読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

湊かなえ「落日」~落日のもと明らかになる真実!防火壁の向こうの救いの手は誰のもの?~

2021-10-27 03:28:59 | 
湊かなえ「落日」読み終わりました。


お話の始まりからは想像のつかない

話の流れ・・


そこが湊さんの作品の魅力ですね☆


これはどこにたどり着くのだろう?


それを推理しながら読んでいく。


でも推理しきれず・・


そう言う事だったのか~!


・・とうれしい裏切りが



母にいつもベランダに出されていた少女


そして隣の仕切り板から見えていた白い手


指で交わした2人だけの信号


そして・・


父の死で別れた2つの手



そこから始まる


真実を追い求める少女の物語



脚本家の大畠先生のアシスタントの真尋


賞を取った映画監督「長谷部香」から脚本の相談を受ける


恋人?の伸吾からの紹介だという


大畠先生ではなく私に?


真尋は自分が一度だけ大畑のピンチヒッターで書いた


脚本があった。


それで?


しかし


香に会ってみると


香が知りたかったことは


真尋を姉だと勘違いしていて



「笹塚町一家殺害事件」


そこに住んでいたことで事件の詳しいことを知りたがっていた。



ピアノが上手で有名だった姉「千穂」


姉と幼稚園の時同級生だったという香


妹の方だと知り落胆する。



しかし


真尋に何か知らないかと言ってくる


それについて多くを知らない真尋


結局香の期待に沿えず


そのまま別れる。



しかし


事態は急転していく!



法事で再会した従兄の正隆


正隆は香と幼稚園の時同じクラスだったという。


そして


笹塚町一家殺人事件


殺された立石紗良


紗良と同じクラスだったイツカとコンタクトを取った正隆




紗良は嘘つきだった?



兄に殺された紗良



そして・・



真尋が抱えていた姉への憧れ


そして


姉がもういないという事を受け入れられずにいた?!



笹塚町一家殺人事件



引きこもりの兄が起こした


それだけの事件ではなかった




真実が知りたいと思う香


なぜ香がそこまで真実をつきとめたかっいたのか ?



真尋はそれが分からなかった。



しかし!


真尋が姉の千穂のいなくなったことを受け入れ


そして


姉の知らかった部分を知ることで


もっと知りたい!と思った。


憧れだった姉が


悩んでいたこと


そして挑戦したかったこと


いろんな姉を真尋は知っていく。


姉とつながっていく事件の真相?!



そして


真実を知りたいと思った香とともに


始まりの場所から


その真実を突き止める



香の父の死の真相


ずっと


心を悩ませていた


それが


笹塚町の落日とともに


明らかになる




人は表面に見えていることでしか


判断することをしない。


本当のことは


隠れている部分にこそあるのに。


それを知ろうとすることで


その先のその人の人生を変えることにもなる。



そんなことを教えてくれた作品だと思います。



監督としての香


脚本家としての真尋


2人が真実を知った時に成長していく姿



そこも読みどころですよ













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鏑木蓮「水葬」~恋人が消えた!そして元カノも同時に?揺れる希美の心が向かったのは?!

2021-10-23 03:49:52 | 

鏑木連「水葬」読み終わりました。


失踪してしまうという内容の小説はよくあるけど


今回はちょっと今まで読んだものとは違っていて


すごく想像力を掻き立てられました。



光一との結婚を

親代わりの伯父は反対していた。


フリーカメラマンという不安定な収入面や時間にルーズなところ


そこを指摘され


硬い考えの伯父を説得することに苦労していた。


そんな中


伯父と母と会うことになっていた光一が


時間に遅れ・・


そして


とうとう来なかった。


結婚反対にまたは拍車がかかったまま


伯父と母は帰って行った。



希美は光一に連絡を取ろうとするが

メールも返信がなく

電話もつながらない。


2日たち・・


これはさすがにおかしいと希美は動き出す。



光一の親友網島に連絡を取り


相談する


そして


網島に光一の妹にも連絡してもらう。



大げさだと言っていた妹の「美紗」


希美が光一から聞いていた仕事の日程より


1日余分に聞いていたという美紗


しかし!


美紗の先輩の「優子」もいなくなったと知る


しかも!大金を詐取して?!



光一の足取りを美紗とともに追うことになる。


美紗は希美に対し冷たい態度だった。


希美があまりにも光一のことを知らないことに


「本当に付き合ってたの?」と突き放した言い方に


希美は傷つく。。



優子は光一の元カノだった!!



