読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

東野圭吾「むかし僕が死んだ家」~最新作「透明な螺旋」を読んでから読むと2倍楽しめる♪~

2021-12-25 02:58:10 | 



東野圭吾「むかし僕が死んだ家」読み終わりました。


もう10年以上前?に読んだこの作品

また新たに読み直してみました。


前に読んだ時と全く印象の違う

深い味わいになりました


それと言うのも


圭吾さんの最新作「透明な螺旋」を読んでから

また読みなおしたからだと思います。



透明な螺旋のラストの方に


この「むかし僕が死んだ家」に出てきた


主人公の過去を振り返るシーンがあるからです。


これバラしちゃっていいのかな?


まぁこのくらいなら大丈夫だよね



それでまた読み返したくなったってわけです。



圭吾さんの作品は登場人物の一人一人が


本当に丁寧に描かれている。


前にご自身が語っていたのを読んだのですが


ちゃんと一人一人の年表を作って書くのだとか。


だから人物に厚みがあり

読み手をここまで感動させることができるのだと思いました。


今もシリーズ化されている作品


それに繋がっていくことを


想定されて作られていたのでは?


この「むかし僕が死んだ家」も。



登場人物はたった2人だけ


7年前に別れた彼女と主人公の「私」


7年ぶりに呼び出された「私」は


彼女「沙也加」が持ってきた


亡くなった父の形見


真鍮の鍵と地図



そして

その家に行く目的は

彼女の過去を探しに行くことだった。


小学生前の記憶が欠落している沙也加

彼女は自分の過去が知りたいという。


一緒にそこに行ってほしいという


彼女のその頼みを「私」は聞くことになる。



2人で向かったその家は


地下から入るようになっていた。


真鍮の鍵はその地下の入り口のものだった。



生活感の感じられないその家


電気もガスも水道も通っていない


なのに


今まで生活していて急にいなくなったような


そんな形跡がある。



編みかけの毛糸


勉強机の上に広げられた本とノート



私と沙也加はそこにあるものから


ここにいた者たちを探っていく。


佑介という少年が書いたと思われる日記帳を見つける。


そこに書かれたことから


沙也加は少しづつ記憶を呼び覚ましていく。


日記帳に出てくる「おとうさん」


そして

「あいつ」


佑介少年はあいつに虐待を受けていたらしい。


そして


「おたいさん」が連れてきた子供

「さやかちゃん」


それは沙也加のことなのか?


おたいさんとは?


少しずつ紐解かれていく記憶


しかし・・


「私」は危険を感じる!


これ以上探ってはいけないと。。



沙也加に言われた別れを切り出されたときの理由


それは


沙也加と私が似すぎていたから



沙也加の過去を探るうちに


自分の過去を思い出す私


惹かれあったのは

2人が同じような境遇だったから


2人でいる時間


でも過去の関係には戻れない・・


戻ることはないそう感じている2人


沙也加の今


それは過去の自分を知ることで


自分と言う人間を言見つめ直す


そのために必要な事だった


そして

「私」の力が必要だった



たった2人の登場人物が


読者をグイグイ引き寄せていく!!


謎に包まれた家


その正体に驚愕



圭吾さんの才能を見せつけられる作品だと思います



思い出さない方が幸せだった?


でも突き詰めずにいられない自分の過去


「私」がまさかあの人だったとは~!



圭吾さんの今の作品からファンになった方にも


ぜひ読んでもらいたい作品です












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山口恵以子「ゆうれい居酒屋」~悩んだ時だけ見つかる不思議な居酒屋☆人のいい女将が悩み解決!その正体は?!

2021-12-13 02:55:33 | 



山口恵以子「ゆうれい居酒屋」読み終わりました。


予約してこの本が出るのを楽しみにしていました


山口さんの温かさが伝わってくる作品でしたよ。


悩んだ人にだけ見つかる

古びた居酒屋


女将が一人で経営する「米屋」(よねや)

人好きのする割烹着の50代の女将「秋穂」


旦那の正美(まさよし)は亡くなり


趣味で壁に貼られたたくさんの魚拓は亡き後も


その存在を示している


だが

新鮮な魚料理などはない



秋穂の人柄と手抜き・・いや


時短料理が客を迎えてくれる



悩みのある客が一度入れば・・


帰りは笑顔で帰っていく


そんな居酒屋



しかし!


