読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

瀬尾まいこ「僕らのごはんは明日で待っている」~亮太をいつも見てくれていた小春の思いを知って亮太の世界は変わる☆~

2020-03-30 03:45:34 | 
瀬尾まいこ「僕らのごはんは明日で待ってる」読み終わりました。


読み終わって一番に思ったのは


赤い糸ってちゃんとあるんだなぁ


ってこと。


人はよく


「運命」なんて言葉を口にするけど


きっと


それは生まれる前から決まっていて


その人とつながれた見えない赤い糸があるんだって


そんな風にすっと腑に落ちる心地がしました。



その糸は


途中でもつれて


切れそうになるけど


でもちゃんとそこに行きつくようになってる。



正に


亮太と小春はそのことを教えてくれた気がする。




兄が亡くなり


その心の隙間を埋めるこちができずに


人の死ぬ本ばかり読んで


人との関わりを避け黄昏ていた亮太



しかし


高3の体育祭で


体育委員をしていた「上村小春」に


一緒に米袋に入ってする競技に参加しないかと言われる。



そして


仕方なく引き受けた亮太だったが


そのことがきっかけで


クラスメートとも話すようになり


なんとなくクラスに馴染むようになる。



そして


競技が終わった後


亮太は小春に告白される



ずっと亮太を見ていたと小春に言われた亮太



最初は気持ちがついて行かなくて


ぼんやりと受け流してしまう。



しかし


そのことから


小春のことが気になり


2人は付き合うことになる。



鶏肉が嫌いなのにケンタッキーは好きな小春


食べ物の好き嫌いが意外に多いが


物事にはさらっと順応していく小春



食べ物の好き嫌いはないのに


物事にはなかなか順応できない亮太



2人は


米袋に一緒に入った時から


2人でひとつだったのかもしれない



一緒にいると何をするのも楽しかった



なのに



小春から急に別れを言い渡される亮太



小春はなにもかも自分の中で抱え


それを亮太に見せてくれない!



寂しく思う亮太



そして


2人はそれぞれの生活を送り


亮太には新しい彼女が



小春と付き合うことで


人間らしさを取り戻していく亮太



小春は


自分の出生のことで


ゆがんだ考えを持っていて


それを亮太が変えてくれる



燃え上がるような恋をする2人じゃない。



だけど


一緒にいるのが自然で


2人でいれば何事も2倍楽しくなる



2人はお互いにお互いがなくてはならない存在になる



あ~こういうのっていいなぁ。



心からそう思えた。



誰かとつながってる赤い糸


それは


あるとき唐突に見えてくるものなのかもしれないね



何を食べるかではなく


誰と食べるのか?



それでおいしさもかわってくるのかも



誰かと一緒なら


辛いことも乗り越えられる



そんなことを教えてくれた作品でした



瀬尾さんの作品はいつもあったかい








  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

瀬尾まいこ「春、戻る」~記憶にない「兄」の登場!さくらの固く閉ざされた記憶の扉が「兄」を思い出させないようにしていた?!

2020-03-28 02:31:21 | 
瀬尾まいこ「春、戻る」読み終わりました。


結婚が決まったさくらの元に


突然現れる記憶にない「兄」



「さくら」と馴れ馴れしく呼び捨てにして

自分のことを「お兄ちゃん」という


どう見てもさくらよりだいぶ年下の「兄」


さくらがもうすぐ結婚することも

さくらのあらゆる情報を知っている「兄」



記憶にない「兄」


詐欺か?