光一が愛した景色


写真に写っていた景色に


違和感を持つ網島


そして

希美も



限界集落を愛し


その村を再生させた「帰郷プロジェクト」


その中心となった人物「弘永徳蔵」


徳蔵の過去に感化される

希美


顔写真からも魅力を感じるなにか



光一が希美に隠していた事・・


それは一体何なのか



水の郷ニュータウン


自然豊かな村で暮らしている人たち


郷の水は自然でおいしい


・・・が。



優子が研究者として守りたかったもの


そして


光一が誤ってしまったこととは



2人の足取りを追う希美


そして


美紗とはそれを一緒に突き止めることで


信頼関係が生まれていく



徳蔵が辿ってきた茨の道



そのうえで成り立っていた水の都ニュータウン



光一と希美はどうなるのか




最後までハラハラ・・ドキドキが止まりませんでした。



希美が知らない光一を知ることで

希美の心は傷ついていく


でもそれに負けず光一を信じようとする希美


その一途さが真実を暴いていく



そこにどんどん惹かれていきました


徳蔵が歩んできた戦後の厳しい時代


それが詳しく出てくるんだけど


それにはすごくビックリして


すごい時代を生き抜いてきたんだなと感動した。


いろんな人たちの努力が


今の自分の生活を支えているんだなって気持ちにもなった。


希美強く徳蔵に惹かれたのは


祖父に雰囲気が似ていたところもあるらしい。



優子にしても研究が報われない事や


厳しい女性研究員の現実


それを見せつけられ考えさせられた。



誰が悪いのか?


どれが正義なのか?



そんなことを考えさせられた作品でした。


光一探しに一役買う母の知り合いの元警察移管「五頭」


五頭と母の関係


そして


もしかして・・希美の?


そんなことも想像しながら読みました。


希美と美紗と五頭3人が徳蔵と対峙し


希美が徳蔵に迫るシーンは必読です










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碧野圭「書店員と二つの罪」~17年前のおぞましい事件!正和の記憶の奥に隠れた罪とは?!

2021-10-18 03:03:46 | 

碧野圭「書店員と二つの罪」読み終わりました。


高田馬場のすぐそばにある「ペガサス書房」で働く

契約社員で副店長の「椎野正和」


ある日届いた本を見て驚愕する


その著者は


正和が中3の時に関わった


おぞましい事件の犯人だった



名前は「死我羅鬼 潔」(しがらき きよし)


とペンネームだが


タイトルが


「告白 名古屋東部女子中学生殺人事件」


となっているので


一目で正和は気付く



なぜ17年経った今頃こんな本を出すのか?


おぞましい記憶がよみがえりそれを嫌悪する正和


何故この本を売らなければならないのか!


そんな憤りを感じて店長にも詰め寄る!


しかし


今売れる本を置く


それが店長の意向だった。



ただでさえ本が売れない時代


売れるものを売る!


それがクソ本であっても



それと抱き合わせ商法のように売られる


この事件の元になったコミック


それにも正和は反発を感じていた。



そして


そこから正和の遠い記憶の奥に隠した



真実が露天していく



当時家が隣同士で学年も同じ正和と


同級生の田上沙耶香を殺した犯人


「創」


弟同士も仲が良く家を行き来していた。


そして


事件当日正和は創に出くわし


自転車に段ボールを載せるのを手伝っていた。


それによって正和は共犯では?と疑われる。。



そんな嫌な二度と思い出したくないことが・・


この本の出版に寄って


再び正和を苦しめる



実家に戻った時


同級生の加藤つぐみから連絡があり


当時つぐみを憎からず思っていた正和は


つぐみと会うことになる。


つぐみとの再会に心が温かくなる正和



しかし!


東京に戻る夜行バスで


当時執拗に付け回された記者「青木」に再会する


そして・・


それから正和は17年前の事件が元になった


新たな事件に巻き込まれていく




母が正和に言った



『言わないことが罰』


重い言葉だったなぁ~。


正義を通すことに何の意味があるのか?


奥深いいろんな場面を見て経験した母の重みのある言葉



さて結末はいかに



書店員の辛さ。。


正和を通して痛感させられた。


売りたい本だけ売ればいい!


そういうわけにはいかないってこと。


売りたくない本が売れていく現実


辛いよね。



自分が言ってしまった一言で


その人の人生が変わってしまう!!


そういうこともあるんだなぁ・・


そんなことも考えさせられました。



いつ自分もそういうことに巻き込まれていくかわからない。。


そう思うと落ち着かない気持ちになります。


多感な頃の嫌な思い出。。


それを背負っていく正和辛いなぁ







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湊かなえ「カケラ」~カケラがはまる場所は必ずある?居場所を求めたそれぞれの行方は?~

2021-10-16 03:59:16 | 

湊かなえ「カケラ」読み終わりました。


湊さんの独特な世界に引き込まれていきました~!


最初何の話をしてるのか・・

なぜこの人が出てくるのか?


