今村夏子「むらさきのスカートの女」読み終わりました。
いや~面白かったです。
最後まで気の抜けない展開に
グイグイ引き込まれていきました。
近所で有名な
むらさきのスカートの女
いつもむらさきのスカートをはいていることから
そう呼ばれていた。
髪はパサパサで肩まで垂らし
奇妙な動きをする
公園のベンチの定位置でクリームパンを食べている
子供たちにも面白がられ
馬鹿にされていた
人と目を合わすことなく歩く
見ていないのに
何ともぶつかることなくスイスイ歩く
自分のペースを崩さないむらさきのスカートの女
そんなむらさきのスカートの女を
ストーカーのごとく
観察し付け回す
「黄色いカーディガンの女」
むらさきのスカートの女と友達になりたいと思っていた。
どうやってむらさきのスカートの女と近づくことができるか?
それを考え
むらさきのスカートの女が職をなかなか見つけられないと知り
コンビニの求人情報誌にチェックを入れ
むらさきのスカートの女がそれを見るように誘う
それは自分の職場だった?!
むらさきのスカートの女の髪のパサパサを
どうにかしようと
商店街で自分が持っていた試供品のシャンプーを配る
黄色いカーディガンの女
注意を受け逃げ出す羽目に!
結局むらさきのスカートの女のアパートのドアノブに
それをかけておく。
そんな苦労を知らずむらさきのスカートの女は職を得る
そして
職場に受け入れられていく
でも声をなかなかかけられずにいる
黄色いカーディガンの女
受け入れられたむらさきのスカートの女に
ホッとし・・
今までと同じく動向を見守る
変わっていくむらさきのスカートの女
公園の子供たちとも仲良くなり・・
むらさきのスカートの女が
遠のいていくのを寂しくも感じる。
しかし!
むらさきのスカートの女は
間違ってしまった。。
そして
緊急事態に
黄色いカーディガンの女は
私財をなげうって
むらさきのスカートの女を助ける
親密になれるチャンス到来
が・・
待っていたのは。。。
むらさきのスカートの女のために
奮闘する黄色いカーディガンの女がいじらしい
そして
つい笑ってしまう
黄色いカーディガンの女が助けたかったのは
本当は自分自身なのかもしれないね。
いつも見かけるけど
名前も知らないあの人
噂が先行する
周りが作るその人像
でも実際は
全くかけ離れた本当の姿があるのかも
そんなことを思いました。
面白くてドキドキして
自分もストーカー気分で読める
充実した時間を過ごさせてもらいました。
だから読書はやめられないよ