さくらはあらゆることを考えてみる。


・・がまったく記憶にない。



しかし


その「兄」はさくらの生活にグイグイ食い込んでくる。


そして


なぜかさくらもそれを拒絶しきれない。


さくらの嫁ぎ先である和菓子屋へも


「偵察」と言って出向き


結婚相手の「山田さん」家族と


すっかり仲良くなってしまう


そして


お見合いのような結婚なので


山田さんとの距離もまだ詰められていないさくら



それが「兄」の登場で


一気に恋人同士のようになっていく



いないはずの「兄」



記憶にない「兄」



なのに


本当の兄以上に



さくらにとってかけがえのない存在になっていく



そして


さくらの



閉ざされた思い出したくない記憶の扉



それが


「兄」の作るきんぴらによって


開かれていく



そして


理想通りになれなかった自分



それを思い出す



そして


優しかった人が言ってくれた




思い描いたとおりに生きなくたっていい。つらいのなら他の道を選んだっていいんだ。


自分が幸せだと感じられることが一番なんだから




その言葉を思い出す



さくらが幸せであるために


その手助けをするために現れた「兄」


その正体とは



さくらの封印していた辛い記憶



それが


「兄」によって「いい思い出」に変わっていく。


さくらは幸せだよね



こんなに妹を思ってくれるおにいちゃん


私にもいたらなぁ~。



結婚相手の山田さんもすごくいい人


情熱的なものはないけど


ゆっくりじっくり

さくらとのいい関係を築いて行けるんじゃないかな


人それぞれに見合った幸せがある。


それは


他人が決めるものじゃなく


自分が決めること。



自分が幸せだと感じられることが一番



いい言葉だよね



読み終わると心が温かくなる



さくらとおにいちゃんの関係に


どんどんひきこまれてみませんか?


あなたも







  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

谷瑞恵「拝啓 彼方からあなたへ」~死んだ友から手紙が届く?!手紙が取り持つ行き違った心☆友の死の真相とは?

2020-03-26 03:02:39 | 
谷瑞恵「拝啓 彼方からあなたへ」読み終わりました。


タイトルが気になって読んでみることに。



転校が多く

なかなか心を開ける友達ができなかった詩穂


そんな詩穂に初めてできた親友「響子」


手紙のやり取りが

二人の関係をさらに強いものにしていく


響子からあるとき渡された詩穂への手紙


そこにはもう一通手紙が入っていた。


それは同級生に宛てられた手紙


「もしもあたしが死んだら、この手紙をポストに入れてください。」


そう詩穂に頼んだ響子



年月が流れ


響子との文通も途切れがちになっていく・・



そして


詩穂の耳に届く


響子の死。。



詩穂に託された手紙は中学生の時書かれたもので・・


大人になった今それを出すべきか悩む詩穂



その背中を押したのは


苦手だと思っていた詩穂の店「おたより庵」の常連


城山だった。



大人になって手紙に関するものを売る店を開いた詩穂


口下手で


手紙に心を託すほうが得意だった詩穂


「手紙は嫌い」と言った


いつも仏頂面に見える男城山


しかし


城山に詩穂はだんだん変えられていく。



出した手紙の受け取りを拒否する「香苗」


香苗と響子の間にあったわだかまりとは



響子の死によって響子の本当の姿が見えていく


そして


死んだはずの響子から


詩穂に届く手紙


そこに書かれていた


響子の死の真相



いたずらなのか・・


本当なのか?


そして


そんなことが可能なのか?



詩穂と響子の心が



手紙によってひとつになる



離れて行ってしまったと思っていた友の心



でも


本当は大切に思われていた




ひとりでは何もできない



そう思われてしまっていた詩穂



元カレとの関係も


新たな強い味方の出現で


変わっていく詩穂



それは


響子の手紙が背中を押してくれたから



人は見えているものだけを


「本当」だと思ってしまうけど


実は



見えていないところにこそ



本当は隠れている



そんなことに気づかせてくれる作品です



今はメールやラインで簡単に気持ちが伝えられるけど


その人を思い


じっくり考えて


自分の文字で綴っていく気持ち



時間が気持ちをより深く成熟させていく


そういう「重み」を感じられるのが


手紙のいいところだと思いました。



文通かぁ~


なつかしいなぁ







  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

谷瑞恵「木もれ日を縫う」~行方不明になった母が山姥になって姉妹の前に現れた?そしてつなぐ姉妹の絆☆~

2020-03-23 03:05:27 | 
谷瑞恵「木もれ日を縫う」読み終わりました。


読み終わった後

温かい気持ちになれる作品でした



同性として

なんかわかるわぁ~。


そう共感できる部分がいっぱいありました。



母と娘の関係


母を反面教師として


「自分はこうはならないぞ」


そう思ってしまう。



同性ならではの気持ちだよね。



私も母に対して


反面教師としてみていた部分がある。



でも

気付くと

母と同じことをやってる自分



いくらそう思っていても受け入れなきゃならない。



それにまた嫌悪感を抱いたりして



ここに出てくる3姉妹


絹代・麻弥・紬もまた


母を反面教師にして


自分は母のようにはならないと思っていた。




厳しい姑や好き勝手する父に


文句ひとつ言えずに


ただ黙って耐え


ぼろきれをつなぎ合わせていた母


そんな母を疎んじ


故郷と母を捨てた姉妹



母とも姉妹同士も連絡を取ることはなくなっていた



そして


母が失踪?!



近所の人から連絡を受け


顔を合わせる姉妹



その後母のと行方はわからずじまいだった。



いつか山姥になる



そう言っていた母



本当に山姥になった?!




そして



数年後



突然紬の前に現れる母



しかし


その母には違和感が



母に似ているけれど母ではないような?


でも


それはずっと母に会っていなくて


母が年を取って風貌が変わったせい?



そんなことを思い違和感と折り合いをつけようとする紬



久しぶりにすぐ上の姉麻弥に連絡して


母に会って確かめてほしいと伝える。



麻弥もやはり違和感を持つ。



そして


絹代も。。



でも


母に成りすます他人がいるのか?



それとも


山姥になったせい?!




男として生まれなかったことを


事あるごとに祖母に責められ疎んじられた麻弥は


男のようにふるまい


本当の自分に蓋をして生きてきた。



母の出現で母の気持ちを知り


本来の自分を取り戻す?



紬は


お洒落で都会的な自分になりたくて


流行の最先端の服を身に着けていた



でも


本当に大切なものをそれを追うことで


見失っていたことに気づく



絹代は


収入のいい夫と娘との高級な生活に

満足しているつもりだった。



でも


表面を取り繕うことで


大切なものを見失っていたことに気づく。




母が山姥になり


姉妹の仮の姿を


食べて飲み込み


本来の自分たちを取り戻してくれた




母がつないでいたのは


ぼろきれに見えるけれど・・



小さな幸せをつないでいた



そんな風に思えるようになる姉妹




そして


姉妹の疎遠だった関係も


母によってつながれていく




つい見逃してしまう


日々の本当に大切なもの



それに気づかせてくれる作品でした。




母の正体は山姥だったのか


それとも?



あなたも是非それを読んで確かめてみてくださいね。




どうやっても切れない親子の血



深いねぇ~。















  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山口恵以子「食堂のおばちゃん7 うちのカレー」~万里の作るはじめ食堂のカレー☆それぞれの思い出の味~

2020-03-21 02:42:33 | 
山口恵以子「食堂のおばちゃん7 うちのカレー」読み終わりました。


このシリーズも7作目になったんだね。


毎回楽しみにして読ませてもらっています。


シリーズのいいところは


作品中の人たちの成長を見守りながら


自分もその一員になれたような気持ちで読めるところ



はじめ食堂の歴史に加われた気持ちになってしまう



一子が考と夫婦で始めた「はじめ食堂」

考亡き後息子の高が継ぎ

高亡き後

一子と嫁の二三が継ぎ

万里が加わり


本格的な洋食屋から


何でもありの大衆食堂に変化していった。



店の歴史


人の歴史


いろんなことをこの作品は教えてくれます。



万里が生み出すはじめ食堂で出すカレー


インドカレーからスープカレー


お客さんの要望にも応えつつ


アレンジして進化していくはじめ食堂のカレー


それぞれの家庭で食べていたカレーの記憶


そんなことも思い出させてくれる



特に今回の作品は


万里の成長が大きな読みどころになっています。



いよいよ調理師免許を取得するために


万里が挑む試験


そして


その道中で起こる事件!!


そこで万里の成長ぶりが発揮される



引きこもりだった万里が


はじめ食堂でバイトをするようになり


そして数々の新しいメニューを生み出し


活躍するようになり


はじめ食堂になくてはならない人材になっていった



すごい成長だよね



そして


今回


ショーパブで働く「メイ」が


祖父との関係がこじれて疎遠になってしまっていたけど


祖父のけががきっかけで和解することができる



メイと同級生の万里はそこでも一役買っている。



常連さんは然り


新しいお客さんも加わり


にぎやかで


温かい雰囲気は来るもの誰もを拒まず!



おなか一杯で心まで満たされること間違いなし!



あなたもはじめ食堂に足を踏み入れてみませんか



巻末にはレシピもしっかり書かれているので


私もはじめ食堂の味作ってみようと思います






  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする