読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

佐藤青南「人格者」~誰もが「人格者」というコンマスが殺された!隠された不協和音・・その正体とは?!

2022-08-23 02:57:30 | 



佐藤青南「人格者」読み終わりました。


私は音喜多弦と鳴海桜子のコンビが好きなので


前作の「連弾」に続き読んでみることにしました。


音楽家の様に?もじゃもじゃ頭の音喜多


でも音楽には疎い。。


一方


鳴海は音楽隊採用で警察に入ったにも関わらず


なぜか刑事になっていた。


バツグンの音楽センスを持つ音大の声楽家卒の鳴海


しかし・・


彼女にはたった一つ欠点が。。


人の顔が覚えられない相貌失認なのだった



そんな鳴海をなぜ刑事課長が手放さないのか?!



鳴海とコンビを組んだ当初音喜多は不思議に思っていた。


しかし


鳴海と行動するうちに


他の人が気付かないことに


気付いていく!


そして


犯人をいち早く見つける能力に長けている


そう思うようになる。



相貌失認の鳴海が


音喜多を見失わないようにかぶるようになった帽子



いつの間にか音喜多は鳴海と歩調を合わせる

無二のバディになっていた



鳴海の心の裏側に触れる瞬間


彼女の生きてきた人生を垣間見る音喜多



兄のような?


父のような?


そんな気持ちにいつの間にかなっている



鳴海の自由な行動に苛立ちながら・・


でもどこか憎めないでいる音喜多



読み手側もそんな2人を微笑ましく思ってしまいます




今回2人が手掛ける事件



関東フィルハーモニー管弦楽団のコンマスが自宅で燃やされ殺される



早速現場へ行く音喜多と鳴海


鳴海は4そう収納できるバイオリンの

1そうがなくなっていることに気づく!!


それはコンサートで使っていた一番高いバイオリンだった。


なぜ犯人はバイオリンを持ち去ったのか



関係者に聞き込みをするもいい話しか出てこない。。


被害者の「久米充」


人格者に一体何が起きたのか



楽団に入団するための音楽家の苦悩


そして


一流になるため幼少期から続けなければならない


練習の日々



久米の息子「太陽」が


バイオリンを久米にやめさせてもらえたことを


鳴海は「幸せ」だという。


鳴海自身の幼少期の苦悩



どれだけ努力してもなかなか手に入らない


楽団への切符。。



それを餌に汚いやり方をする者もいる?!



犯人探しが難航する中・・


鳴海はどんどん犯人に近づいていく!



そして・・


事件は意外な展開を見せる



人格者に隠された不協和音。。


その正体とは




「完璧すぎてうさんくさかったんだ。」


そういった警視庁音楽隊の高田



確かに


完璧なんて胡散臭い。。


人間なんだから


人格者には要注意




今回の事件で音喜多と鳴海の距離も


またまたググっと縮まった気がする




今回は鳴海の生い立ちが分かることもでてくるので


ファンとしてはすごくうれしかった



音喜多と鳴海がまたまた身近になった気がして









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長嶋有「佐渡の三人」~納骨が可笑しみを交えて家族のそのままを受け入れる旅になる~

2022-08-16 03:33:25 | 



長嶋有「佐渡の三人」読み終わりました。


私がこの本を読もうと思ったきっかけは


松岡圭祐さんのシリーズ「新人作家・杉浦李奈の推論」


その中で李奈が紹介していた本だったからなんです。


そういう出会い方もあるんだなぁ~

それってすごく素敵な事だと思うんです。


本が好きな人が本を通じて知る

今まで読んだことがなかった作家さんとの出会い



李奈が勧めていただけあってすごくよかったです



決して派手な展開があるわけじゃなんだけど

「家族」というものを

「血のつながり」というものを

あらためて考えさせられるお話だと思います。


そう言う内容なのにもかかわらず


決して重くなく


可笑しみさえ交えているのです



家族っていろんな形があると思うんです。


傍から

「常識」という名のもと

見てみたら


なんて不謹慎な!


そんな声も聞こえてきそうな


そんな家族


でも


一人一人のその人となりが


道子先生を通じて


魅力あるものになっていく


そこが何と言っても


この作品の魅力だと思います。



「納骨」が


普段あまり親密な付き合いをしていない家族


その関係を浮き彫りにして


無理をせず・・


重くならず・・


その家族との関係を楽しんでいる


作中も「不謹慎」という文字が何度か出てきます。


でも不謹慎でもなんでもなく


個人へのその家族ならではの「おくりかた」


なのではないかと思うのです。


可笑しみで


ちょっと心を軽くして


でも故人への敬意も忘れていない。


弟から「道子先生」と呼ばれる作家の道子


祖父母の面倒を見ているということで


ひきこもりを濁してしまっている弟


普段あまり関わっていない父親のヤツオ



3人が隣の「おばちゃん」が亡くなり


先祖の墓がある佐渡まで旅をする。


その珍道中



宿で3人がそれぞれ眠れなくて

それをお互い知らずに過ごす時間


そんなことさえもこの家族の関係を物語っていて

なんかいい!


気負わず

でも大切だという気持ちはある


この家族はこれでいいんだ。


あっ・・


自分もこんな風に


そのままを受け入れてくれる家族ならいいな。


こんな風に送られたら嬉しいな♪


そんな風に思いました。



絶妙な長嶋さんのユーモア素敵だな



墓じまいが多くなってきたこのごろ


こんな風に納骨をすることを


逆に新鮮に感じることもできました。



ぜひぜひ読んでもらいたい作品です








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鏑木連「見えない階」~心療内科医「慶太郎」の例えそれが卑怯であってもクライエントを護る姿勢☆

2022-08-05 03:32:23 | 



鏑木連「見えない階」読み終わりました。


これは

心療内科医・本宮慶太郎の事件カルテシリーズの「2」です。


前作「見えない轍」でググっと慶太郎の魅力に惹かれて

今回も読むことにしました




閑古鳥が鳴いていたクリニックに悩んでいた慶太郎


それを何とかしようと親友の沢渡が


鞠小路の古民家物件を慶太郎に紹介する。


・・・というより


沢渡がどんどん決めて、やれ!という感じで


費用はどうするのか気になった慶太郎だが


沢渡が勝手に決めてきたテレビ出演で払えるという?!


いつも強引な沢渡


でもそれを信頼してもいる慶太郎だった



そのクリニックを始めるにあたり


早速営業に来た空調システムの営業「古掘 孝昭」



慶太郎は孝昭から思わぬ相談を持ち掛けられる。


それは姉「友美」のことだった。


部屋から出てこない引きこもってしまっている友美


それを何とかしたいと考えていた孝昭



医者に行くことを拒否している友美


慶太郎は孝昭の友人として


友美の様子を見に行くことになる。



友美の趣味である羊毛で作るマスコット作り


それをネタに慶太郎は友美との距離を縮めようとする。


なかなか打ち解けてくれない友美


近づく方法を模索する慶太郎



そして


友美が引きこもってしまったきっかけが


孝明と話しているうちに


弁護士の転落事故死に関連していることが分かる!


弁護士の島崎はテレビにも出演していた売れっ子だった。


島崎と友美の接点とは?


そして


現場に残された桜の花をかたどった紙・・


優秀の文字・・


孝昭が友美が持っていたのを見たという。。



2人のつながりとは?



慶太郎が友美を護るために


自分にとっても一番したくない


39条を持ち出すこと



記者の光田に


「卑怯」だと言われても


クライエントのためには


自分を押し殺し手段を択ばない姿勢



そこに心療内科医としても矜持を見た



友美は解離性同一障害なのか?


はたまた・・


島崎を殺したのか



島崎とのつながりは?


顔も知らなかった

ある女性に

無理を押しても会いに行った理由とは



患者の立場になり


時には盾になり守り抜く!


そんな慶太郎に感動しました



人は見えることに目を向けがちだけど


見えないところにこそ真実はある



そして


その見えない心の鍵を開けていくのが


心療内科医なんだなぁ。。



心の病を抱えている人は多い


だけど


こんな心療内科医に出会えたら


きっと心も軽くなっていくんだろうなぁ。




そんなことを思いました。



また慶太郎先生に会える日を楽しみにしています



結末まで


ページを繰る手が止まりませんよ~っ









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