山口恵以子「婚活食堂８」～本物の見える力は失っても恵に見える光が人をつないでいく☆～

山口恵以子「婚活食堂８」読み終わりました。


このシリーズも８作目


早いですね～っ！


初めから読んでいると


ついつい自分も仲間のような気分で読んでしまう


人気占い師「レディ・ムーンライト」だった恵


見える力を失い・・


でもめぐみ食堂との出会いが恵に生きる希望を与えてくれた


めぐみ食堂の料理とお酒


そして


恵の人の背後に見える「光」が人をつないでいく



そこで生まれる縁で結婚していくお客さんも


そこから「婚活食堂」などと呼ばれるようになる



そんなめぐみ食堂に今回も持ち込まれる事件がっ！


めぐみ食堂のはす向かいに占い居酒屋ゑんむすびがオープンする。


その店主が恵の元同僚の占い師だった？！


めぐみ食堂の噂を知ってなぜそこに出店？？


なぜか恵に助けを求めるようなそぶりを見せる「マグノリア麗」


恵が力になる？



初めて来店する毅

恵に父の再婚を手助けしてほしいと願い出る？！


毅の父に迫る黒い煙。。


それに気づく恵！



人と人の縁を結んでいくめぐみ食堂


今回も人を思いやる恵の力が


新たな縁を結んでいく



今回私が気になった料理は


塩レバー


巻末にはレシピが載っているので


ぜひ作ってみようと思います



私はお酒はあまり飲めないけど

めぐみ食堂に行った気分になって

読み終わったとはいい気分


私の癒しになっています



著者の山口さんはいつも勉強されていて

いち早くいろんなことを小説に取り入れていらっしゃいます。


だからいつもこの作品は私の勉強にもなります。


山口さんのお人柄がこの作品にも出ていて

いつも温かい気持ちにさせてもらえます。


これからもこのシリーズを楽しみにしています



読んだら絶対めぐみ食堂と山口さんのファンになる事


まちがいなしっ！です

松岡圭祐「ミッキーマウスの憂鬱ふたたび」～夢の国で働く環奈が夢と現実の狭間で得たものとは？～

松岡圭祐「ミッキーマウスの憂鬱ふたたび」読み終わりました。


これは「ミッキーマウスの憂鬱」の姉妹編です。

読まないわけにはいかない！と思い読んでみました。

だって～

「ミッキーマウスの憂鬱」が面白かったんだもの


松岡さんの作品は

自分に自信を持てない若者が成長していく！

という描き方がとても素敵


主人公がもがきながら

いろんな困難に立ち向かって成長していく姿


それに感動してしまうんです。



ミッキーマウスの憂鬱では


後藤大輔が成長していく姿を描いていた。


その後藤大輔が「ふたたび」では成長した姿で登場する


ネタバレですね


自分が通ってきた道を


環奈を通して見ていたのか


環奈の助っ人になる今回



そこも読みどころの一つになっています



「ミッキーマウスの憂鬱」を読んだ人も


そうでない人も楽しめる作品


でも

読んでからこちらを読むと

楽しさは２倍になりますよ


ミッキーマウスが

傷ついた環奈を慰めるシーンも素敵



ミッキーマウスのヒミツも


「憂鬱」を読んでからこれを読めば


さらにいろいろ分かって楽しい



ディズニーランドで


カストーディアルキャストとして働く


永江環奈　１９歳


高校を卒業してこの職種に就いた環奈


自分では誇りを持ってやっている仕事だが・・


家族には理解されないでいた。



母も姉も「バイトの清掃員」としかみなしてくれない。。


パークを常に清潔に保つために働く環奈


しかし・・

環奈の中にもコンプレックスがあった。。


自信を持って仕事をしてる？


そんな自分の仕事に自信を持てずにいた環奈が


「アンバサダー」に立候補する決意をする



カストーディアルキャストからの初の立候補


上司も驚く！


他の候補者の中で地味な環奈


しかし！


それを目指すことで環奈は変わっていく


自分に特徴をつけるために


マジックを覚える


それを教えてくれる力強い助っ人を得る



しかし・・


協力者がいる反面


それをつぶそうとする者も


いろんな困難の中


自分を成長させようとする環奈



敵だとみなしていた人の温かさも知ることになる



夢の世界を守ろうとする


裏の現実との戦い



これを読んでディズニーランドに行けば


今までの何倍も楽しめる


心も体もボロボロになりながら戦う環奈


どこかで同じような思いをしている人たち


それを応援したくなる


若さっていいな


そんなことを思う。



チャレンジして


失敗して


でも


それがその人の糧になっていく



今の後藤君を見たら


環奈もこの経験でどんどん素敵な人になっていくんだろう


そんな期待を持ってしまう。


そして


次の作品も期待してしまう



松岡さんお願いします



みんなが一生懸命だから

あそこに行くと日常を忘れて楽しめるんだなぁ～。


いつも夢の国を守ってくれてありがとう


そう言いたくなってしまう作品です。


あなたも是非夢の国へ

奥田英朗「邪魔 下」～刑事「九野」の妻を喪った慟哭が主婦「恭子」にリンクする？！

奥田英朗「邪魔　下」読み終わりました。


いやぁ～最後のほうはすごかったなぁ！


九野が恭子にいつの間にか

亡くなった妻「早苗」を重ねていた


妻が生きていれば同い年

そしてどこか面影の似ている恭子に。


恭子の夫「茂則」を放火容疑で追っていた九野


そこで出会った恭子


いつの間にか九野は恭子のことが

気になっていた。


それが最終的にはあんなことになってしまうなんて



妻の母との時間

それは妻を亡くした九野にとってかけがえのない時間

義母の家で過ごす幸せなひと時


それが・・本当は



人は追いつめられると

頭の中で逃げ道を作り

現実か・・

妄想か・・

わからなくなるのかもしれない。。



そんなことを突き付けられた気がした



生活を守るため・・

子供たちを守るため・・

茂則の罪を隠すため・・


恭子は暴走してしまう



それを止めようとする九野


九野の早苗を喪った悲しみが

恭子を必死で守ろうとする行動を起こさせる



人はしあわせになりたくて生きてる


なのに・・


しあわせを守ろうとして

違う方向に行ってしまうんだなぁ。。


そんなことも思った。


何が正しくて・・

何が間違っていたのか？


九野と恭子の「孤独」が


リンクしていく・・


駄目だよ～そんなこと！


傍で見てるとわかるのに。。



自分ももし


そうだったら・・


果たして冷静でいられるのだろうか？


そうなってみなければわからないな。


あなたはこれを読んだら

どんなことを思うのでしょう？


邪魔だと思うことが

実は大事だったするのかもしれないなぁ