読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

薬丸岳「天使のナイフ」~妻の殺人の裏に隠された過去の過ちを知り、変化していく加害者への思い~

2016-11-29 03:25:30 | 
薬丸岳「天使のナイフ」読み終わりました☆



これは江戸川乱歩賞を受賞してる作品だったんですね~。




友達から薬丸岳さんの作品を読んでいると聞き



私も興味を持って読み始めた。



前回は「Aではない君と」を読んで



加害者側の家族の葛藤



そして



「少年法」について考えさせられた。





今回の作品も考えさせられる内容でした。





事件なんて起こす子供は




親の育て方が悪い



そんな言葉をよく耳にします。



だけど


一概にそうとも言い切れないと思ってしまう。




兄弟想いの・・


親に従順な・・



そんな本当に




普通の子供




が起こしてしまう犯罪。





ある



何気ないきっかけで・・




自分も



いつ




加害者家族に



そして




被害者家族に



なりうるということ




それをとても考えさせられました。




そして



「少年法」の理不尽さも思い知らされました。




将来のある子供は守られ・・



被害者家族は



犯人のことを


詳しく知ることも許されず・・



その後のゆくへや



どうしているのか?



自分が起こした罪を



どう思っているのか?



それもわからないまま。。




少年たちの



真の更生



それとは一体どううことなのだろう




それを本当に考えさせられました。




被害者家族への贖罪とは



そのことも考えさせられました。




謝れば済むことではない。



どうしたら


贖罪になるのだろう?



それを考えること自体も


「贖罪」になりうるのだろうか?





桧山は妻を殺される。




5か月の愛実が眠るベビーベットの上で。




犯人はすぐ捕まった。



中学生の少年3人の犯行だった。



「お金が欲しかった」



そんな理由で妻は殺された。



それなのに


犯人の名前も知らされず・・



「少年法」に守られた14歳の少年たちは



人を殺したにもかかわらず



大した罰も受けずに普通の生活に戻ってしまう。




桧山は憤りを隠せなかった。



どこにこの気持ちをむければいいのかを。




救いは一人娘の愛実



愛実を育てることで桧山の気持ちも



なんとか慰められていた。




3年後



妻の祥子を殺した犯人の一人「沢田」が殺される。




桧山の経営するコーヒー店のすぐそばの公園で。




桧山は疑われる。




「国家が罰を与えないのなら、自分の手で犯人を殺してやりたい」




そういってしまった桧山に警察は目をつける。




そして


次は


犯人の一人


「丸山」が線路に突き落とされる


一命はとりとめたものの


殺人未遂。




そのとき


桧山はその場所に遭遇していた。




なぜ


桧山の近くで


桧山を「犯人」に仕立てるように



事件は起きるのか?!




それを桧山は調べる。




自分を陥れようとしてるのは誰なのか?




そして



もう一人の少年「八木」と待ち合わせする桧山




その場所に行けなかったが



八木は殺されてしまう。




一体だれが?




そして



桧山に送られてきた



「ビデオテープ」




そこに映っていた少年3人が行う



幼児へのむごい行為




犯人に近づいていく桧山





そして



それを追ううちに




妻の祥子の過去の犯罪を知る




妻の通帳から消えた




500万円



それは



妻の





贖罪だった




妻が苦しんできたこと



それを知り



桧山の被害者への気持ちも



変わっていく。




罪を犯すこと



それはいけないこと・・




許されないこと・・



だけど



その罪を背負って行くことの辛さ。。




そして



被害者家族の辛さ。。





それは


経験したことがないと分からないこと。






そして



真犯人は意外な人物だった。





犯してしまった罪は



罰をうけたとしても



消えることがない。



それを


深く胸に刻み込まれた気がします。




自分がもし



そういう立場になったら・・



想像でしかわからないけど



それを想像してみるっていうことも大事なんだと思う。



そんなことを思いました。




また薬丸さんの作品読んでみたいと思います


















  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

薬丸岳「Aではない君と」~14歳の少年が父に問う「心とからだと、どっちを殺したほうが悪いの?」

2016-11-25 02:46:45 | 
薬丸岳「Aではない君と」読み終わりました☆



タイトルにひかれて読んでみました。




あなたの家族が



殺人犯で逮捕




その時から



あなたの生活は一変する




そんなことを想像したことがあるでしょうか



この作品はそんなことを考えさせてくれる作品です。




世間から白い目で見られ・・



自分は何も罪を犯していなくても



責められる。。。




「 自分が罪を犯せば家族をも苦しめることになる

 すべての犯罪者にそう知らしめるためにもね。」



東野圭吾「手紙」より



そんな一節も小説中に書かれている。




たとえ・・


どんなに自分自身が罪を犯していなくても


真面目に生きていても・・



そういうことは



誰の身の上にも



起こりうること





14歳の少年の遺体が発見される




吉永はテレビでニュースを見て



自分と同じ息子を持つ



テレビに映る父親に自分を重ね



やりきれない思いになる。




しかし!



その数時間後に



自分がその事件の加害者の父親になるとは



思ってもみなかった。




息子の翼が逮捕された。



そう


別れた元妻 純子から聞かされる。



翼は純子が引き取り育てていた。



翼に会うのは2~3か月に1度だった吉永




交際2年になる



職場の美咲と結婚を考えていた。




仕事も順調だった。




しかし


翼の逮捕により


吉永の生活は一変する




マスコミからの攻撃



職場への嘘



そして・・



「殺人犯の父親」としての責任



それが重くのしかかっていく。




犯行の動機に口を閉ざす息子




息子の心を知ろうと



吉永は奮起する。




犯行前にかっかって来た


翼からの電話




それに出ることができなかった父の後悔





息子と父の



体以上の





心の距離





病気がちで仕事が忙しい母




自分から距離を置こうとして何も知ろうとしない父




翼は2人から


「愛されていない」と感じていた。





毎日繰り返される



親友だと思っていた人からの



辛い仕打ち。。




少年の心は殺される




自分の心は殺された



だから



友の体を殺した




翼が


吉永に問う




「心とからだと、どっちを殺したほうが悪いの?」





吉永は言葉に詰まる。




翼は反省なんかしないという。





自分がしたことを



どう反省させたらいいのか?




親としての自分



そして



人間として



息子に自分は何ができるのか?



吉永は考える。




そして



父と息子が




その答えを見つけるのは・・




翼がAではなくなり・・




更生したと思ったときに




押し寄せる波




一生ついて回る



自分が犯した罪に




耐えきれなくなったとき




父は息子とともに



それを背負っていくことを決意☆





殺された息子への思いに



そして



息子が大切にしてた写真に写る翼に



大切な息子を殺された父親の慟哭。。





吉永と翼は。。







親と子供のすれ違ってしまう心



子供は親に「愛されたい」と思う



親は生活のため必死に働く。


子供に不自由させないため。



なのに


なぜすれ違ってしまうのか?



お互い相手のためと



隠していた心が・・



犯罪という道に向かわせてしまうのか?





自分ひとりで生きているような気になることがある。



自分の命なんだから自分がどうしようと勝手でしょ。



いえ・・



そんなことはない。




自分ひとりだけのものじゃない。




自分を思ってくれる人たち



たくさんの人の手で出来上がってる自分




だから



自分で自分を殺すのもいけない。



そして



他人の命も同じ。




だから



絶対に殺してはいけない。





だから



人を殺してしまったら



一生それは背負って行かなきゃいけない



消えることのない罪になる。





人の命



人との関係



家族




いろんなことを考えさせられる作品でした














  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

平 安寿子「あなたがパラダイス」~更年期の女3人がジュリーの歌に救われる♪~

2016-11-20 03:47:38 | 
平 安寿子「あなたがパラダイス」読み終わりました☆



この本との巡り合いに



自分自身ビックリしています



だって~



あまりに自分と重なっているんだもの(^-^;




きっと



もっと若いときに読んだら



こんなに共感できたりしないだろうなぁ。




今の自分だからわかる☆




・・・っていうと歳バレちゃうけどねー。



まぁ隠す気もないですけど!笑




内容知らないで読んだんですよ。



そうしたら・・



「更年期」の女たちの話じゃないですか!!



