。。



居留守を使おうといさみに対応を頼む睦子






そして



何度か睦子の家に通うようになるいさみ



睦子が近くに住む娘の「兼代」の家に同居することになることを知る




睦子の家は売ることになるだろうと聞かされるいさみ



どうしてもこのかわいい家を守りたいと思ういさみは



自分にこの家を貸してほしいと申し出る。





なんとしてでも借りたいと思ういさみは



行きがかり上「カフェ」をここではじめることになる。



それも


コーヒー無しの


番茶とおにぎりのカフェだった



カフェが上手くいくかどうかわからないので


今の会社で働きながら


土日の午後限定で営業する


おにぎりカフェさんかく



商売のど素人の44歳独身のいさみ



意外にカンタンに始められることを知る



しかし・・



潰れていく店も多いと聞く。。



だけど



なんとしてもこの家を守るため頑張られねばならないいさみ




大学時代の友達「房子」に協力してもらい始めることになった。




が・・



なかなか上手くはいかず



赤字はつづく。。




だけど



弱っていく睦子が



いさみに元気をくれる



認知症が進み・・



分からなくなっていく睦子




でも、


その目に光が差す瞬間があった



睦子が長年親しんだ


この家の桜や茶箪笥をみたとき




おにぎりカフェさんかくのゆくへは




希望を与えてくれる終わり方が



よかった♪



睦子の糠床を分けてもらったいさみ



そして



睦子の楽しかった時代を過ごした家



丸ごと引き継いだいさみ



人との縁って



どこでどうつながってるかわからないよね~。




睦子といさみの出会いは



お互いにいい出会いだったんだなって思いました。




こんなカフェがあったら



私も行ってみたいなぁ~。




糠漬けがどんな味なのか気になります










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坂木司「女子的生活」~トランスジェンダー「みき」が高校の同級生「後藤」と同居?!後藤がみきを護る☆☆

2018-05-22 03:48:04 | 
坂木司「女子的生活」読み終わりました。



性別は


見た目は


そして


恋愛対象はかわいい女の子



そんな


小川幹生こと「みき」




家族にカミングアウトし


東京で友達と部屋をシェアしていたが


恋人ができた友達(性別は男で見た目は女、恋愛対象は男)が



部屋を出てしまった。



そこへタイミングよく表れたのは


高校の同級生「後藤」だった。



借金で身ぐるみはがされ・・



行く当てもお金もなく・・



小川幹生を頼ってきた後藤



そんな後藤が久しぶりに会ったのは・・



すっかり女の子になっていた「みき」だった



気付かない後藤。。



小川の彼女かと?



そして



真相を知る後藤




なかなか幹生のことが理解できない後藤



「おかま」




行くところのない後藤を


渋々家に住まわせるみき



共同生活が始まる



後藤との生活は案外上手くいっていた



後藤は「学習する男」だった



言ったことはちゃんとやる



みきのことも


完全にはわからないまでも


理解しようと努力してくれる。





そして・・



みきのことを蔑んだりする言動をする輩からは



全力で




護ろうとしてくれる




後藤はみきのことを大切に思うよき理解者なのだ




そんな後藤を



「早く出て行って」と言いながらも住まわせてしまうみき




2人は適度に距離を保ち



優しい空気をまとった関係になっていく




自分が「何者」なのかわからない・・



自分との葛藤



そして



家族の中での自分の立ち位置




兄から蔑まれ・・



卑屈になっていたみき




両親にカミングアウトして



東京で一人暮らしをすることになり



職場でもみきは自分自身を偽ることなく



働ける。




自分らしくいられること




でもまだまだ理解されない場面も多い




みきがトランスジェンダーと分かった時の



それぞれの反応




戦ってきたみきだからわかる



人の気持ちの機微




私も読んで初めて分かったことがたくさんあった。




いろんな人たちがいるんだなぁ~。




差別はまだまだあるんだろう。。




でも


どんな性であろうと



「人」は「人」




みんながみんな分かり合うことはできなくても



そういう人がいるということを



分かろうとすること



そういう努力が大事な気がする。





みきに


がんばれ~!



とエールを送りたくなる



そんな作品でした



著者の坂木さんがあとがきで



「闘う人が好きです。」



と書いている。




どんなときも生き生きと前を向いてる人




そういう人はやっぱり美しいよね










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天野節子「彷徨い人」~母と息子の家族はお互いと亡くなった父と妹だけだった。愛情の無い努力だけの家族とは?

2018-05-20 03:18:11 | 
天野節子「彷徨い人」読み終わりました。



家族とは何だろう?



・・と考えさせられる作品だった。




妻の妹が失踪した。



友達と旅行に行った義妹



「帰る」メールがあったにも関わらず帰らない。



その後


義弟と妻に急な用事で帰れないというメール



しかし・・


妻と義弟はこれに疑問を持つ



義弟の留守中に服を取りに戻る義妹



その姿が目撃される




妻は旅行に同行した友達たちに会う




しかし誰も手掛かりになることを知らない。。




家族が行方不明になり心配する妻




しかし・・



宗太は他人事にしか思えなかった。




・・・というよりも



義妹が帰らない原因は・・





宗太がしてしまったこと





義妹が日光で買った三猿(見猿・言わ猿・聞か猿)のストラップ




それを何故か母「幸子」が持っていた?



母が口ずさむ「色は匂へど」



それを聞く同室の患者の家族




その家族とつながっていた・・




義妹と旅行に同行した友達「日野美香子」




美香子はこの失踪事件に興味を持つ




そして



調べていくうちにたどり着く真実





同行した友達「千里」と



宗太の関係?!




千里の夫のひき逃げ事件!!




その真相は?





交差する事件。。




そのことによって浮き彫りになる




家族の真の姿




宗太にとって



妻と娘の存在は





厄介なもの




だった。





愛情の裏打ちの無い努力だけでつながってた家族。。






そこには



母との強い絆があった




亡くなった父と妹



母と宗太




この4人家族だけが



母と息子にとっての



なにものにも



勝る



家族だった





結婚などしたこと自体が間違いだった。。




そう思う宗太





そして



母幸子を連れて



父と妹と行った楽しかった思い出の地




そこで決断したのは





そして・・




今も彷徨い続けている?!






危うい記憶の中で彷徨う母



もろい絆の家族の中で彷徨う息子




なにものにも代えられない絆が・・




宗太の人生を狂わせ・・




彷徨わせてしまったのかもしれないなぁ。。





家族ってなんだろう?




絆ってなんだろう?




それを考えさせられた作品でした。





巧みな伏線に引き込まれていきますよ~^^















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薬丸岳「刑事のまなざし」~夏目の娘「絵美」を傷つけ10年間ベッドにしばりつけた犯人を目の前にした夏目は。。

2018-05-18 02:22:27 | 
薬丸岳「刑事のまなざし」読み終わりました。



前回「刑事の約束」を先に読んで



夏目が意欲を失くしてしまっていた理由



30歳で法務技官から刑事になった理由



その経緯がよく分かった。




そして・・



裕馬がなぜオムライスが食べられなくなったかという



理由も。。




自分の母親に殺されそこなった自分。。



絶望の中で生きてきた裕馬。。




いつか母親を殺してやろうと思っていた理由。。




憎むために生き続けていく。。



どんなに辛かっただろう。




夏目が見つけてしまった・・



裕馬の母親が裕馬を殺そうとしたしたという事実




優しい夏目のまなざしは



真実を暴いていく




それが辛い真実であったとしても





夏目は



娘の絵美を傷つけ・・



10年間ベッドに縛りつけた




犯人を見つける




法務技官だったころ・・



夏目と聖治は出会っていた。




自分の境遇を恨み・・



自暴自棄になり・・



人を傷つけることしかできなかった聖治




少年院で出会った夏目




綺麗ごとを並べる夏目に憎悪を募らせる聖治






そして・・・






後悔先に立たず。。




自分の幸せは・・



人の不幸の上に成り立っているということに



気付く。。





妻の恭子の



長年の苦しみ。。




それもまた・・



聖治のしたことによるものだった。。






犯人を目の前にした夏目のまなざしは・・




悲しみで溢れていたに違いない




しかし・・



夏目は最後まで冷静さを保ち・・



犯人と対峙した。




犯人を捕まえても・・



元通りの絵美は戻ってこない。。




一緒に捜査をした長峰が



夏目に声をかける



「少しは絵美ちゃんの敵が打てたんじゃないのか」




しかし・・



夏目はいう





「世の中からすべての犯罪がなくならない限り敵討ちにはなりませんよ」



と。



深い悲しみとそれを打ち消そうとする



強い光




そんな夏目の



刑事のまなざしを



私も間近でみた気がした。




夏目のまなざしを前にすると・・



誰もが真実を話したくなる



それが分かるような気がした













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薬丸岳「刑事の約束」~刑事らしからぬ夏目のまなざしが真実を見出していく☆裕馬との約束を果たす夏目の心中は。。

2018-05-16 03:12:01 | 
薬丸岳「刑事の約束」読み終わりました。



後から知ったのだけど・・


これは「刑事のまなざし」のその後が描かれていたんだね。




裕馬がオムライスを食べられなくなった理由は



そこに書かれているらしい。




葵という拒食症の少女



その母親が殺される



葵が母親を殺したとされ逮捕される



しかし・・



夏目は違和感を覚える。




過去に夏目がある事件でかかわった少年「裕馬」



葵と裕馬はつながっていた。



そして・・



夏目が刑務所の母親から託された息子「裕馬」への手紙




そのことによって



裕馬のある計画は実行されることになる




いつか・・



殺してやりたいと願っていた母親



その母親が余命いくばくもないことを知る裕馬




母の手紙を通じて知らされた息子への願い



それは・・





息子の幸せ




それを裕馬はつぶしてやりたかった




その思いを聞く夏目。。




そして



夏目と裕馬の約束は・・



それを母親に伝えることだった




葵と裕馬は同じ境遇を共感しあった者同士だった




憎むために生きる。。




なんてつらい人生だったんだろう。。





定時に帰りやる気の窺えない夏目




その刑事らしからぬ様子からは想像もつかないほどの



真贋



夏目と関わった刑事たちから一目置かれている夏目



そこには・・



法務技官として養った目と



夏目の娘「絵美」の存在があった




誰でもが持つ



憎しみ・欲望・怒り・冷徹さ。。



だけど



人間はそれらのおぞましい感情を打ち消す力を持っている



そう信じていると


裕馬の母に言う夏目





夏目のまなざしと・・




夏目の口から繰り出される温められた言葉が




じわじわと心に沁みる




人の心に寄り添えるのは・・




その人が



自分の心と戦ってきたからなんだろうなぁ。。




そんなことを読者にも思わせてくれる夏目





想像もつかない事件の渦中に置かれた人たち・・



その人たちの心を救ってくれる夏目に



私も会ってみたくなりました。



どんな優しいまなざしをしているのだろう




今度は「刑事のまなざし」を読んで


裕馬と夏目の出会いや


オムライスの秘密を知りたいと思います。














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