その客がもう一度行こうとすると



あったはずの「米屋」はなく・・


シャッターのしまった整骨院があるのみ



隣にある焼鳥屋に行き


そのことを話すと


店主夫婦と常連客たちは驚く



30年前になくなっていていた米屋


えっ?


じゃあ・・女将さんは




イタリアンシェフの悩みに


女優の悩みに


夫婦関係の悩みに


偏食のグルメリポーターの悩みに


店を辞めようとする中華料理人の悩みに


秋穂は真剣に向き合いアドバイスする



冷凍したシジミで作った醤油漬け


セロリと白滝の柚子胡椒炒め


茹で鶏のネギソース掛け


海老とブロッコリーのガーリック炒め


油揚げの味噌チーズ挟み


お出汁のゼリー


春雨の中華スープ


鮭の酒蒸し梅胡麻だれ


タコのカルパッチョ


中華茶碗蒸し


キャベツと豚肉の重ね蒸し


キノコとホタテのアヒージョ


鱈とアサリの紙包み焼き


混ぜ麺



秋穂の簡単にできちゃうおいしい料理


このレシピが巻末についていて


実際に作れちゃうっていうのもいい



食堂のおばちゃんをしていた山口さんならではの


お得な小説になっています



人を元気にしてくれる小説でもありますよ。


人生経験豊かな山口さんの人柄が感じられて


私も読み終わった後元気になれました


「食べる」という行為は人間の本能


その本能を豊かにすることで


人間は進化してきた。



そんな人間の原点


人を元気にするのは食べ物なんだって思います。


そして


ちょっとしたことで人は悩みから解放される


出会った人


料理


ヒント


それで人は簡単に変わる事ができる



出会った人が・・


もしこの世にいないとしてもね



人の思い


それはずっと受け継がれていくものなんだなぁ。



山口さんと亡きお母さん


今でもずっとつながっている


その思いがこの作品を温かいものにしてくれている



それを強く感じました。



私にも見つかるかな~?


「米屋」が









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秋川滝美「ひとり旅日和 運開き!」~旅を躊躇させる世の状況!だからこそ感じる旅できる幸せ☆

2021-12-02 04:01:07 | 



秋川滝美「ひとり旅日和 運開き!」読み終わりました。


この表紙を見ているだけで

旅をしたくなるよね~♪


このシリーズも3作目


1作目を読んですっかりファンになりました。


今回も予約をして読めるのを楽しみにしていました。


行かずとも行った気になれる旅の小説


これって今の世の中にすっごく合ってるよね



行きたくてもなかなか世の状況がそれを躊躇させる。


私はもともとあまり旅行は行かないのだけど

これを読むと行ってみたくなった



日和の旅はいつもおいしい食べ物と

おいしいお酒がワンセットになっていて

それを楽しみつつの旅っていいなってうらやましくなる



元々は人見知りな自分を変えたくて始めた一人旅


でも今ではすっかり旅慣れてきて


一歩一歩ちゃんと成長できている日和がいる


そして


なんといっても面白いのが


日和が心の中で自分に言ってるツッコミ!



自分を褒めたり


自虐になっていたり


そんな日和自身の会話が笑える


そして


もう一つの読みどころは


何と言っても


日和が思いを寄せる蓮人との関係


まだ友達程度のやり取りだけど


メールをしたり電話で旅のことを話したり


確実に進歩している



今回は蓮人ともググっと近づいていくよ



世の状況で旅を躊躇していた日和


そんな日和にアドバイスする蓮人


いい関係になってきてる



今回蓮人がちゃんと日和の性格を考慮して


旅のアドバイスをしていることに気づく日和


蓮人の温かさを感じまた蓮人愛に拍車が



そんな2人のゆっくり育んでいく過程を


見守りたくなる




宇都宮の餃子


和歌山のめはり寿司


奥入瀬の煎餅汁


秋田のアカシアの天ぷらそばときりたんぽ鍋


沖縄の沖縄そばと海ぶどう



あ~みんなおいしそうだったなぁ



今回日和が叔母に秋田まで会いに行ったことで

日和の優しさも感じられて

ますます日和のひとり旅


そして


恋を応援したくなりました



早く世の中が自由に旅できるように


祈るばかりです。



私は小説で行った気分になって

幸せな気持ちにさせてもらいました



秋川さんありがとうございます!


これからもいい旅を楽しみにしています






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