読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

今村夏子「むらさきのスカートの女」~むらさきのスカートの女と友達になりたかったのは自分の未来が見えていたから?

2021-06-27 03:17:26 | 

今村夏子「むらさきのスカートの女」読み終わりました。


いや~面白かったです。


最後まで気の抜けない展開に

グイグイ引き込まれていきました。


近所で有名な

むらさきのスカートの女


いつもむらさきのスカートをはいていることから

そう呼ばれていた。


髪はパサパサで肩まで垂らし

奇妙な動きをする


公園のベンチの定位置でクリームパンを食べている


子供たちにも面白がられ

馬鹿にされていた


人と目を合わすことなく歩く


見ていないのに


何ともぶつかることなくスイスイ歩く


自分のペースを崩さないむらさきのスカートの女



そんなむらさきのスカートの女を


ストーカーのごとく


観察し付け回す


「黄色いカーディガンの女」



むらさきのスカートの女と友達になりたいと思っていた。


どうやってむらさきのスカートの女と近づくことができるか?


それを考え


むらさきのスカートの女が職をなかなか見つけられないと知り


コンビニの求人情報誌にチェックを入れ

むらさきのスカートの女がそれを見るように誘う


それは自分の職場だった?!


むらさきのスカートの女の髪のパサパサを


どうにかしようと


商店街で自分が持っていた試供品のシャンプーを配る


黄色いカーディガンの女


注意を受け逃げ出す羽目に!


結局むらさきのスカートの女のアパートのドアノブに


それをかけておく。


そんな苦労を知らずむらさきのスカートの女は職を得る


そして


職場に受け入れられていく


でも声をなかなかかけられずにいる


黄色いカーディガンの女



受け入れられたむらさきのスカートの女に


ホッとし・・


今までと同じく動向を見守る




変わっていくむらさきのスカートの女



公園の子供たちとも仲良くなり・・


むらさきのスカートの女が


遠のいていくのを寂しくも感じる。



しかし!


むらさきのスカートの女は


間違ってしまった。。



そして


緊急事態に


黄色いカーディガンの女は


私財をなげうって


むらさきのスカートの女を助ける


親密になれるチャンス到来


が・・


待っていたのは。。。




むらさきのスカートの女のために


奮闘する黄色いカーディガンの女がいじらしい


そして


つい笑ってしまう



黄色いカーディガンの女が助けたかったのは


本当は自分自身なのかもしれないね。



いつも見かけるけど


名前も知らないあの人


噂が先行する


周りが作るその人像



でも実際は


全くかけ離れた本当の姿があるのかも



そんなことを思いました。



面白くてドキドキして


自分もストーカー気分で読める


充実した時間を過ごさせてもらいました。


だから読書はやめられないよ











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増山実「甘夏とオリオン」~女の甘夏が落語で男を見せられるか?師匠に教わった無知は罪~

2021-06-14 03:28:10 | 

増山実「甘夏とオリオン」読み終わりました。



オリオン座を知らない事は

落語には関係ないのでは?


そういう甘夏を

師匠は


「ドアホ!」


と怒鳴りつける。



無知は罪


そういう。


そして


「甘夏、おまえは女や。女が男を演じて、男が見える。

 男に見えるんやない。男が見えるんや。そんな落語をやってみい」


甘夏の心に響いた師匠の言葉



それが甘夏を支えていった。



師匠がいなくなってからもずっと。



師匠が消えた



寄席に姿を現さず・・


その後行方知れずに。。



残された3人の弟子たちは途方に暮れる


一番弟子の「小夏」

二番弟子の「若夏」


そして


三番弟子の「甘夏」


3人はいつか帰るはずだと


夏之助師匠を待ち続ける。



男社会の落語に

女を受け付けない空気がある。


それを師匠がいなくなったことで

さらに強く感じる。


男が女を演じる


女が男を演じる


その違いは何なのか?



壁にぶち当たりながらも


懸命に女を超えようとする甘夏


その胸にはいつも師匠の言葉があった



師匠と一緒に見上げたあの日の夜空


そこに輝いていた


オリオン座



師匠がいた時以上に


その情景は強く心に刻まれていく



女に入れあげ落語の腕を上げた小夏


自分の境遇に蓋をしてきた若夏


それぞれが師匠の教えを胸に


成長していく



見ていると声援を送りたくなる



そして

生で落語を聞いているような気持ちになる



奥深い落語の世界を見た気がした。



後継者を育てていこうとする竹之丞の姿にも感動


長い年月をかけて

こうやって受け継がれていく。


素敵だなぁって思った



これから落語を聞くとき


この面白さの中には


たくさんの汗と涙の努力が詰まってるんだよなぁ


そう思うだろう。


どんな道もそれを極めるのは並大抵の努力ではない。


でも好きな事なら頑張れるんだよね。


オリオン座を見たら


甘夏を思い出すようになるのかな。



これからは








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今村夏子「星の子」~親戚にも家族にも見放され。。それでも信じる者は救われる?!~

2021-06-07 03:50:30 | 

今村夏子「星の子」読み終わりました。


いつの時代もあるよねー。


話題になる宗教団体


傍から見ると


なんであんなことやるんだろう?


そんな風に思ってしまうのだけど


それを信じている人たちは


真剣なんだよね




ちひろの父と母もそうだった。


きっかけはちひろが病弱で

どんなことをやってみても治らなかった。


それが

「落合さん」からもらった


『金星のめぐみ』という水で


ちひろの症状が改善されていった



ここから父と母の熱心な信仰が・・


始まってしまった



父と母の異様な状況を心配したおじの雄三は


なんとか説得しようとするも失敗。。



ちひろの姉のまーちゃんは


ちひろが小5の時高1で家を出て行った。。



親戚からも子供からも見放された父と母



でもちひろはおかしいと思いながらも


自分のためにそうなっていった父と母を


見捨てることはできなかった。



自分自身も会のことは嫌いにはなれなかった。


集会は楽しいこともあったし



でも傍から見えている父と母に


切なさを感じる。。


自分が好きになった人にも


父と母を悪く言われ


落ち込む。。



長年「会」に支配されていた


ちひろの生活


友達も少なかった。


でもちひろをわかってくれる友達もいた



子供は環境を選べない。


その中で何とかやっていくしかない。


ちひろの姉のまーちゃんは


そこから飛び出す勇気を持てた。



でも・・


父と母から学んだその価値観は


なんだか歪んでしまった気がする。



何かを全力で信じるということは


大事なものも捨てる覚悟が必要だってことなのかもしれない。



緑のジャージを着て頭にタオルをのせ


その上から水をかけ続けている。


寒い冬の公園で



傍からは河童にしか見えないこの行動を


父と母は真剣にやっている



ちひろが星の丘で河童の父と母と過ごす時間


そこに


幸せはあるのだろうか



うぅ・・怖っ!



信じる者は救われる


そういうけど・・


傍から見たら絶対不幸だと思うことも


当人には幸せな事なのかもしれないね。。



自分もいつそんなものに巻き込まれてしまうか・・


そんな危険?は度々感じることがある。



この前も開店前のスーパーで


ある宗教を信仰してる人から


優しい顔でお誘いを受けた。


が・・


受け取ったものはゴミ箱へ!



私は負けないぞー!


なにに?


心の隙間をついてくる


黒い影?


それとも


星の光?


それはやっぱり本人次第なのかもしれないね



ちひろと父と母・・


最後はどうなったのかな?



気になる~。。









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堂場瞬一「警視庁犯罪被害者支援課6 不信の鎖」~どんな犯罪被害者家族でも守らねばならないのか?~

2021-06-04 03:26:44 | 

堂場瞬一「警視庁犯罪被害者支援課6 不信の鎖」読み終わりました。


今まで

どんな被害者家族も全力で守ってきた村野


2年前の事件の時も

どんな恫喝にも耐え・・

支援してきた。


その2年前の殺人事件が動き出す


強盗殺人の容疑で逮捕された「畑中真生」



2年前の「バンリューHD」の社長の娘で


子会社の「バンリュー・デザイン」の社長でもあった


大崎美江が殺された事件



美江を殺したのは自分だと自供した。



2年前とても扱いづらい人物で苦労した


美江の父親の「大崎康政」



村野たち支援課は


またこの大崎をに悩まされることになる



自分の思い通りに何事も運ぼうとする。


すぐに恫喝し相手を威圧する。


そんな大崎が


真犯人が名乗り出たのを知った時


さらに



要注意人物になっていく!!



畑中は自供したものの・・


詳しい話を聴こうとすると


なかなか口を割らず。。


難航する。。



そんな警察を威圧してくる大崎


マスコミも騒ぎ出し


大崎宅に押しかけてくる。



マスコミを威圧する大崎


しかし


なかなか思い通りに行かず


記者の中の一人


「三浦」に大崎は怒りを爆発させる。



三浦と話していた


支援課の「長住」


どういう関係なのか村野は危惧する。



そして・・



大崎が襲われる事件が



病院内に侵入する三浦?!


そこには


長住の影が



犯人の自供


そして


なかなか明らかにならない事件の全容



ブラックだと噂されているバンリューの実態



大崎を襲った犯人を大崎は見ていた


そして


犯人の安アパートから見つかった


大リーグの大量のグッズ



それらが導いていく





事件の黒幕



激昂していた大崎が入院後大人しくなったのには


理由があった



ワンマン社長の誤算




村野は一時迷うも・・


やはり


どんな犯罪被害者も守る



そこは今回もぶれなかった。



でも・・


長住のように割り切れない者もいる。



そうだと思う。



もし自分が長住だったら・・



やっぱり村野のように守れるかはわからない。



仕事だから。



そうちゃんと割り切ってやり切るのはなかなか難しい。



人間は感情があるからね



そんな思いを抱えながら今日も戦っている人たちがいる。


そう思うと


なんだかやりきれない気持ちになる。



目の前の人を迷わず助ける


それが自然にできる梓や愛


すごいなって思う



そういう人たちに支えられて


私たちはきっと生きていけるんだよね。



自分もいつどんなことに巻き込まれるかわからない。


そんな時そういう人たちがいてくれるって


本当にありがたいことだよね。



膝に爆弾!


心に消えない傷を抱えながら


今日も犯罪被害者を護る村野



がんばれ~



そう応援したくなるこのシリーズ




次回の活躍も楽しみにしています










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