読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

柚木麻子「ナイルパーチの女子会」~同じ水槽に入れられボロボロに傷つけ合い。。再生する2人の女子☆

2017-11-30 03:15:24 | 
柚木麻子「ナイルパーチの女子会」読み終わりました。


これずっと読みたいと思っていてやっと読めた^^



でも


こういう内容だとは思わなかった



ナイルパーチとは・・


スズキ目アカメ科アカメ属の淡水魚


淡白な味で知られる食用魚だが、


一つの生態系を壊すほどの凶暴性を持つ




その「ナイルパーチ」と女子たちをかけているとは



柚木さんの技にまたまた感心させられました




女友達がいない


志村栄利子 30歳


商社でまじめに働くOL



父が働いていた同じ会社に入社し


父に恥じないような仕事をと働いてきた。



そんな


栄利子が



丸尾翔子の書く



お気楽なブログに惹かれ



翔子と友達になりたいと思う。



そして


そのチャンスは訪れる。



2人は近くに住んでいることを知り


待ち合わせて会うことに。



同じく女友達がいない翔子



商社で働く外見も光ってる栄利子に



自分にないものを感じて惹かれる



お互いいい友達ができて喜ぶ



しかし!


そこから悲劇は始まる。。



自由気ままに行動する翔子



きちっと決めたことをやらないと気が済まない栄利子



栄利子は


翔子を自分の思い通りに変えようとする



翔子をもっとよくするため☆



その理由づけで


押し付ける自分の理想。




今まで言われたこともないようなことを



ずけずけ言ってくる栄利子に



翔子は傷つけられる



そして



そのことによって



自分の見たくなかった・・



目を背けてきた欠点を




目の前に突き付けられる



大嫌いだった人に寄生する父



そんな父に



自分が重なっていく。。




一方



そんなつもりのなかった


栄利子は


離れていく翔子をつなぎ止めようと


必死になり・・


逆にどんどん遠ざけてしまう。



なぜ?



分からない栄利子



同僚の杉下に話私を聞いてもらいたくて



体を重ねてしまう栄利子



杉下の婚約者「真織」に



そのことを言ってしまう栄利子




それによって




真織から



自分の欠点を




目の前に突き付けられる




だから



女友達ができないんだよ



そう言われる栄利子






自分で気づかずにいた・・



いや・・



見ないようにしてきた



自分自身




それが他人によって



傷つけられ・・




露見する





そこから



栄利子も



翔子も



自分自身との




闘いが始まる




今まで自分を甘やかしてきた翔子



キッチリ自分自身を締め付けていた栄利子




2人の再生が始まる




同じ水槽に入れられなければ・・


傷つけ合わずに済んだ2人



でも


そうしなければ


分からなかった自分自身。。




自分の事って



分かってるようで・・



実は分かってないのかもしれないよね~。




これを読んで



自分も似たようなことがあったことを思い出し・・



ちょっとイタカッタ




失敗して・・


傷つかなければわからないことってあるよね~。




深い内容に


どっぷり浸かって


ナイルパーチに思いを寄せてしまいました。



あなたも・・


この水槽に


飛び込んでみる


















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羽田圭介「成功者K」~芥川賞を受賞した作家のその後の苦悩。。現実と妄想が融合する?!~

2017-11-23 02:59:37 | 
羽田圭介「成功者K」読み終わりました。



最初にこの本の


表紙を見て驚いた



えっ?!



本人が表紙になってる本って珍しい



しかも!



タイトルが



成功者Kって!



羽田さん自分の事そう思ってるの?



それ書いちゃう?



・・ってね




だけど



読むと



全く違っていて・・




読めば読むほど・・



深いなって思ったよ




羽田さんが自分の事を重ねているのだろう部分も



多々見受けられて



作家って大変なんだなぁ~って思った。




主人公「K」は



芥川賞を受賞して



一気にメディアへの露出が多くなる。




そして



モテなかった「K」が



「成功者K」になったことで



女性からアプローチされることも多くなる。




据え膳食わぬはなんとやら・・



とばかりに



長く付き合っている「好恵」という彼女がいながら



他の女性たちと関係を持っていく成功者K



そんなことを続けているうちに・・



Kは大切なものを失くしてしまう。



好恵は離れていき・・



テレビの仕事はたくさん来るものの・・



「これでいいのか」という思いも。



テレビ慣れしてくるうちに



相手の求めることを自然としてしまうようになる




「素顔のKさんが見たい」という密着のディレクターに言われるK



「素顔の」「本当の」自分は何だろう?



・・と考え込んでしまう。



帽子と眼鏡で顔を隠さないと外に出られなくなるK



何のためにテレビに出るのか?



本業の小説も放ったままはかどらず・・



自分はどこへ向かうのだろう



不安がつのり・・



更に女に逃げるという悪循環




高校三年で作家デビュー



作家デビューから13年で30歳になったK




デビューから世話になっている編集者に


新作小説「成功者K」を読んでもらうK



そして


編集者に言われた



「一人称なのか三人称なのかがわかりづらい」


という言葉



「たしかに最近の僕は、一人称的三人称で書いてますけど。」



と答えるK




ここにこの小説のキーが



文章中の



「成功者K」の違い



最後まで読んで


もう一度読み直してみるとなるほどなぁ~って納得



羽田さんの技すごいなぁ~!




Kが



自分の顔が入った小説の表紙をプリントしたTシャツを着て



自分の小説を宣伝してるシーンがあるのだけど



それが



テレビで全く同じことをしていた羽田さんと重なった。




路線バスの旅やクイズ番組に出演し



自分の小説を売り込む羽田さんの必死さに



私は「応援してあげたい」と思ったことを



それでまた思い出した。



小説家って・・


芥川賞を受賞して


実力が認められても・・



その後ずっと小説家として



売れるかというとそうではない。



やっぱり


テレビの宣伝力を借りるっていうのも大事なことなんじゃないかな。



いくらいい作品を書いても



読んでもらえなければ



宝の持ち腐れだものね~。




小説中に出てくる



本の裏表紙の下に貼ってあるバーコード



図書館で借りた本を読んでる人




これからは



電子書籍もあるから



本はますます売れなくなる。



そんな時代に



作家はどうやって自分の作品を



たくさんの人の手に取って読んでもらったらいいのか?



考えちゃうよね~。




私も買ってあげたい気持ちはあるけど・・



単行本になると「1500円」ぐらいはするでしょ。



考えちゃうもんね。。



羽田さんの文庫本は買って何冊か読ませてもらったけど・・


コレは実は借りちゃいました。


ごめんなさい<(_ _)>



でも羽田さんの作品は好きなので


これからも応援してます。



応援だけじゃ・・



印税は入らないけど(^_^;)



文庫本はまた買って読みますね




「成功者K」



本当の成功者とは



どんな人なのだろう?




あなたもこの小説で



不思議体験してみませんか



買えたらぜひ買って読んでみてください










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佐藤まどか「カフェ・デ・キリコ」~異国でカフェを始める母娘。2人の離れてしまった距離は縮まるのか?!~

2017-11-17 03:35:53 | 
佐藤まどか「カフェ・デ・キリコ」読み終わりました。



食べ物系の小説が好きなので


これをタイトルで選んでみたんだけど



食べ物よりも



「家族」の事が中心の内容でした。



もちろん!


食べ物も出てくるけど^^



特に気になったのは


カノーヴァとネーミングされた


女性の横たわった彫刻をイメージして作られた型の


パンナコッタ


食べてみたいなぁ~って思ったよ



舞台がイタリアなので


イタリアの食文化ものぞけて面白かった♪



「エスプレッソ」に


そんなに種類があったんだぁ~っ!


・・・て驚かされた^^



ブリオッシュというパンがよく食べられてることも♪



異国情緒を


小説を読んで感じられるのって楽しい~♪



著者がイタリア在住ってことが大きいのかも





霧子は



イタリア人の父と母との間に生まれた混血



生まれてからずっと日本に住んでいた








父が事故で亡くなり


ほぼ同時に


イタリアの祖父が亡くなり・・



祖父の遺産相続で


カフェを引き継ぐことになった。



イタリアへ渡った母娘




しかし・・




2人の間には




大きな溝ができてしまっていた



それというのも



父が亡くなった時の



母の行動が



霧子の中で



ずっと燻り続けていたから。




母とカフェをやっていくことで



2人の間の空気が変わっていく



隣に住む



イケメン兄弟



その兄「ダヴィデ」に恋心を抱く



霧子





憎まれ口を聞いてばかりの


同級生の弟「アンドレア」に嫌悪感を抱く



しかし!



その裏でアンドレアが葛藤していた


バジリコ家の複雑な家族関係



霧子はそれが分かってくるにつれ



「表面に見えない」



奥深くに隠れているものを見るようになる。




そして・・



カフェ・デ・キリコの常連になってくれた



「老人」



その人が・・



霧子にとって大切な人であったことが分かる





そして



そのことがきっかけで



母と和解していく




「人を許さないと、結局自分も悲しくなると思うよ。」



そう、ダヴィデに言われる霧子




そして


2人の話を偶然聞いていた


初めて会ったおじさんの言葉




愛すること、忘れること、そして許すことは人生の三つの試練




が心に残る




なんか・・



なるほどなぁ~って思った。




霧子が母に抱いていた気持ち



そして



母が祖父に抱いていた気持ち



そして



父が祖父とすれ違ってしまった心。。




それぞれの


心の奥深くにある



本当の気持ち



それが見えてくる



家族ってなんだろう?



血のつながり・・



心のつながり・・



いろんなことを考え



霧子とともに



読者もちょっとだけ成長できた気になれる1冊だと思いました



心が疲れている時



読んだらきっとスッキリ元気になれるんじゃないかな













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深緑野分「分かれ道ノストラダムス」~友人の死の真相から動けなくなった浅葱。それを救ったのは新たな友人だった!~

2017-11-07 03:23:47 | 
深緑野分「分かれ道ノストラダムス」読み終わりました。



たまたま図書館で見つけて


タイトルに魅かれて借りてみました。




「ノストラダムス」あの当時は大騒ぎだったね~。




でも



結局何も起こらなかった。




予言を



信じる人



信じない人



色々だったね。



私は


信じてない人




人は



不安になると



何かに頼り



すがりたくなる☆




そんな人たちの心理を



利用しようとする人がいるとしたら・・



許せないよね~。





表向きは



宗教にのめり込み破滅する人たちを助ける



正義の味方みたいな人を演じている。




その実態は



ノストラダムスの大予言を阻止しようとする



宗教団体「アンチ・アンゴルモア」の



教祖だった





浅葱は



中学の時の



友人の基の死を未だ受け入れられずにいる。




基は元々心臓が弱かったらしい・・



そのことも知らず



死の直前



浅葱と基はケンカをしてしまった。




そのことが



悔やまれていた。




基を友人の一人と考えていた浅葱



でも



基は違った。



それを知ったのは



基の3回忌で


基の祖母から


基の日記を預かり、



その日記の内容から


基は


事故で死んだ父と母の



「パラレル・ワールド」



を日記に綴っていたことを知る。




基の死んだ日の



直前の行動を調べていて



自分が絡んでいることを知って愕然とする



基とケンカをしたまま



引っ越した浅葱





基の死で



虎目にも帰ってくることを避けていた。



そんな浅葱が



基の日記がきっかけで



今まで同じクラスだったのに


まったく知らなかった「八女」と知り合う。




八女の友人「久慈」は



「パラレル・ワールド」に詳しかった。



パラレル=平行



自分が選んだ道と同時に「選ばなかった道」も選択肢の数だけ同時にどこかで存在している



そう言う考え方。




でも


久慈は


パラレル・ワールドは



机上の空論だと言い切る




それでも



調べてみたいのなら



「一人じゃなく誰かと一緒に」を勧める。




そして



八女を勧められた浅葱





それから



浅葱と八女の距離は急激に縮まる。






基の事を調べるうちに



浅葱は危険にさらされていく・・






久慈が



アンチ・アンゴルモアの教祖?!





信じられない八女と浅葱




そして



それを



青少年サポートセンターの「桐晴彦」から聞かされる。




桐は味方なのか?



敵なのか?




浅葱は



自分がさらされていく危険に



誰を信じていいのかわからなくなる。。




そんな時も


いつも


味方でいてくれる



八女



いつしか・・



八女は浅葱にとって



無くてはならない




存在



となっていく。




八女の生い立ち・・



特殊な家族のこと



それを聞いても全く動じなかった浅葱




八女の事がますます気になっていく




「自分のせい」と


基の死で自分を責める浅葱




そんな浅葱を


やさしくサポートする八女





アンチ・アンゴルモアと戦うことになる



八女と浅葱





人の気持ちを操ろうとする者を





八女と浅葱のお互いを信じて思う気持ちが





銃弾となって射貫く






何が本当で



何が嘘なのか?





自分を信じる強い心だけが



それを見抜いていく




自分が選び取った道




それは



間違いじゃない!




大事なのは



それを信じること☆




浅葱が



八女を選んだことも




16歳



まっすぐで危うくて



でもだからこそできることもある。





「大人になって、ちゃんと自分の頭で今回の事が理解できるまで、


 私とお父さんにあんたを守らせてほしいの。」



そういう母



本物の愛情に浅葱は守られてる



母の愛深し




自分の行動一つ一つが



沢山の選択肢があって選んできているような気になるけど・・



「あれを選んでれば」



そう人は後悔したりするけど・・




それは


そうなるようになっていて


今いる自分の世界は


たった一つ



それが思い描くようにいかなくても・・



きっと



それは何かにきっとつながってる



そう思いたいよね









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朝井リョウ「何者」~他人を貶めることで自分が「何者」かになれた気がする?ネット社会の恐怖?!~

2017-11-04 03:39:23 | 
朝井リョウ「何者」読み終わりました。



この前


「何様」の方を先に読んでしまったのだけど


この「何者」を読んで



「何様」の中に出てきた



「理香」は今回登場した「理香」なんだね?




「理香」が同居してる「隆良」と


そうなる前の段階を



「何様」では描かれていたんだぁ~。




そう納得しました^^





拓人は


劇団を辞めて


就職活動に専念する。



同居人の「光太郎」も



バンド活動を辞め



就職活動に専念する。




そして



光太郎の元カノ「瑞月」の友達


「理香」が


拓人たちの部屋の上の階に住んでいたことを知る。




理香は隆良と同居していた。



同じ就活をする者同士



情報交換の場となる理香の部屋




そして


そこで繰り広げられる


建前と


SNSで「何者」であるかを隠し



本音を言う裏の顔




それを隠しつつ



就活は続くのである。





就活のために



必死になる「理香」と「瑞月」




瑞月に惹かれていた拓人



瑞月の必死になる理由を聞かされる。





「私ね、ちゃんと就職しないとダメなんだ。」





今までは一緒に先を考えてくれる人がいた



だけど



これからは自分で決めて歩いていかなきゃいけない。




そんな瑞月の言葉。




そして



光太郎の



「就活が得意なだけだったんだよ。」



という拓人への慰めの言葉。




就職の内定が決まっていく



仲間たち。




サワ先輩の



「想像力を働かせろ」の言葉の意味。





拓人は



分かっていた。




でも


気付かないふりをしていた。




それを認めてしまったら・・



自分は立っていられなくなるから。





しかし!




しっかり拓人を見ていた人がいた。




「理香」は


拓人の



裏の顔を知っていた




仲間たちを貶める言葉たち・・




そして




その言葉で




自分が




何者かになったような気でいること





そんな拓人を



理香は




「観察者」



だといった。





「あんたは、誰かを観察して分析することで、


 自分じゃない何者かになったつもりでいるんだよ。


 そんなの何の意味もないのに」



「自分は自分にしかなれない。」





笑われてることも


ダサくてカッコ悪いことも


わかったうえでやってる。



もうそうやって


あがいてやるしか道はないから。




そう理香はいう。




「でも私だって同じようなものなのかもね。」





自分が傷つかないように・・



自分が傷つけられないように・・



そうやって予防線を張る。




そうしないと立っていられなくなるから。




でも



理香に言われた拓人は



そのことで



開き直ることができた。




自分は



「何者」でもなく、




自分は自分なんだと。






私も


拓人が理香に心を暴かれたとき・・



なんだか自分自身に言われてるような気がした。




ここで


読んだ本のことを語り



顔も知らない誰かに見られてさらされてる自分。



なぜ


ここでこんなことを語っているんだろう?




何がしたいの?



そんなことを。




誰かに


やっぱり聞いてもらいたいからかな?



自分が読んだ本で思ったことを。




ただそれだけなんだけど・・




自分でも気づかない感情が



どこかに隠れているのかも?





人間は


嫉妬もするし


妬みもする。



「そんなのないよ~」


・・と言ってる人なんて



「うそだ~!」って思う。




だってそれが人間でしょ?




欠点が無い人なんているはずない。




誰かに言われて



「自分を知る」



そう言うことの積み重ねで


自分が変わっていく。



そういうこともあるんじゃないかな^^





誰かに選ばれないと



「自分はダメ」



そう思ってしまうけど・・




誰かにはきっと


必要とされてるよ。自分☆




そんな風に思える作品だと思いました





それにしても・・



顔が見えないと



何でも言えちゃうって



怖いよね~。





私がコメント欄閉じたのもそのせいなんだけど(^_^;)











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