雫井脩介「銀色の絆 下」読み終わりました。
いやぁ~
壮絶な戦いでした!
どんなスポーツでも
それにかける本人の努力とか
思いはあるんだろうけど・・
フィギュアスケートが
こんなに壮絶なものだとは
想像していなかった。
「なんで努力しても報われないんだろう」
そうオリンピック選手が言っていた言葉を
思いかえしていました。
そう!
みんな誰もが血のにじむような努力をして
それが結果として結びつき
報われるのは
ほんの数人
それにしたって
それがずっと続くわけではない世界
どんなスポーツ選手も思うのだろう
なんで?
努力してきたことは何だったのだろう?
結果の出せなかった人はそう。
でも
これを読んだら
その答えはあるように感じた。
思っていた形とは違うけど
でも積み上げたものは
他のかけがえのないものとなって
ぜったいに残っていくものなんだって。
苦しい思いをして
乗り越えた人にしか見えない世界
それがきっとそこにはある
そう思えるんです。
フィギュアスケートを通じて
母「梨津子」と娘「小織」
この2人の絆は強力になった
時には
鬱陶しく
「ほっといて」
と思うこともある母の愛
だけど
振り返れば
母のおかげで
小織は力いっぱいそれに向き合えた
小織に合うコーチを探し
お金を工面し
小織のために
自分の時間と労力をすべて使った梨津子
そして
その中で
「私が教えていて一番驚いたのは、あなたのお母さんの成長です。」
そう小織のコーチ「美濤」に言わせてしまうほどの変化を見せた梨津子
他の選手を叱りつけてしまう梨津子
本気で向き合うから
その子の母の気持ちが分かる
そして
その子の努力が分かるから
何とかしてあげたいという気持ちが
「叱る」と言う行為になる
才能を持っている「希和」
でも時には
大人の世界の脈絡に引き込まれ・・
バランスを崩していく。。
なんて難しい世界
そこで生きていくには強靭な精神力が必要になる
大切なものをうしなう希和
でもそれバネにして立ち上がり
さらに飛躍する
なんてすごいスポーツなんだろう
読みながら手に汗握り
「がんばれー」
そう応援している自分
オリンピックを見ているより
張り詰めた緊張感!
これはすごいっ
目の前で繰り広げられる演技に
魅了されていました
血と汗と涙と・・
そんな努力が
人を感動させ
唯一無二の絆を作る
そんなお話に立ち会わせてもらった私は
幸せ者です
こういうお話はいろいろあると思うけど
ここまで頭の中でにリンクができて
選手たちの演技が繰り広げられるのは
雫井さんの手腕なんだと思います。
結果を出せなくても腐らずに努力していくこと
その大切さを教えてもらった作品でもありました。
本当は見えないところにこそ
大切なものは隠れているものなのかもしれませんね