読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

三島有紀子「しあわせのパン」~たった2度しか会っていない男女が夫婦を装いカフェを開く。そのわけは?~

2019-08-31 02:46:04 | 
三島有紀子「しあわせのパン」読み終わりました。



読み終わって


すごく幸せな気持ちになりました



小さいころから月を運ぶ少年「マー二」に憧れていた「りえ」



マーニを待っていた



そして・・



りえの前に「水縞くん」が現れる



たった2度しか会ったことがない2人



水縞くんは



2度目にりえに会ったとき



「月浦で暮らそう」



と言った。



そして


りえもそれにうなづく。



そうして



北海道で夫婦を装い



カフェ「マーニ」を始める




洞爺湖のほとりに赤い屋根の



カフェで泊まれるオーベルジュ「マーニ」




そこで


水縞くんはパンを焼き



りえは地元の野菜を生かした料理を作る




そして


心に傷を負った客を


誠心誠意もてなす




彼氏と沖縄旅行に行くはずだった香織



母が出て行って父親との関係も壊れていた未久




妻の死が目前になり心中を考えていた阪本




それぞれの心を癒す



水縞くんが作るパンとりえさんの料理




そして



心から心配し



包み込むような優しさをくれる2人





それは



2人が



人の心の傷を知っているから




りえさんをひたすらに支える水縞くん



水縞くんの日記を見ると


りえさんへの思いがあふれている



そして


2人は本当は夫婦じゃなく・・



それを装っていただけだということ。。




月浦での生活が



毎日焼くパンが



水縞くんの心が



りえを変えていく




りえは月



水縞くんはマーニ



自転車で月を運ぶマーニ



マー二は言った。



「大切なのは

 君が照らされていて、君が照らしている

 ということなんだよ。」




照らされているから存在する


照らしてるから存在する



そんな存在の意味



そして



自分を大切だと必要だと思ってくれる人がいること




それが生きていく中で一番大事なんだなぁ~。




そんなことを思わせてくれる作品でした。



とにかく温かい




水縞くんの作った白い豆パンが食べたくなりました




自分にとってのマーニって誰なんだろう?



あらためて考えてみるのもいいのかもね^^




すごく読みやすく



でも深い内容



心を温めたい人はぜひご一読を









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堂場瞬一「グレイ」~いつもお金に困っていた大学生「波田」があるバイトで大金を手に!お金と身の危険で得た人生の指針とは?!

2019-08-29 01:54:03 | 
堂場瞬一「グレイ」読み終わりました。



主人公の「波田憲司」は20歳の大学2年生



生活費を稼ぐためにバイトに明け暮れていた



大変なばかりで


お金にならないバイト



そんな生活に嫌気がさしていた



そんなとき見つけた



日給1万円のバイト




最初は変なバイトじゃないかと訝っていたものの・・



街頭調査アンケートの仕事



よく分からない仕事だと思いつつ



「北川」というよくテレビで見かけるコメンテーター



その人が所長を務める会社だと知る



変な会社じゃないよな~?




そう思いつつ



事務所を訪ねる



そこにいた社員の鶴巻



その口の上手さに乗せられ・・




その日のうちに波田はバイトをすることになる。




街頭に立ち人に声をかけアンケートに答えてもらう




そして



住所と名前を書いてもらう



簡単そうに見えたこの仕事



しかし



実際にやってみると


なかなか人は立ち止まって話を聞いてくれない




でも


慣れてくると


コツをつかんだ波田は



次々と声をかけ



その波に乗ることができるようになる




ノルマを達成した波田に


鶴巻は賞賛とステーキを奢ってくれた




コンピューターの入力もやってみると


大学でやっていたことが役立ち


打ち込みもスムーズにできるようになる



所長の「北川」にも会い



気に入られ



どんどん仕事を任されるようになる




こうして


波田は「北川社会情報研究所」の



契約社員にまでなる。




北川に諦めた留学の夢を叶えるため


授業料の足しにと


100万円が波田の口座に振り込まれる




話の流れが速く・・



これでいいのか?



不安にだったが



大金を手にした波田は考え方も変わっていく




自分では気づかなかった波田の才能




人たらし




それを発揮できるこの仕事は


自分に向いていると気づかせてくれたのは北川だった




しかし!



いつもと違う重要な仕事に



波田は駆り出されることに。




そこで待っていたのは



人生で最大のピンチ



波田が




拉致監禁される



なぜ自分はこんな目に遭わなければならないのか?




訳が分からない波田




その裏にあった



北川が「小物」だという真実



そして



大物が




操っていた





たった一人で大物に立ち向かう波田



そして



大物と取引をする



波田




自分は「小物」にはならない!




そう決意する!!



大学2年生の波田が



たった数カ月で激変する




それは



大金と自信最大のピンチで得たもの




そして



将来への指針になる




「情報は最大の武器」


そう教える大物




これからの波田はどうなっていくのだろう





お金が人を変えるって言うのは



本当なんだなぁ~。




お金はあった方がいいけど



手に余るほどあると



いいことは無い気がする。。



それは私が小市民だからでしょうか?




波田の行動一つ一つが


危なっかしくて・・


えーっ?


なんで信じちゃうの?


危ないじゃん!



そう思って読んでいたけど



思い返せば


自分も20歳の頃は


こんな風だったかも



私の場合は


街頭アンケートに答える方で・・



それで


危ない目に遭ったことが!!



20歳って


世間からは大人と認識されるけど


実際中身はまだまだ世間知らず。。




波田はいろんな経験を経て



大人になった気がする。




でも



それも命があったから言えたことで・・




本当に命を落としていたら




危なっかしくて・・



でも



立ち向かえるエネルギーを持ってる



それが


若さなんだろうなぁ~。



いい加減いい歳の私は



いろんな経験をしすぎて


頭でっかちになってしまったのかもしれない




私はきっとこのまま小市民で行くんだろうなぁ。



でも



宝くじで大金を手にしたら??




わからないなぁ~!











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遠藤彩見「バー極楽」~「匙をもて」の言葉と寺の中になぜバー残し荒行に出る父。その真意とは?~

2019-08-25 02:28:11 | 
遠藤彩見「バー極楽」読み終わりました。


遠藤さんの作品は「給食のおにいさん」シリーズを読んでいたので


これも読んでみたいと思ってました。



四百年続いた寺「安穏寺」


その寺を父から受け継ぐことになっていた


しかし!


息子「照」は


寺が受け継いできた法灯を自ら消し。。



寺を出て行ってしまう




その6年後



放蕩息子が寺に帰って来る。




父はそんな照を受け入れる。




そして



照は1年の修業ののち



寺に帰り



「照月」となり副住職になる




父はそれを見届け




父は荒行に行く




その時残したのは



「匙をもて」という言葉だった。




意味が分からない照月




おまけに



父が荒行に出た後



亀田フミヨ・テイ子姉妹に



茶室を利用してバー「極楽」を開くことを頼んでいた。



その目的は


檀信徒や地域の皆様の憩いの場とする




そう


フミヨとテイ子姉妹に言われた照月は困惑する。。




安い材料で



ぼったくる姉妹のやり方




そして


果ては・・



勝手に近隣住民を住まわせていた?!




やりたい放題の姉妹



檀信徒の温井はすっかり姉妹に取り込まれ



連日バーへ通う




姉妹を信用していない照月




しかし



そこに住まわせていた「勝尾」には



家族と上手くいかなくなった事情があった。




そして



勝尾は照月の力になってくれるようになる





檀信徒の「温井」と「小竹」の力関係に悩む照月




小竹は特に



何かと照月に辛く当たって来る




しかし!



一番の敵だと思っていた小竹だったが・・




ある人たちからの話で




本当は




安穏寺を護るためにいちばん尽力してくれていた




そのことに気づかされる照月





自分は見守られ・・



そして



育てられていた





表面だけ見ていては分からないことがたくさんある




照月の邪魔をしようとしていた者たち




それが



本当はそうではないこと



その真意に気づく事ができるかどうか



照月は試されていた。




父の残した


「匙をもて」




その意味がつかめてくる照月




ただのぼったくりバーだと思っていた極楽と姉妹の存在




それにはちゃんとした父の息子への愛があった




次から次へとやってくる難題。。



それをこなすことが



日々修行。。





人を助けるためには


邪念を払い


本当にその人が望んでいることは何なのか?



それを


分かろうとすることが大切☆




あ~ホントにそうだなぁ~



つい表面だけで



決めつけてしまう




そういうことってあるもんなぁ~。




そうこちらも反省させられる場面が多々あって



勉強になりました。



お寺のことも知る事ができて


なかなか興味深かったです。



自分が決めるのではなく



決められてしまう人生



そういう家に生まれた宿命



でも


それに反発してしまいたくなる気持ちもわかる気がする。




挫折を経て僧侶になった照月




いろんな失敗をした分




人の気持ちが分かる僧侶になれたのでは?




そんなことも思った。




照月が


テイ子に惹かれて行ってしまう様も



なんだかかわいらしかったです





バー極楽で出される料理



参考になるものがあったので真似してみようと思います。



カンタンで安上がりでおいしそう~♪



エリンギで精進料理ができちゃうなんて~。





自分が幸せになれるかどうか?



それは自分のさじ加減で



幸にも不幸にもなるってことだよね?




そんなことを教わりました














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山口恵以子「食堂のおばちゃん6 あの日の親子丼」~万里が引き抜き?あらぬ誹謗中傷ではじめ食堂の危機?!~

2019-08-22 02:25:26 | 



山口恵以子「食堂のおばちゃん6 あの日の親子丼」読み終わりました。



あ~ホントにこのシリーズはいいなぁ~♪



読み終わった後ほっこりする



来るものは拒まず!


そして


常連さんや一見さん関係なく


温かく迎えてもてなしてくれる。



そんなはじめ食堂が大好き




今回は


はじめ食堂に危機が



フードコーディネーターの長瀬真琴が


新しい創作料理の店の店主兼シェフにならないか?


と万里に持ちかけてくる。



夢のような話に


万里はビックリするも・・


真琴の言葉巧みな話に


その気になってくる。



しかし!



真琴には黒い噂が



それを一子と二三にそっと教えてくれたのは



最近一子と二三が通い出したバー「月虹」の真辺だった




万里を心配する2人


でも万里を傷つけたいくないと思う2人


その決断は?!


そして


万里が選んだのは?


新しい店?


それとも


はじめ食堂?




そして



はじめ食堂のあらぬ誹謗中傷がネットに拡散される



それを救ったのは



はじめ食堂の客で要の元カレだった?!




あったかいはじめ食堂のネットワーク


これは何者にも


壊す事ができない




万里の創作料理の腕はどんどん上達していく



季節のものを使い


和風だけでなく


洋風やアジアンテイストも取り入れていく



ガパオやカオマンガイ



そして


日向夏を使ったパエリアなどなど・・



おいしそうな料理がたくさん登場する




多国籍化する料理の数々・・



でも



ちゃんと



はじめ食堂テイストを忘れない万里



一子と二三の思いはちゃんと万里に受け継がれている




そして


お客さんの事情に踏み込み過ぎず・・


でも


温かく見守る☆



真辺とハニームーンという新しいベーカリーを経営する姉弟



この3人に秘密が?!



親子丼が繋ぐ思いとは?!




あ~親子丼最近食べてないなぁ~。



私もそんなことを思ったよ。




巻末にはレシピがついているので


是非作ってみたいと思いました。


春キャベツのすり流し?


おいしそうだった


しらすオムレツもいいなぁ~♪



近くにはじめ食堂があったら


毎日通っちゃいそう~!



そんなことをついつい思わせてくれる。



そんなあったかいこの作品が大好きです



著者の山口恵以子さんのあの温かい笑顔を思い浮かべてしまう



またこのシリーズの続き楽しみにしています



はじめ食堂頑張れ~っ!
















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吉田修一「怒り(下)」~殺人犯は誰だ?!似てる3人に近しい人が「大切な人」となったそれぞれを疑う。その末路は?!

2019-08-19 02:10:00 | 
吉田修一「怒り(下)」読み終わりました。



本当に最後までハラハラ・・ドキドキ。。



一体真犯人は



3人の内誰なんだ?!




最後まで気の抜けない鬼気迫るものがありました。





八王子で起きた尾木夫妻の殺人事件



その現場には「怒」の一文字が残されていた。



その犯人である男が



すぐに判明




山神一也 当時27歳



そして


全国に指名手配されるも・・



それから1年



有力な情報は得られず未だ逮捕に至っていない。




そして



テレビで公開捜査を行う




それを見た




「似てる」と思われる



浜崎の漁協で働くバイトの「田代」




東京でゲイの優馬と発展場で知り合い同居中の「直人」




波留間島で暮らす泉と辰哉が知り合う「田中」





田代と娘の愛子が付き合うようになり



素性のはっきりしない田代に



不信感を抱きつつ・・



発達障害の愛子に本気の愛情を見せる田代に


愛子を幸せにしてほしいと願う



父洋平



公開捜査で見た犯人の顔に



田代が似ていると感じ始める


犯人山神の特徴「左利き」と一致する田代



本当のところはどうなのか?



不安は膨らんでいく。。




そして



その不安が・・



愛子も不安にさせていく。。



そして


愛子がある行動にでる!!




一方



発展場で知り合った「直人」に何故か惹かれ



訳アリと思われる素性を明かさない直人に



不安を抱く優馬



テレビの公開捜査を見て



直人が犯人に似ていると感じる。



右頬に縦に並ぶほくろ。



そんなはずはないと思いながらも・・



疑ってしまう。



そして



優馬が直人に言ってしまった一言で。。




一方



沖縄の波留間島に母と引っ越した泉




同級生の辰哉に星島に連れて行ってもらったとき



そこに住みついていた不思議な男「田中」に出会う



なぜか気になってしまう田中



その後ある事件が!



傷ついた泉



そして



それを共有してしまう辰哉



そして


辰哉と田中も知り合い



そして


田中は辰哉の家の民宿で働くことになる。



まるで兄弟のように仲良くなった2人



しかし・・


泉の事件を知っていた田中を知る



そして・・



田中の棲みついていた星島の廃墟で



泉は



ある「字」を見つける!!




そして




辰哉もまた・・




泉が見つけた物とは



別の「字」を見つけてしまう!!




そして



辰哉が取った行動とは




右頬に2つのほくろと一つの傷跡を持つ田中は。。。






犯人は一体誰なのか






会ってしまったら・・



関わってしまったら・・



出会う前にはもう戻れない。




その人は既に



大切な人



になってしまっているのだから。




でも


大切な人だからこそ・・



信じたいからこそ・・



確証がほしい




その人のことが知りたくてたまらなくなる。




好きだからこそ



不安で・・



疑ってしまう。。




それが人間なのかもしれないよね





疑わなければ・・



こんなことにならなかったのに。。




疑わなければ・・



平穏な日々が送れたのに。。




そう思ってしまうけど・・



でも



そうせずにはいられなかった自分への後悔。。



そして


疑ってしまった自分への



怒り




もう元には戻れないという



慟哭。。





それを味わうことになったそれぞれの末路。。




そして


犯人の山神は


なぜ夫妻を殺したのか?!




山神と一時期関わった者が言った




「生と死っつーんですか、その境が曖昧な奴って


 もう終わってますよ。自分にもないわけだから、もちろん相手にだってないわけで。


 だって自分がいなくなるのと相手がいなくなるのが同じなんだから。」





その言葉が真相を語っていた?!




死の認識が違う。。



命の重さの考え方が違う。。



そんな人間がこの世にいると思うと怖くなる。




その時の感情で



流され



関わってしまい




殺される。。



そんなことがあるのかと思うと。




自分の身勝手な怒りが殺人を犯す!




自分の大切な人を護るため



その怒りが向かう先もまた?!




自分の大切な人が・・



もし殺人犯だったら?




通報しますか?



できますか?




そうでないと信じられますか?




疑いながら愛せますか?




そんなことを迫られているような・・



人間の隠してる心の奥の奥を



覗き込んでしまうような・・



そんな深い内容でした



















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