読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

薬丸岳「逃走」~妹を守り続けていたはずの兄が人を殺し逃走!そこには妹への思いがあった☆~

2019-01-31 02:35:12 | 
薬丸岳「逃走」読み終わりました。



読み終わってみて


なんだかやりきれない思いの残る内容でした。



家族それぞれの思いがあって・・


それが通じ合わなかったことが


こんな悲劇を生んでしまうんだなぁって。



親が子供を守ろうとしたしたこと


だけど子供にはその思いが伝わらなかった



そして・・


「そんなはずじゃなかった」


事が起きてしまう



これを読んでいると



真面目に生きようとしていても



いつどこで



自分もこういうことに巻き込まれていくか分からないよなぁ。




そんなことを思った。




そして



母親が子供に会えずに過ごした21年



他人になり済まさねばならなかった父親の思い



子供が


「親に捨てられた」



そう思って生きてきた歳月。。




特に兄は何もかも事情が分かっていて


妹を支え続ける



そんな兄が


人を殺して逃走しなければならなかった理由。。



それは


ただ


母親に確かめたかった。




妹のために



21年ぶりの再会が・・



悲しい真実を聞くためだったなんて




どんなことを聞かされても



兄を信じようとする妹




こんなにお互いが相手を思いあう兄妹が・・




血のつながりのない兄妹だったなんて




家族・・



兄妹・・



血のつながりだけじゃない




相手を思う気持ち



それが



本物を作っていくんだなぁ。




死を乗り越え・・



ただ幸せに穏やかに暮らしたかっただけなのにね。




「魔がさす」



人にはそんな瞬間が



いつでもどこにでも潜んでいるんだなぁ。








和歌山ラーメンの店「湖月亭」の店主



秋山正一が店の中で暴行を受け倒れているのが見つかる。



意識不明の状態で運ばれるも・・



死亡してしまう。




秋山の店の常連



刑事の武藤は


同じく常連客の「明子」から



事件の直前に見た



犯人であろう男の人相と



車を見たことを聞く。




犯人は律儀に救急車を呼び



その後逃走したらしい。



何故犯人は



秋山を暴行したのか?



そして



わざわざ救急車を呼んだのか?




殺す目的ではないと思われたこの事件



金品も盗まれていず・・



物取りの犯行とも思えない。。




犯人の車は見つかる。



妹の小沢美恵子の


兄が行方不明になり



車に残された血痕の付いたTシャツを残していた


その通報から


判明する。




武藤達刑事は



逃げた裕輔のゆくへを追う




秋山の部屋で見つけた妙に開いた隙間



そこに入っていたものを・・



武藤は



犯人である「小沢裕輔」が乗っていた



船にわざと置き忘れていったバッグから見つける☆



痕跡を残しながら・・



裕輔はなぜ逃走を続けるのか?




裕輔と秋山の関係は?



なぜ祐輔は小豆島に行ったのか?





武藤は



裕輔が自分たちをわざと導いているのではないかと考える。




一体その理由とは?




武藤はパズルがつながり・・



真実にたどり着いたとき愕然とする



警察の汚点となってしまう真実




その真実は




21年前の裕輔の母親が起こした事件にあった





2つの家族が出会い




そして



短かった幸せの時間




兄が起こしてしまった事件



だけど


それで明らかになってく



家族たちの失われた時間の真実!!




最後まで気の抜けない展開に・・



前のめりで呼んでしまうこと間違いなし




あなたは誰の立場に立って



どんな感想を持つのでしょうか










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柴田よしき「青光の街」~連続殺人現場に残されたブルーライトの謎!そこには他人からは見えない青い光が隠れていた?!

2019-01-28 02:36:37 | 
柴田よしき「青光の街」読み終わりました。



最後の最後まで気の抜けない作品でした~。



いろんな角度からの事件が絡んでくるので


自分の中で整理していかないと


途中でこんがらがってしまう。


その複雑なところがこの作品の面白さでもあるのですが^^




3件の殺人事件の現場に残されていた



ブルーライト



昔クリスマスツリーに飾った


電球にブルーの傘のついたもの☆




25センチほどの長さに切られていた




警察は連続殺人事件と見て捜査を進める。






違う手口で殺された



性別も年齢も違う被害者たち



無差別か?とも思われたが・・



犯人の計画性も見えてきた。。



被害者と犯人につながるものは何なのか?





「ブルーライト殺人事件」と称されたこの事件



手詰まりになる警察は



わらにもすがる思いで


「ブルーライト」で検索をかける。



そこに浮かび上がる



ブルーライト探偵社




そして・・


そこのお飾り署長「草壁ユナ」



作家兼所長の肩書を持つユナ



ユナの大学時代の友人「中村秋子」から




ユナ、助けて



と件名のみで本文の無いものが私信メールで届く




秋子に連絡を取ろうとするが携帯はつながらない。




自宅に電話すると・・



秋子はユナとイタリア旅行に行ったことになっていた



秋子の旦那は秋子の不倫を疑う。。




しかし



中村家に届く・・



秋子の誘拐を裏付けるDVD




秋子はなぜ誘拐されたのか?




「ブルーライトを呼べ」


「警察には言うな」



犯人からの指示




ユナを翻弄させる。。





そして



ブルーライト探偵社に依頼される



人気コメンテーター「北川」の身辺調査



それは婚約者からの依頼だった。



嫌がらせメールに悩んでいるという。





これらの同時期に起きたことが・・




からんで・・



青い光を放っていく



人間の奥底にある・・



表面からは見えないもの。。




他人からみたら・・



全く理解できないこと。。





それぞれの




理由




そして



ユナの夫たちへの・・


ユナの心の奥底に燻っていたもの





連続殺人は交換殺人?!



秋子の誘拐は狂言?!




複雑に絡み合う事件。。




犯人は一体




こんなに複雑で



読者をゆさぶり・・



最後は



えーっ?



そういうこと??



想像できない結末に驚き




柴田さんってスゴイ!!



頭の中にどんな宇宙を抱えてるんだろう?!




そう思ってしまいます^^





先が知りたくてどんどん読めちゃいますよ~。





クリスマスツリーに飾られたライト


あれって・・


表面に出ている直接光る電球と



裏の方に隠れて



光ってる光って・・



ぜんぜん違うんだよね~。



もしかして


柴田さんはそういうことが言いたかったのかな?



なんて


思ってしまう私は


深読みし過ぎかな?笑




「ブルーライト」にかけられた謎



探偵社の「ブルーライト」は



あのバスにかけられてたとは!!



最近読んだ本にも



出てきたバスの名前に



勝手に縁を感じてしまいました。




当分私・・



「ブルーライト」



に目が奪われそうです




あなたの心の奥底にも・・



ブルーライトの光・・



あるかも?












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大沼紀子「ばら色タイムカプセル」~プロの乙女たちが奏でる人生の彩り♪そして薔薇の庭が13歳の奏の道しるべに☆

2019-01-26 04:04:00 | 
大沼紀子「ばら色タイムカプセル」読み終わりました。


コレずーっと読みたいと思ってたの。


やっと読む事ができました^^



ちょっと突飛な内容だけどよかったです。



何が良かったかと言えば



いろんな経験を積み重ねてきたプロの乙女たち



まぁいわゆる・・



高齢者の女性たちなのですが^^>



そのプロの乙女たちが



自殺をしようとした



13歳の奏を助ける。



そして



そのプロの乙女たちの生き方を見ているうちに



奏の人生はまだまだこれからなんだ。




これからなんだってできるし



プロの乙女たちになるにはもっともっと



いろんな経験を積まなければならない!!




そう!



どう生きていったらいいかの




道しるべになってくれた




そのことが一番良かったなぁと思いました。





親の離婚



父と暮らし



父に新しい奥さんとそのお腹には新しい命



そうなったとき・・



奏は自分はここにいてはいけない存在と感じる。



母と暮らすと父に言い出す奏



父は渋々承諾する



しかし



奏は母と暮らすことも選ばなかった。




父と母に嘘をつき



家出をする奏




奏の毛髪はストレスで真っ白になっていた




一人で生きていこうと決めた家出だったが・・



13歳の奏に働き口は見つかるはずもなく・・



たどり着いたのは千葉だった・・



いろんなことに疲れ



楽になりたいと思う奏



そして



断崖絶壁から飛び降りる




目を覚ますとカラフルな頭の老女たちが。。



天国か?



そう思う奏




しかし・・



もう一度目を覚ますとベッドの上にいた。



そして



そこが


女性専用の有料老人ホーム「ラヴィアンローズ」だと知る。




そして



奏は



20歳だと嘘をつき



そこで働くことになる。



そして



奏ではそこの入居者たちに


教育されていく☆



そこでは



常識は通用しない。



プロの乙女たちは



自分の先行きの時間のないことが分かっている。



そして



そのためには


なにを優先させるのか



なにより



人生の楽しみ彩りを優先させる



歌舞伎役者に恋をし



医者や料理人にも惹かれたりする



人生がいつ終わるか分からないから楽しむ♪



奏にはそれがよく分からなかった。




でも



プロの乙女たちの生きざまや




ラヴィアンローズの庭にたくさんのバラを育てている


遥の異常なまでのバラへの執着



そのわけを知ることで・・




奏は大人の階段を上がることになる☆




そして



奏のなにもかもを見破った



同じ13歳中2の「田村和臣」と初めて友達になる。



奏にはそれまで「友」と呼べる人がいなかった。




田村との関係も奏を変える



そして



奏が犯してしまった罪。。



それと向き合い



自分のこれからを真剣に考える



そして


出した結論は




登紀子が親を思う気持ち



そして



認知症になった登紀子の母が見せる登紀子への愛情




そんなものを間近に見て


奏は親子というものを考える。




自分の家族・・



そして


これからを。




人は完璧じゃなくて



何かが欠けてるから人間なんだ。



そして



出会いや経験で人は変わることができる



そんな風に思えた作品でした



















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小川糸「ツバキ文具店」~こじれてしまった祖母と孫娘。祖母亡きあと継いだ代書業で出会う祖母の温もり☆

2019-01-19 02:35:20 | 
小川糸「ツバキ文具店」読み終わりました。


読み終わると


心がポカポカしてることに気づきました



そんな作品でした



小川さんの作品はいつもそう☆


とにかく「優しい」んです。







母が育児を放棄して



祖母が育てることになった孫娘


「雨宮鳩子」



鳩子は祖母の営む


「代書屋」を主な仕事とする


ツバキ文具店で祖母によって育てられる。



鳩子に代書業を継がせるため


祖母は鳩子が小さいうちから


日々きれいな字を書くための鍛錬を厳しく行う。



しかし


徐々にその厳しさに反発するようになる鳩子



高校を卒業すると


祖母の元から飛び出し海外へ



その後祖母が亡くなるまで


そこに戻ることも祖母と交流することもなかった。



しかし


祖母が亡くなり


祖母の双子の妹「スシ子」が守ってきた



「ツバキ文具店」



スシ子が亡くなったことで鳩子は継ぐことにした。




祖母と和解できなかったままになってしまったこと。。



それを鳩子は祖母亡き後


ツバキ文具店で代書屋をやっていくことで


鳩子の知らなかった祖母



それにお客さんや残された物によって知って行くことになる



体はもう逢うことはできない。。



だけど


祖母の



思い



を引き継ぎながら感じることはできる。






鎌倉という土地柄



そして



うんと年の離れたお隣さんの「バーバラ夫人」



態度は横柄だけど


温かい心を持った男爵



ひょんなことで知り合った


小学校の先生「パンティー」




そして


小さな可愛いお友達「QPちゃん」




QPちゃんがキューピッドになってくれる


鳩子の運命の出会い




祖母が作ってくれた



地盤



それがあることで



自分は生かされ幸せを感じていることに気づく鳩子



代書業をすることで


自分の中の



祖母に出会う




初めて目にする



祖母が文通をしていた遠い国の友達の孫から受け取る



祖母が書いた手紙



そこには



祖母の鳩子への思いがあふれていた



初めて見る祖母


そして


厳しいことしか言わなかった祖母の


本心




祖母の表面しか見れなかったことを



鳩子は悔やむ




でも


だからこそ


いなくなった後



祖母のぬくもりを素直に感じる事ができるのかもしれない。




私もこれを読んで祖母のことを思い出した



とっても厳しくて


いやだなぁ~って思ったこともあったけど


祖母が亡くなって今になって


それが本当は私のために言ってくれたことだと分かる。




人はそうやって



その時は反発しても



時間を経て



歳を重ねて



分かっていくものなんだろうって思う。





バーバラ夫人のめっちゃ前向きな言葉



日々を楽しむこと



すごくこれからの自分に活かされる気がします。




読んでると鎌倉の風景が浮かんできて


自分もそこにいるような気持ちになる。



「いいものだけを透明なベルトコンベアーで運んできたかのような、ほのぼのとした風だった。」



コレが気に入っちゃって



つるやの二世帯住宅のうなぎ☆



ふくやの芋煮カレー蕎麦☆



ひなとり処鳥一のコロッケ☆



松花堂の「あがり羊姜」☆




美味しそうなのが盛りだくさんで読んでるとお腹が空きますっ!笑



小川さんの小説はいつもおいしそうな物が出てくる。



そんなところもお気に入りです




あなたもこれを読んで



鳩子と一緒に温かい鎌倉を楽しんでみませんか












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湊かなえ「絶唱」~震災で心を病んだ人たちが南の島で癒されていく。そして今日。。~

2019-01-17 03:03:21 | 
湊かなえ「絶唱」読み終わりました。


実はこのお話は



阪神・淡路大震災が深くかかわっています。



私は図書館でこの本を借りたのですが・・


全く内容は知らずに借りて読みました。



そして


今日は1月17日




1995年1月17日に起きた阪神・淡路大震災



あれから24年



こんな形で私がこれを書くことになるとは思いもしませんでした。



なんだか



何かに導かれているように思えます。




沢山の人たちがこの震災で亡くなり



残された人たちも心を病んでいる




そんな残された人たちの苦悩がこれを読んで



私にも伝わってきました。





双子の毬絵と幸絵



震災で5歳で亡くなった毬絵



幸絵は毬絵の分も頑張って生きる



しかし・・



幸恵は本当は



毬絵だった



母の一言で殺されてしまった「毬絵」




南の島トンガで



雪絵は




再び毬絵になる





理恵子が婚約者の宗一に



どうしても言えなかった「別れたい」ということ



その言葉を何度も飲み込んだのは・・



亡くなった滝本に対する「申し訳ない」という気持ちが



そうさせていた。



理恵子と宗一のために・・



滝本は亡くなった



そう思ってしまうがために。。




でも宗一は理恵子の気持ちに気づいていた。



そして


トンガで2人は・・・






震災で父を亡くし



母は弟と杏子を女手一つで育てる



大学で知り合った正也との間に


子供ができてしまう杏子



宿った命を消す事ができなかった杏子



正也は杏子と結婚して子供の父親になることは


全く考えなかった。



母には勘当され


杏子は一人で娘「花恋」を産み育てることになる。



そして


母娘が初めての旅行


それが南の島トンガだった。



そこで震災の時にお世話になった「セミシ」を探そうと。



そして


杏子は


セミシの妻と出会う




トンガで二年間を過ごした千春



その時に千春は尚美に救われる



友を震災で亡くし・・



そして



その時に心も失ってしまった千春




どこかでいつも



自分は誰かの一番にはなれないと思ってた。




仲のいい友達と思っていても



自分は相手の「一番」


ではないんだろう・・


そう思っていた。



しかし


震災で亡くなった静香


亡くなった後に


千春に届く誕生日プレゼント



静香にとって



千春は間違いなく



特別な存在だった



そう気づく。




そして



トンガで尚美と仲間たちと歌う歌







自然の力が起こしたこと



そのことで



多くの人が傷ついた



人間はもろい・・



弱い・・



自然の前ではなすすべがないのだから。




でも


また



自然の生み出すものが



人を生かし救ってくれる




そんなことを教えてもらった気がします。




自分は何もできないと思っていても



どこかで誰かの役に立ってる。



きっとそうなんだと思います。





今日失われてしまったたくさんの命に


合掌








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