読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

柴田よしき「草原のコック・オー・ヴァン 高原日誌Ⅱ」~離婚し2度目の冬を越す奈穂。東京の男と田舎の男。噂と真実に揺れる~

2021-05-23 02:58:52 | 

柴田よしき「草原のコック・オー・ヴァン 高原日誌Ⅱ」読み終わりました。


これは「風とベーコンサンド」の続編です。



百合が原高原で

「カフェSon de vent」(ソン・デュ・ヴァン)


を営む奈穂


厳しい2度目の冬を迎えようとしていた。


牧場を営む南たち地元の仲間に支えられ


なんとか続けられている経営状態


それでも新しいメニューを考え


試行錯誤しながら続けているカフェは


奈穂にとって生きがいになっている。



離婚し


百合が原で根を張っていきたいと思う奈穂


幸せになるために結婚したのに


傷だらけだった結婚生活



そんな奈穂にも


信頼し愛する男性が




そんな奈穂の前に現れる


東京から来た


有名バンドをしていた男「大地」


祖父母が昔やっていた葡萄園


そこを買い取りワインを作ろうとしていた。



嫌なうわさが付きまとう大地


その周りの人たちに巻き込まれる奈穂



そして


大地と奈穂の仲が噂される



奈穂には求婚されている「涼介」がいるのに



東京から傷つき百合が原で癒される大地は


昔の奈穂と似ていた。


大地を助けたいと思う奈穂


それは・・



愛?


友情?



奈穂が望むことはたった一つ



カフェSon de ventをここで続けていくこと



奈穂が決断したのは




東京での暮らし


田舎での暮らし


両方を経験している奈穂



そして


生まれてから田舎で暮らす人たち



どうしても生まれてしまう温度差


でも


それをお互いに分かろうとする努力が


いい関係を作っていくんだなって思った。



奈穂の百合が原に根付きたいという



真っすぐな気持ち


それがすごく伝わってきて


こちらも応援したくなる



南が話す牛や豚を慈しみいただくという行為


その現実と覚悟に気の引き締まる思いがした。


私たちが普段何気なく食べているもの


それは「命」をいただいているってことなんだ。


そうあらためて考えさせられた。



現実に向き合い


自分の使命を全うしていくこと


それは相当な覚悟が要る事なんだ。


奈穂も南も


そういう真剣さが


お互いを引き付け


きっと生涯の友になるんだろうなぁ。


そんなことを思ったよ。


いつか私も


コック・オー・ヴァン作ってみたいなぁ。


ワインは苦手なんだけどね


高原の風が


おいしい匂いを運んでくる



そんな中にいる気分にさせてくれるこの小説



あなたもぜひ百合が原高原へ本を開いて行ってみませんか









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山口恵以子「婚活食堂5」~AIが選んだ価値観の合う結婚相手☆なのに心が求めるのは・・~

2021-05-20 03:24:14 | 

山口恵以子「婚活食堂5」読み終わりました。


このシリーズの虜になり

続きを心待ちにしていました


今回婚活に「AI」が登場


婚活もいよいよここまで来たか!


めぐみ食堂の常連でIT実業家の「藤原海斗」

海斗が手掛けるAIによる婚活


その人の細かい情報を分析し

価値観の合う相手を導き出す。


まったく同じでなく


少し余裕を持たせた選択が成婚率を上げるのだという



めぐみ食堂の女将「玉坂恵」は


元人気占い師「レディ・ムーンライト」


その人にAI婚活を進められる杏奈と豊


めぐみ食堂で


ちくわぶ論争をおこすほど


好みの違いがある2人


それぞれ婚活を始めることになる。


そして


それぞれに見つかる



価値観の合う相手



一緒にいて話が盛り上がり


それなりに楽しい



しかし・・


気になってしまうのは


どういうわけか



価値観の合わない人



人間の心は機械のように割り切れるものではない!


・・・ということか



恵が真行寺に話すAI婚活


価値観の一致から相手を選ぶその方法に


真行寺は異議を唱える!



「この世に完全に価値観が一致する相手なんかいるわけない。

 いるとしたら自分のクローンだけだ。そんなものと一緒にいて楽しいか、

 俺は大いに疑問だな。」



と。


恵は言われてみて確かにそうだと思う。



AI婚活の行方はいかに



そして


今回真行寺が面倒を見ている大樹を預ける養護施設「愛正園」


大樹と仲のいい「新」が

里親に見初められ養子縁組


新に試練が



常連客と婚活


そして


おいしい料理が毎回登場するこのシリーズ



今回も盛りだくさんの内容になっています。



恵が愛正園の子供たちを遊びに連れて行くシーン


それもなんだか心がほっこりして好きです


真行寺の冷めたように見える態度や受け答えの中に


優しさが垣間見えるところも素敵



杏奈と豊との論争になった


「ちくわぶ」が急に食べたくなって


おでんを作ってしまった私



関東育ちの私は昔から普通におでんに入れられていた


「ちくわぶ」


関西では売ってさえいないと聞いて(゚д゚)!



私はちくわぶ好きなんだよなぁ~



結局価値観の違いって

それを楽しめる相手であるかどうかが大事な気がする。


それを尊重して

相手を理解しようとする気持ち


それがあれば上手くいくような気がするんだけど



人間の心は機械じゃ計り知れないのかもね



次回作も楽しみだなぁ~



恵自身の結婚はないのかなぁ









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竹内真「図書室のバラシドール」~目的にたどり着くことがすべてじゃない!それを学ぶ詩織☆~

2021-05-17 03:34:47 | 

竹内真「図書室のバラシドール」読み終わりました。


この「図書室」シリーズも3作目


すっかりファンになってしまった



直原高校の図書室の

資格を持たない司書の詩織


友達の紹介でここにたどり着き


今までの人生いかに自分がいい加減だったか


反省する日々


しかし


図書室で働くようになり


高校の教師たちや生徒と関わるうちに


どんどん成長していく



今回は


詩織が本当の司書になる



通信で資格を取ろうとする詩織


そこで知り合う世代の違う友の考え方にも影響を受ける



30代で大学の門をくぐる新鮮な気持ち



実習では昔苦手だったクラスメイトと再会


いじめにあう?!



今回も盛りだくさんの内容になっています



図書委員の大隈くんが家出?!


大隈の足跡をたどるクラスメイト


手がかりは大隈の借りた本


大隈のインスタグラムのアカウント


「バラシドール」の意味


それにたどり着く詩織


そこには存在しそうもない事柄を選び

それを見つけてやろうと骨を折る



そこにたどり着くことが目的ではなく


その過程を楽しむ


それがバラシドールなのだということ



大隈は無事帰るのか



図書室で起こる新たな事件


図書ノートの書き込みから諍いが!!



思い込みに隠された罠



盛り上がるブビリオバトルで


いろんな本が楽しく紹介された文化祭



自分が今やるべきことに気づく詩織



司書資格を取ったから終わりではなく


そこからが始まり


新たなも目標を持つ詩織



自分自身にバラシドールという言葉を重ねる



これからの成長がますます楽しみになりました



そして


気になるのは市立図書館の司書「山村」との関係


今回山村は誤解から詩織に嫉妬してしまう


他の男と詩織がいるところを目撃?


いつも穏やかな山村が子供のような態度を


そこも読みどころです



回り道は決して無駄な事じゃない。


むしろそうなったことで


見えてくる景色もたくさんある



そんなことを教えてくれる作品です



ビブリオバトルに出てきた


内海佳子の「師匠!」読んでみたくなりました。



何歳からでも始められる。


遅いなんてことはないんだって勇気をもらえそう



この本で他の本にも出合える


それもまた「図書室」シリーズの素敵なところです



次回も成長した詩織と


私の知らない本たちに出合えることを楽しみにしています



















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朝井リョウ「死にがいを求めて生きているの」~父親への反発がいつしかなくてはならないものに?!

2021-05-12 02:38:44 | 

朝井リョウ「死にがいを求めて生きているの」読み終わりました。


朝井さんの人間観察ってすごい!

そう思ってしまいました。


こんなに人を深く掘り下げて

その人の考えをここまで観察できるなんて


親への反発って誰でもあると思うけど

智也がが父親の考えに反発し

「付き合うな」と言われた

雄介を

ここまで支え見守り続けることができるのか


そう最初は感じていた。


でも・・


智也のそれは・・


もうそんなことを超えていたんだよね。。


身体の利かなくなった智也が



雄介を求めていた



まさか!こんな展開になるとは!!



傍からは「親友」と思われていた


雄介と智也


目立ちたがり屋で


自分のやりたいことを貫こうとする雄介


そんな雄介を陰ひなたになり支える智也


しかし


転校性の一洋から見ると


その関係は不思議なものに見えていた。



なんでこの2人一緒にいるんだろう



他にも疑問に思う者たちが。


そして


事件は起こる!!


しばらく繋がっていなかった一洋が


再び雄介の姿を見つけ


そして智也に連絡を取ったことから始まる


新たな雄介ストーリー


雄介を助けるために危険を冒して乗り込んでいく智也


そして


一洋の紹介でついていく弓削


弓削がカメラで収めた瞬間の映像とは


雄介が智也に語る


三種類の人間


「生きがいがあって自分以外の他者や社会に向いている人。他者貢献」


「生きがいはあるけど社会や他社に向いていない。自己実現人間」


「生きがいがない人。自分自身のための生命維持装置としてのみ存在する人」


自分は3番目なのだと。。


そして


雄介が取った智也に対する行動とは



智也の青く光る眼を再び開かせることができるのは・・


雄介しかいない??



人はいつも「生きがい」を求めている。


自分が存在する意味


死ぬときに


自分が生きていた意味を見出せるものを


残したいと思うのかもしれない。


それがどんなことであっても。


そんなことを考えさせられました。



人から見えている自分


本当の自分とのギャップってあると思う。



結局自分が幸せならそれでいいのかも







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吉永南央「初夏の訪問者」~草の死んだはずの息子が生きていた?!草に突き付けられる衝撃の真実!~

2021-05-06 02:26:00 | 
吉永南央「初夏の訪問者」読み終わりました。


珈琲豆と和食器の店「小蔵屋」


その店主「草」は

着物姿でありが「とう」が上がる独特のイントネーション


そこに持ち込まれる厄介ごとを

毎回老体に鞭打ちながらも解決していく


そのシリーズ



今回草は

3歳で水難事故で死んだ息子の良一を

目の前にする


自分は良一だと名乗る


「丹野学」と出会う。


胡散臭い商売をするもり寿司の経営するアパートに

短期で間借りする学


誰にも親切だと評判の男


その学が

草に持ち込んだのは

手紙


「学のじつの母」


そう書かれた字は


草がよく知っている


良一の乳母をしていた「キク」の字だった


キクは自分の「養母」だという学


キクから自分は草の息子なのだと聞かされたという



草は嫁いだ先で肩身の狭い思いをしていた。


そんなとき


いつも助けてくれたキク


学が良一であるはずがない!


キクがそんな嘘を言うはずがない!


そう思う草


良一は生きていた



草の気持ちを大きく揺り動かす学


草が嘘だと突っぱねた瞬間に見せた

学の目に光るもの


一体どういうことなのか



そして


キクに会いに行く草



昔と変わらぬキク


そして


キクから語られた真実とは??



草がずっと背負ってきた


良一に対する贖罪


それを今回揺さぶる事件



でもお草さんは


辛いことも逃げずに


真実を突き止めて向き合おうとする



年齢に負けない精神力の強さ


そして


優しいけど時に厳しい相手に対する真摯な向き合い方


それにいつも感動します



結婚に失敗し・・


息子を奪われ亡くした


そんなお草さんだからこそ


人の気持ちの機微が分かる



だからこそ人が小蔵屋に集まってくるのでしょう



読めばコーヒーの香りがしてきて


お草さんのありうが「とう」ございますが聞こえてくる



これからの季節水出しコーヒーもいいなぁ


素敵な和カップに入れて飲むとおいしさも倍増!!


いつの間にか自分が小蔵屋の中にいる


またお草さんに会いに来たくなるなぁ









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