よくわからずに進んでいく話


でも推理力を働かせ

次々出てくる人物たちと

話を聴いてる人との関係


それを考えていく。


そこが面白いところ



ある少女が


大量のドーナツに囲まれて自殺した


そして

その少女は

モデルみたいな美少女だとか。

いや、

学校一のデブだった



その少女のことを聞きにに来る人たち


その話を聴いているのが


「さのちゃん」と呼ばれる


人気の美容外科医


このさのちゃんと同級生だった人


そして


自殺した少女と関わった初対面の人


いろんな人たちが話すこと



それをパズルのように当てはめて行くと


このお話は完成する



最初「さのちゃん」って


「佐野さん」のことだと思ってたけど


まさか!


そういう呼び名だったとは!


ここも面白い


そして


美人でスタイルもいい「さのちゃん」が


あなたにはわからないでしょ!私の気持ちが!


なんて言われてしまう。。



それぞれから聞くその人の生い立ち


そして


それぞれの価値観



人は自分と違っていると


それを蔑んだり


嫉妬したり


いろんな感情が生まれる。



自分の価値観で見たその人


その人の価値観で見た自分


それはずれている



なんてかわいそう~!


そう思われてる人が


実は自分は幸せと感じていたり


逆に


何もかも手に入れて幸せそうに見える人が


自分は不幸せだと思っていたり



人は表面上からはわからないことが


たくさんある!



そんなことを教えてくれる作品でした。



太っているからやせることが大事?


なにを「美」とするのか?




目的に執着するがゆえに


本当に大切なことを見失ってしまうことがある。。



それぞれの場所で


それなりに暮らしていかなければならない私たち


時には

自分の考えを押し殺し


自分の形を合わせていかなければならない。



本当の自分の形を


当てはめる事ができる居場所は


なかなか見つからない。



でも


きっと見つかるよ



そんな希望を持たせてくれる


そういう終わり方でよかった。



自分が要らないと思ってるピースは


実は人の欲しがってるものかもしれない。。



考え方ひとつで世界は変わる


ってホントだと思う


・・と前向きにしてくれる作品でした












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知念実希人「十字架のカルテ」~9年前の事件で自分を責めてきた凛。重い十字架が消えるときが?!

2021-10-14 03:20:49 | 

知念実希人「十字架のカルテ」読み終わりました。


医師として勤務しながら小説を書いているという

著者に興味を持ちました。


現場を知っている目線での小説はリアルに描かれているのだろうと。


主人公「弓削凛」の精神科医の志の高さ


そこまで彼女を追い込んでいるものは何か


最初のシーンで


通夜の様子が出てくる


遺影には


親友の顔が


18歳で亡くなった親友



この親友が凛を精神科医へと誘っていく。


そして

もっと先の

精神鑑定医を目指させる



そのきっかけとなった事件


そして


その犯人と対峙する日がくる



凛が背負ってしまった十字架とは?



光陵医科大学雑司ヶ谷病院

精神科の専門病院で働く凛


そして


そこの院長である「影山司」は

精神鑑定の第一人者でもある。


その影山につき

助手として

事件の被疑者の精神鑑定に立ち会うことになる凛


そして


そこから


凛の戦いが始まる



精神鑑定の難しさ・・


精神病にもいろいろあるのだという事


そして


罪を逃れるための「詐病」もある。


それを鋭い洞察力で


影山は鑑定していく!!



こんなシーンがある


精神鑑定は容疑者を救うために行われるものではない。

では・・

何のために?


「社会のためだ」

「なぜ犯罪が起こったのか、精神疾患がその原因となっているのか、

 それを慎重に判断することにより、同じような犯罪が起きるのを

 防ぐ足掛かりにする。それが精神鑑定医の仕事だと私は考えている」影山



凛はこの影山の言葉を胸に被疑者の精神鑑定に挑む


自分に向き合い葛藤しながら・・


そして


失敗もしながら・・


そんな凛を応援したくなる



18歳の少女が背負った十字架


それを下ろす事ができる日は来るのか



リアリティのある被疑者との対峙に


手に汗握り読んでいました。



精神を患っていれば


何をしても許されるのか?


そんな疑問はいつも持っていました。


被害者の遺族たちの感情


そして


精神を患ってしまった人の苦悩


どういう判断が下されても


どこかに残ってしまう痛みや苦しみ。。



それでも


影山の言った言葉に


仕事への矜持を感じ


そうやって戦ってくれている人たちに


感謝の念を抱きました。


時には恨まれてしまったりと言う事も

あるのだろうなと

暗い気持ちにもなりました。


それでも日々戦っていくしかないんだよなぁ。


普段関わることのない人たちの生きざまを

垣間見る事ができて

すごく勉強になりました。


無くならない犯罪


そして


精神を患ってしまう人は日々増えていく・・


そういう中で私たちは生きているということを


あらためて強く感じ


それを忘れてはいけないんだと思いました。








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