なんということでしょう~!笑




自分が20代や30代のとき



よく



その年代の人に



「更年期で辛い」なんて話を聞いた。




けど・・



まったくわからなかった。



そして


自分がそうなることなんて


ずっと遠いことだと思ってた。



他人事・・そうだった。



だけど


50になって


まさに


そういう症状に苦しめられる。。




今だからわかる




「もう人生の終わり」



そんなことを感じて落ち込む。。




もう・・


このまま老いてゆくだけ。。





母親の呪縛に苦しめられ



その反動で男の人と本当の恋愛がしたことがなく



50になった図書館の司書「内村敦子」




もう自分はこのまま歳を取って



心揺さぶられる恋愛もしないまま歳を取ってゆくだけ



だけど「ジュリー」がいればそれでよかった。




そんな敦子が


「ジュリー」が縁で出会う



運命の人





西嶋まどか 50歳



ホッとフラッシュ・めまいに苦しめられる




長女は就職して長男も大学卒業



子供の手は離れたものの



旦那と自分の親の介護が一気に押し寄せる!!



体調が悪くても


逃げられない介護。。



先行きに不安を感じていたまどか




そんなまどかが



昔ファンだった「ジュリー」を思い出す。




そして



ジュリーの曲に助けられる






有明 千里 43歳




子供ができずに旦那に捨てられ離婚



それをきっかけに



更年期症状が出始める。



「離婚で精神的ストレス」だと思っていた。



「更年期」なんて認めたくなかった。



だって43よ!


子供も産んでないのよ!



千里は自分の体に起きていることに



抗う



しかし



「ヘイヘイ・メノポーズの会」(更年期のことを「メノポーズ」という)に参加することになってしまった。



友人の有季子が千里にライターの依頼をして


この記事を書くことになったから。



そのことがきっかけで



この会のテーマソング



ジュリーの歌う「MENOPAUSE」(メノポーズ)を知る☆




最近元気じゃない 怒りっぽいんじゃない


汗っぽい感じ違うかな


集中できないじゃない 疲れたまるじゃない


困った手立てないのかな



ぎゅっと抱きしめ合おう そうね楽しめない


惨め ため息つこう






えっ?ジュリーがこの歌を?



自分の気持ちにピッタリのこの曲を聴いて


千里はジュリーに興味を持つ




あのジュリーでもこんな気持ちになるんだぁ。




そして



それぞれの更年期を迎えた3人の女たちは



ジュリーに励まされ



自分の現状を受け入れて



元気をもらう



歌の力ってすごい



そして



どんなに時が流れようと



その歳にあった歌を歌い続ける♪




そういうジュリーにも感動した




私はジュリーのヒット曲しか知らないけど・・



中学の時は「ヤマトより愛をこめて」に鳥肌を立てていた


TOKIO

カサブランカ・ダンディ


ダーリン


などなど・・


色気のあるお兄さんって感じだった。




だけど


歳を重ねたジュリーが歌う曲も聴いてみたくなった




私もこの本によって元気づけられた




人生もっともっと楽しまななきゃ



そんな気持ちになれる1冊です



特に更年期をむかた人には応援歌になりますよ













  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

平 安寿子「くうねるところ すむところ」~四角い男に恋した梨央は「男」も「仕事」も捨てる~

2016-11-17 03:50:25 | 
平 安寿子「くうねるところ すむところ」読み終わりました☆



このタイトルは聞いたことあったんだけど


こういう内容だと読んで初めて知りました。



面白かった♪



酔っぱらって工事現場に入り



高いところに上って下りられなくなる梨央




それを助けたのは




四角い男




梨央をひょいと持ち上げ



スイスイと下りていく。




四角い男の上で



何もできない梨央




助けてもらった後は・・



男にすっかり魅了されていた




名前も告げずに去っていく男





そして



梨央はこの男探しを始める。




そして


ついには


付き合っていた「不倫関係の男」と



「仕事」も捨ててしまう




惰性で過ごしていた関係



そして



日常



それが


四角い男


とび職に命を懸けている男に



梨央もかけてみたくなる




男の名は「徹男」



離婚した妻と息子がいる




そして


その離婚で女に懲りていた徹男は



梨央の気持ちもわかっていながら



遠ざけていた。



しかし


梨央の力にはなりたいと



建築関係の仕事をしたいという梨央に



鍵山工務店を紹介してくれる。




梨央はここで


仕事の大変さ


それでも


仕事をやりたいという情熱



そういう自分に驚きつつ



日々を充実させていく。




鍵山工務店を



父親から継いだ新社長の「姫」




この人にずけずけと進言する梨央




しかし


「姫」もそれがなぜかここちいい♪



会社なんか



すぐにたたんでしまえばいい!



そう思っていた姫だったが・・



「姫」もまた



建築の仕事に目覚めていく。





梨央が徹男から教わったこと☆




家というのは、服や靴とは違う。

自分のものにしようと思ったら、二十年三十年という長期ローンを組まなければならないほどの


金がかかる。


言ってみれば、建築業者は一人の人間が一生をかけて手に入れるものを作っているのだ。


腹の立つことはたくさんあるが、そのせいで仕事をおろそかにするようになったら、


見えないところで手を抜こうと思えばいくらでもやれる世界だから、


なしくずしに腕が、つまり心がけが落ちていく。


家は生活の基本だ。家づくりに携わる人間は、自分たちがやってる仕事の価値を


ちゃんと根っこに据えておかなければならない。





梨央はこれを聴いてますます徹男が好きになる




施主の注文に苦労していた梨央



しかし



それには



施主の家への思いがあるからこそ☆




また仕事への情熱が




住むところなんてどうでもいいと思っていた・・



徹男と知り合うまでの梨央




徹男と知り合い



徹男に恋して



自分がどんどん磨かれてく




徹男との関係は・・



果たして




塀のない縁側のある


外との交流のある閉鎖されない開かれた家



そして


世代ごとに考えられた使いよさと



家族がいい関係を作れる家




そういう家っていよなぁ




設計士の思い



とびの思い



大工の思い



その他の家にかかわる人たちの思い




それが集結されて



1軒の家ができあがる




これを読むまでそんなこと考えた事もなかったけど





1軒家を建てることってすごいことなんだなぁ




・・・と改めて考えさせられました。




作る人も住む人も真剣☆



だからぶつかることもあるんだね(^-^)













  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東野圭吾「恋のゴンドラ」~スキー場のゴンドラの中で繰り広げられるラブマジック♪~

2016-11-12 03:36:36 | 
東野圭吾「恋のゴンドラ」読み終わりました☆



圭吾さんの最新作は


スキー場にしかけられた恋バナ



だけど~


タダの「恋バナ」じゃないよ!




圭吾さんらしい仕掛けがいっぱいです




それにしても



圭吾さんは



なんでこんなに女心がわかっているんだろう??




しぐさや表情☆



小説の中でこんなに表現できているなんて




そして


圭吾さん好みの女性がわかる




スキーやスノボもやったことがない私が



この小説を読むことで



スキーもスノボもやった気分



・・になってしまう



これってすごいよね




圭吾さんご自身もスキーやスノボをなさるようなので



描写も実にリアリティがある




登場人物の恋バナも



30代男女なので



大人が楽しめるようにもなってる





ゴンドラに乗り合わせた



1組のカップルと


4人の女子グループ



乗り合わせたことで・・



カップルの男子は



天国から



奈落の底へ突き落とされる




4人の女子グループの中の一人は



男子が同棲してた女子だったから




同棲相手の美雪に出張とウソをつき



浮気相手の「桃実」と里沢温泉スキー場にきていた「広太」




同棲相手の「美雪」がいることに気づき焦る。。




ゴーグルとフェイスマスクで顔が隠れているのをいいことに


なんとかその場を切り抜けようとする広太



しかし!



ゴンドラ到着してホッとしたのもつかの間。。




美雪は


広太の連れの桃実を見つけ




声を上げる!!



えっ?



知り合い??




美雪と桃実は高校の同級生らしい。




そして


逃れられなくなった広太の運命は





美雪と広太



そして



美雪と桃実




4人はこの後。。





美雪と同じホテルで働く



日田・水城・月村・麻穂・秋菜





そして


日田は告白しようとしていた



美雪に失恋する




傷心をいやすため水城が誘うゲレコン



そこで出会う



桃実と日田




しかし・・




またまたゴンドラで出会ってしまう




4人は





どんでん返しの連続にドキドキ♪



そして


今回裏で活躍してくれた


里沢温泉スキー場のパトロール隊の「根津」



根津は



「白銀ジャック」「疾風ロンド」にも登場している重要人物☆



今回も会えてうれしかった




これを読めばあなたも恋がしたくなる



そして


スキー場に行きたくなる




「私をスキーにつれてって」といえるような人もできちゃうかも?笑



今は「スノボにつれてって」なのかな




圭吾さんがゴンドラに仕掛けた



ラブマジックのゆくへ・・



あなたもぜひ見届けてください!!




女は強し



えっ?!



肉感的な唇の桃実ちゃんの・・



あわわわ~・・













  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする