読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

朔立木「暗い日曜日」~人情派の弁護士が被告人の心を開いていく・・被告人は本当に罪を犯したのか?~

2016-09-30 03:18:31 | 
朔立木「暗い日曜日」読み終わりました☆



タイトルに惹かれて読んでみました。



暗そうな内容なのかな?



・・って思ったけど



読み始めるとそういう内容でもなく



どちらかというと



前向きに終わるお話です。





お金儲けを度外視した




冤罪ばかりを手掛ける人情派の弁護士「川井倫明」



事務員一人と川井だけという


小さな個人事務所



そこに舞い込んだ刑事事件の依頼




元事務所の社長から頼まれ



強引に引き受けさせられた殺人事件の被疑者の弁護




依頼人は被疑者の妻




被疑者自体は



「弁護人は要らない」と言っている。




被疑者は有名な画家の「梶井舜」



殺されたのは


その愛人の「津島七緒」




七緒のマンションで


全身めった刺しにされた七緒を抱きしめていた梶井



それを梶井の妻「祥子」が見つけ通報




梶井は自分がやったといっている。





「弁護人は要らない。どんな罰も受ける。」



そういい張って譲らない舜




祥子へあてた手紙には



財産は祥子へ全部譲る。離婚してほしいと。




しかし



祥子は舜を助けたいと思った。




その裏にあった本当の気持ち。。





そして



梶井舜の



本心。。




それを


川井倫明弁護士は紐解いていく




梶井舜の犯人でない証拠。。




七緒が送ってきた舜あてのカセットテープ



そこに吹き込まれていた



「暗い日曜日」という曲



その意味。。



それが


事件解明につながっていた。





そして


事件当日


舜が見た



七緒の14歳の息子「亮」




舜が自分を犯人といった言葉の




本当の意味とは





川井と舜の心のやり取り・・



そして



川井の亮と同じ年頃の息子たちからのアドバイス☆




川井ならではのやり方が



事件を



人の心の闇を




懐柔していく




読み応え十分の1冊です




こんな弁護士がいたら


心強いんだろうなぁ~。


















  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小川糸「サーカスの夜に」~個性を持った少年が出会ったサーカス☆そこで経験する大人への階段~

2016-09-30 02:56:18 | 
小川糸「サーカスの夜」読み終わりました☆



少年とサーカスとの出会いが



少年を「大人」にしていく物語




病気は治ったが


その副作用でもうこれ以上体が大きくならない少年13歳



体は「10歳」ぐらいにしか見えない。




父と母は



少年の病気が治った事をきっかけに



離婚。



少年はどちらにも引き取られず



血のつながらない「グランマ」に引き取られる。




血のつながりなど気にせずに少年に愛情を注いでくれた



グランマ




少年はグランマに恩返ししたいと思う。




でもこのままでは


グランマにおぶさるだけだ。。



そんなときサーカスのチラシを目にする



そして



いつか父と母と3人で見に行ったサーカスを思い出し



心が躍る




そして


少年は決心する




「サーカスに入る!!」




少年の13歳の誕生日にそう宣言する。




しかし


グランマは大反対!!



少年は


グランマの元を出て


サーカスを目指す




サーカスは少年に優しかった。



姉のようなローズ


兄のようなトロ



何でも教えてくれるコック



男だけど見た目は女のナット



そして



見た目は怖いけど



大きな愛情を持った団長




これ以上大きくならないという少年の個性も



ここでは



気にすることもない。




みんな心や体に傷を持ったものが集まってるから




ここで少年はいろんなことを経験する。



生きていくこと


それは生半可な気持ちでは乗り切れないということ☆



命を大切にすることの本当の意味




そして


少年にとって


大きな意味を持つ言葉☆






体は変わらないけど心は変えられる




見た目は変わらなくても



気持ちは変えられる。



それによって



人は成長できる




それをかみしめ



少年はこれからも大人の階段を昇っていく。





少年がサーカスで過ごす



1年の成長物語




少年がサーカスで活躍する姿を



あなたも見届けてみませんか

















  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中澤日菜子「お父さんと伊藤さん」~父と娘と20歳年上の彼氏の3人の突然始まった共同生活?!~

2016-09-27 03:20:04 | 
中澤日菜子「お父さんと伊藤さん」読み終わりました☆



この作品は


上野樹里主演で映画化されていて


気になってたんですよ。



なので


原作を読んで見ることに




タイトルにも惹かれるよね~!!




考えさせられる内容でしたよ。



「老い」とは何なのか



それをすごく考えてしまいました。



誰もが行く道だけど・・



若いときって



自分が老いていくことなんて考えないもんね~。。




40年小学校の教師として働き



家族を養ってきた



いつも毅然としていた父




その父が


母を病気で失い


一人になって・・


老いてケガをしたり


心臓の持病もある。




その父を


兄夫婦は引き取り同居。



しかし


度重なる父の万引き(これはのちに彩にわかることなのだけど)に


兄嫁の理々子は


精神的に追い詰められ・・


体調を崩す。



父はやむなく


彩の元へやってくる。



一人暮らしと思っていた彩の部屋には



「伊藤さん」が一緒に住んでいた。



初めて知る伊藤さんの存在に


快く思わない父。



しかし


居場所のない父は


彩のところにいるしかなかった。




給食のおじさんのパートをする伊藤さん



本屋のバイトをする彩



不安定な2人の関係




それをよく思わない父。



しかし


そこにいるしかない父。




そして


彩もまた


父を疎ましく思っていた。




伊藤さんとの居心地のいい生活が一変!




父に気を遣いつつ過ごす日常




しかし



伊藤さんは至って自然体だった。




74の父


54の伊藤さん


34の彩



そんな20違いの世代の違う者同士が織りなす共同生活




意外と父と伊藤さんの関係は悪くなかった。





そして


共同生活でだんだんわかってきた


父のこと



老いるということへの




思いやりの気持ち




父がしたことは許されることじゃない。



しかし



それをしないではいられなかった父の気持ち




全部わかることはできなくても



それを想像してみる彩




伊藤さんによって


兄も彩も父と向き合う




優しく・・


時に厳しい伊藤さん




伊藤さんの不思議な存在に助けられる。





そして



父も変わっていく。






最後父が決断した道とは?!






家族だから



目をそらしてしまうこと





だけど



ちゃんと向き合わなければならないこと





目の前で起こる衝撃的なシーン。。





胸を突かれるような思い。。





だけど



最後は


心がじんわり温かくなりますよ




老いについて



家族について



考えるのにいい機会をもらえると思います














  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

辻堂ゆめ「いなくなった私へ」~死んだこともわからず・・自分がここにいるのに人に「自分」だと認識されない辛さ。。~

2016-09-26 03:29:03 | 
辻堂ゆめ「いなくなった私へ」読み終わりました☆


上条梨乃は生ごみの袋の積み重なったクッション・・


つまり


ごみの収集場所で目を覚ます。




そして


他には何も持っていず・・


自分がどうしてそこで寝ていたのかも


全く記憶がない。




梨乃は


人気のシンガーソングライター。




誰もがその姿を知っているはずだった。。



しかし・・



誰に会っても



騒がれることもなく・・



スルーされる。




そして



自分が



「自殺した」というニュースを見る。




確かに自分だった。。




通りすがりの大学生が



その噂をしている。




しかし・・



自分がその



「上条梨乃」だということには



誰にも気づかれない!



おかしい。。




「私が誰だかわかりませんか?」



そう尋ねる梨乃に・・



誰もが首を振る。。




私は一体どうしてしまったの??




そんな失意の梨乃に



話しかけてきた大学生の「優斗」




「上条梨乃さんですよね」



と。



「私がわかるんですか?」



ホッとする梨乃。



しかし


それを分かってくれるのは


たった一人。



優斗だけだった。



なぜ優斗にだけはわかったのか?



優斗以外の人はなぜ自分がわからいのか?



それは


梨乃にも


優斗にもわからなかった。



それから


梨乃の自分探しが始まる。



自分のマンションの部屋から飛び降り自殺したという梨乃。



その前後の記憶が全くない。



真相を探るため


現場へ行く。



すると


一人の小学生に会う。




その小学生「樹」は



友達から「いっくんじゃない」と言われていた。





樹は梨乃と同じだった。






自分が自分だということを認識されない





どうやら


樹は梨乃が自殺した現場を目撃していたらしい。




そして



その後交通事故で死亡。




そう世間ではなっている。




樹にも記憶がない。




自分が死んだということも。。





梨乃・優斗・樹は



その真相を探る。




梨乃は優斗の姉のところに「田代実加」として居候することに。



樹は優斗のところに。




梨乃と樹に



優しい優斗。




梨乃は優斗はなぜここまで自分にやさしいのか?



そんな疑問も持つ。



のちにわかってくる



優斗の本当のやさしさの理由





梨乃は自分がいた事務所にアルバイトとしてもぐりこむ。




自分の自殺の真相を探るため。




梨乃の友達という設定で事務所にバイトとして入った梨乃。




「上条梨乃」ではわからなかったことに



「田代実加」は気づいていく。





そして・・



自分に好意を持ってくれた



売れっ子の「十文字智仁」



そして


好意を持たれたことで


「国定美波」の嫉妬を買う



樹が調べた



「輪廻の泉」の謎・・




その湖には



人を死に追いやり



何度も輪廻を繰り返す



「魔力」がある?!





梨乃の死の真相に近づいていく・・



自分は死んだのか?



それとも・・?




そのとき梨乃が思うことは??





優斗の秘密とは







今の梨乃だからわかること☆



今の優斗だからわかること☆





未知のものを人は恐れる





だけど




それをどう受け取るかで



その後が変わってくる。





一長一短



同じことでも



受け取り方で




「長所」にも「短所」にもなる☆





本当に何度も生まれ変われるなら・・




そして




そのことが自分でわかるのなら・・




自分はどういう生き方をするのだろう?





そんなことを考えさせられる作品でした
















  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

道尾秀介「月の恋人」~アメンボウが結び付けた蓮介と弥生の縁・・そして2人が出会うことでお互いが変わる☆~

2016-09-22 02:43:13 | 
道尾秀介「月の恋人~Moon Lovers~」読み終わりました☆



人の縁の不思議



そして



自分では見えないものが



人によって見出され



自分が変わっていく




そういうことってあるんだなぁ~って思った。





一つの




なぞなぞが結びつけた縁





4つのコインを四角に並べ




「これはなんでしょう?」




・・・と聞かれたら



あなたはなんて答えますか




実は


このなぞなぞ


私知ってて



わかっちゃったんですけど




レゴリスの社長



蓮介の元に父から送られてきたファックス




そこに描かれていた



4つの四角に並べられた〇




これは



蓮介が子供のころ父に出したなぞなぞだった。




しかし・・


今の蓮介には



それが何かわからなかった




自分が出したなぞなぞが解けずに



苦戦する蓮介





その答えがわかったのは



上海で弥生に出会ってだった。




弥生はいとも簡単に



この答えを導き出す☆






アメンボウ



と。






会社のため




自分の感情を押し殺し



会社の利益のことだけ考えてやってきた蓮介







そして



弥生は



恋人にはATMのように扱われ


会社では


「派遣さん」と



本当の名前も呼ばれず



自分の存在が何なのかもわからなくなり



恋人も会社も捨てて上海へ





そんな2人が出会うことで



お互いが



お互いの




かけがえのない人になっていく





お互いの第一印象は最悪



だけど



得てして



のちの関係が良くなっていくのは



そういう出会いなのかもしれない。





2人でやる



線香花火🎇




2人で食べる



コンビニのおにぎり🍙




そんな些細なことが



2人をぐんぐん近づける





そこここに散らばった



道尾さんの遊び心が



また楽しい




「レゴリス」



レゴで作ったリスって意味じゃないよ!笑





月の表面にある砂




なんだって。





人は月にあこがれる




月がこんなに地球からキレイに見えるなんて




月自身はわからない。





人も同じなのかもしれないよなぁ。





自分のことは



自分でわかってるようで・・



実は



本当の自分は



自分ではわからないのかも。




自分が持っている





魅力





それは



案外人から見出されるのかもしれないね。






これを読んでそんなことを思った。





蓮介の良さは弥生が



そして




弥生の良さは蓮介が




そして



恋に落ちる





月には不思議な力があるという





じっくり眺めて




じっくり考える




そんな時間も必要なのかもなぁ~。





大人になっても



柔軟な考え方のできる人



いいよなぁ。




















  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする