読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

重松清「あすなろ三三七拍子(上)」~オヤジたちの熱き心が若者たちも変えていく!~

2014-01-31 02:01:08 | 



重松清「あすなろ三三七拍子」(上)読み終わりました☆




最近すっかり重松清にハマってしまい、


今回はこの上下にわたる


文庫本最新作を読んでみることにしました。



いやぁ~


最初はどんな作品なのかわからずに読み始めたのですが、



これが実に面白い




私たち世代なら



理不尽だと思いながらも



なんだかうなづけてしまうのではないかな



これを言うと歳がバレバレですが!笑




あの、



昭和の時代の・・



正に



学生時代に運動部だった方は



解るかと思いますが・・




どんな理不尽なことをいわれても



先生や先輩が絶対だったあのころ。。




そんな時を思い出しました。





先輩に部室に呼ばれ



正座させられた・・



ビンタされた・・



そんなことを思い出しました。




私は「あんな先輩にはならないぞー!」



そう心に決めて耐えたこと。。




でも・・


この小説に出てくる


応援団のOBたちには・・


理不尽なこと言ってても



根底には







がある☆




だからこそ!



最初は



OBたちを疎ましく思って



冷ややかに見ていた



若者たちも心を動かされた





オヤジたち・・



確かに



うざい!



暑苦しい!



だけど・・




スゴイ






「団」のためなら


どんなこともしてしまう!!





そのエネルギー




本気で




泣き




怒り





喜ぶ





馬鹿でうっとおしいけど



人間らしい彼らに




冷めていた若者たちが引きずられていく。



やっぱりそれだけの



なにか







「団」にはある☆






自分たちは上に立ってはいけない


応援する人より多くの汗をかき



ひたすら応援する





そう言い切るOBたち。




理屈じゃなく・・




ここで感じる




それが応援団魂☆






読んでいると



笑えて・・



ここんとこが熱くなって・・



つい泣けて。。




オヤジたちの熱い心に私もつい引き込まれてしまった







廃部寸前の



あすなろ大学応援団に



エール商事のワンマン社長


「荒川」は



「藤巻大介」総務課長45歳に



出向を命ずる!




リストラをちらつかされ・・


しぶしぶそれを受け入れる藤巻。




OBの齊藤や山下の理不尽な注文に



四苦八苦しながらも・・


「団」に染まっていく。




娘の彼氏であすなろ大学の学生「翔」を



「娘と付き合いたいなら応援団に入部しろ」



と半分脅して「団」に入れてしまう。




しかし



そうしてかかわるうちに



軽いだけだと思って気に入らなかった「翔」の良さを発見したりする。




団の「責任教員」になった原智子准教授に



OBの齊藤や山下が頭が上がらなかったり・・



「ご時世や」と譲ってしまうところが



ちょっと笑えたり。。




齊藤と山下の同期の野口の息子「健太」が入部し、



野口が癌で余命いくばくもないと知る。



その野口を雨の中


病院で応援する



OBたちに



心を打たれる部員たち。




原准教授の許しで強引に入部した「沙耶」



冷ややかな目でオヤジたちをみていたが・・



このシーンでは



初めて心に熱いものが点る!





この「ご時世」の冷めた若者たちが




オヤジの熱さに変わっていく・・




時代は変わっても。。



伝わるものがある




そんなことを教えてくれる作品です☆





今(下)を読み始めてます!



続きが楽しみ~
















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重松清「きよしこ」~誰の中にもいる「きよしこ」は目に見えないけど君の味方~

2014-01-26 03:13:20 | 



重松清「きよしこ」読み終わりました☆


き~よし~♪こ~のよる~♪



を・・



きよしこ~♪の夜~♪



だとずっと勘違いしてた少年「きよし」。



「きよしこ」はいつか自分のところに来てくれて



ピンチの時助けてくれる!



そんな風にずっと思っていたきよし。




きよしは


しゃべることが苦手だ。



心の中ではスラスラ話せるのに、



口に出すと・・




つっかえてしまう。




きよしは「吃音」



つまり



どもってしまう。




特に



「か」行と「た」行が苦手だ



それから「濁音」も。





だからいつも言いたいことの半分も言えなかった。



それが悔しかった。




小学生の時は



父親の仕事の関係で引っ越しばかりだった。



転校するたびに



新しい学校で・・



自己紹介で「つっかえた」




笑われた。





気持ちが焦るほどつっかえた。。





クリスマスのプレゼントを父親に頼むのに、


きよしは本当に欲しいものが言えなかった。




つっかえてしまうから。



父親が勝手に勘違いして買ってきたプレゼントを・・



きよしはめちゃめちゃにしてしまう。




そんな夜、



「きよしこ」は現れる




気配は感じる。



けど



姿は見えない。




「きよしこ」はきよしの話を聞いてくれる。



「きよしこ」にだと何でも話せるきよし。




誰もわかってくれない・・



そんなことをいうきよしに



「きよしこ」はいう。



「君の本当に伝えたいことだったら・・伝わるよ、きっと。」



「君は一人ぼっちじゃない。一人ぼっちの人なんて、世の中にいない。

抱きつきたい相手や手をつなぎたい相手はどこかに必ずいるし、


抱きしめてくれるひとや手をつなぎ返してくれるひとも、この世界のどこかに、絶対にいるんだ。」





と。




「きよしこ」はきよしにそう言い残して消えた。






きっとまたいつか「きよしこ」に会える。




きよしはそう確信する。





吃音を治すためにセミナーにも行った。



そこで同じ吃音に悩む友だちにも会った。



けど吃音は治らなかった。






中学生になると


吃音をバカにするものはいなかった。



けど


変に気を遣われることが嫌だった。




なるべくつっかえない言葉を選んだ。




そうしてきよしは大人になっていく。





先回りしてきよしの言いたいことを解ろうとしてくれるひと、



いつも見守ってくれる家族、



友だち、




成長していくきよしは、




ほんとうの「きよしこ」に気づく





ピンチを自分で切り抜ける力☆




そのときに背中を押してくれるのは




自分の中にいる、自分とかかわってくれた人たち





もう、



きよしは「ひとりぼっち」なんかじゃなかった。





「ほんとうに伝えたいことは・・伝わるよ、きっと。」




きよしこは



きよし自身の中にいる




自分が殻から一歩踏み出すとき。



成長しようとがんばるとき。




いつでも



「味方」になってくれる・・




今まで頑張ってきた自分






きよしの吃音は大人になっても治らなかった。



けど、



同じような人たちに向けて



お話を書くこと。




きっと・・


君の中にも「味方」はいるよ。







読んでいて



きよしとともに自分も成長できるような



そんなお話です


























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重松清「卒業」~家族の絆って血のつながりだけじゃない~

2014-01-18 02:38:27 | 



重松清「卒業」読み終わりました。



タイトルから想像して



学校の卒業をイメージしてたんですけど



全く違ってました





新しい一歩を踏み出す




そういう意味の



『卒業』






だっんだぁ。




読んでみてそれがわかりました






「まゆみのマーチ」



「あおげば尊し」



「卒業」



「追伸」




短編4作品が収められています。




いずれも


「家族」をテーマにしたものです。




「まゆみのマーチ」は



歌が大好きなまゆみ。


そのまゆみが


小学校に入学して


自由に歌が歌えなくなったことで


学校に行けなくなってしまう。



母はまゆみとともに



ゆっくり



ゆっくり



時間をかけて進もうとする。



兄は


母親の死の直前


まゆみと再会したことで


今まで知らなかった母とまゆみを知る。




そのことによって



息子との関係を考えさせられる。







「あおげば尊し」は




厳しい教師だった父、


癌に侵され・・


余命いくばくもない父。



そして


その死の直前まで



父は「教師」だった。



息子(小学校教諭)は自分の教え子に


「死」というものを教えてくれた父親を誇りに思う。







「卒業」は




亜弥は中学入学の時に



自分の本当の父親は


自分が母親のお腹にいるときに「自殺」した



と聞かされる。



今まで本当の父親だと思っていた野口は



育ての親だった。




本当の父の思い出がないのに・・



「自殺」したという事実だけがある。




その思い出の空白を埋めようと



父と親友だったという「渡辺」に



父のことを教えてほしいという。




自分が自殺したくなるのは



父のDNAなのかと悩む亜弥。





亜弥に事実を告げることを決意したのは野口だったが



それは



亜弥に正直でいたかったという思いから。



それが裏目に出てしまう。



母の香織も心を痛める。




亜弥は自殺した父親を受け止め



そのうえで



父親から卒業していく。







「追伸」は




小1で母をがんで亡くす敬一。




小5のとき新しい母が来るときに



父から見せられた1冊のノート。



そこには


母が死の直前まで書いていた



敬一への思いが。




それを読むまでは



母への思いは漠然としていた敬一だったが



それを読んだことで


母への思いは




強くなる!!




そのタイミングで来た新しい母を



敬一は受け入れられない。




ずっと「ハルさん」としか呼べなかった新しい母。




その日から



敬一とハルさんの長い戦いが始まる。




敬一に対して不器用にしか接することができないハル。



ハルに対して反抗的にしかなれない敬一。




二人は距離を縮めることができずにいた。



弟が生まれ・・



大人になり・・



それでも敬遠してきた



「母」と呼ぶこと。




でも



あるきっかけで



敬一は



ハルを「お母さん」と呼ぶことになる。






家族とは



その




絆とは





そんなことを考えさせられる4作品でした。






重松清さんに最近ハマってる私です。



次は何を読もうかな?




読み終わった後



心があったか~くなる作品☆




これも重松さんの人柄なのかな





この季節にぴったりの



あったか~いがいっぱいです


















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松岡圭祐「万能鑑定士Qの探偵譚」~男!小笠原君の活躍で莉子はピンチから救われる☆~

2014-01-14 03:10:32 | 



松岡圭祐の「万能鑑定士Qの探偵譚」読み終わりました☆



このシリーズは初めから全部読んでいて


大ファン☆



『面白くて知恵がつく人の死なないミステリ』



というのもお気に入り




今回も随所で



「え~!そうなんだぁ!」







自分が賢くなれた気がするところが




それもこのシリーズの読みどころ




主人公「凜田莉子」



学生時代は劣等生だった彼女が



故郷の波照間島から上京して



5年足らずで



誰からも一目置かれるような



「万能鑑定士」



になっていく様は



同性としても憧れる☆




その


変化を


莉子と一緒に


読者も応援しながら



読んでいける




そんなところがこのシリーズの魅力だと思います





そして


もう一つの読みどころは



莉子と小笠原君との関係




この二人は



お互いに思っているのに



なかなか一線を越えられず



距離が縮まりそうで・・



縮まらない。。




そこがじれったくて



でも



またそこがいい





小笠原君は



いつも莉子に振り回され気味




莉子の態度に



一喜一憂して



どうしても



腰が引けてるところがある。




だけど



今回は




「男小笠原








見せてれますよ~





前回の



「万能鑑定士Qの推理劇Ⅳ」で



自分に自信を無くし



故郷の波照間島へ帰り



地元で鑑定業をすることになった莉子。




小笠原も



編集長の計らいで



波照間島で記者として働くことに。




しかし・・



思うように記事が書けずに時間だけが過ぎ・・




とうとう


小笠原は東京に戻されることになる。




それを知った莉子は・・



自分と小笠原は



そういう運命なのかと



落胆する。。




自分は



好きな人とは結ばれない運命なんだと




思いこんでただ落ち込む。。




それというのも



ある言い伝えのせいでもあった。




莉子が



小学生の時に山で遭難しかけ・・



洞窟でみた



マーペーの壁画



その



動くはずのない目に見られた莉子。




「それを見たものは大事な人と結ばれない運命」





それが心の中で引っかかっていた。





しかし、



小笠原によってこの



呪縛から






解かれることになる







波照間島にやってきた




樫栗芽衣




指名手配されていた彼女は




泊まっていた宿から



偽札を残して消えてしまう。




芽衣と知り合いになった



莉子と小笠原は



芽衣が偽札を持っていたことで



警察に追われていることに



疑問を抱く。




芽衣を探しながら



真実を追及していく。




そこに意外な事実が




莉子と小笠原の活躍で



芽衣の容疑は晴れる。




しかし



芽衣が小笠原に好意を持っていることで



莉子と小笠原の関係に危機が?!




でも



今回の小笠原君は



芽衣にしっかりと自分の意思を伝えることができる☆




「自分にしかわからない莉子の影の部分」





自分が莉子を救うんだ



そういう熱い思い




今回は



小笠原君!見直した!!



って




拍手を送りたい





まぁ



今までも大事なとこでは



莉子を助けてきた小笠原君だけど



今回は



特別



最強!!




自分の思いにブレーキをかけ気味だった彼が




初めて見せる





全身全霊をかけて莉子を守らねば




そういう思いが



こちらにもすごく伝わった





熱い小笠原君にこちらもつい





熱くなっちゃった





これでまた二人の距離は近づいたって感じ♪





「万能鑑定士Qの推理劇Ⅳ」で



莉子が現場を押さえて捕まった



孤比類巻 修



コピアと呼ばれたこの男。



実は



この裏にはあるからくりが!!




雨森華蓮も登場して



盛り上げてくれるよ






またまた



続きが楽しみになった





ほんと!



「万能鑑定士Q」シリーズは



クセになるよねぇ~
















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重松清「その日のまえに」~続くと思っていた明日が絶たれるとき、本人は?家族は?何を思うのか?~

2014-01-09 02:28:51 | 



重松清「その日のまえに」読み終わりました☆



この作品は



著者の思いが詰まったものだと感じました。




あとがきを読んで初めて知ったのだけど



重松さんが「恩師」と呼ぶ



今のジブンがあるのはその「恩師」のおかげだと仰ぐ方。



そんな方の



『死』







この作品を微妙に変えていったという。





恩師の死の一週間後


この作品の最終章にとりかかり


思いを込めたのだと。





そう著者が言うように、



それが伝わってくるような作品だった☆





この作品は「その日」



つまり



人生が終わる最後の日




それを描いている。




5人のそれぞれの



「その日」を迎える人たち。



そして



それに関わる



家族



友人



その心情が丁寧に描かれている





そして



最後の「その日のあとで」では



短編それぞれに関わりのあった人たちが




交差する




実に


上手くまとめられた作品だと思う。




それはやはり



著者の経験も生かされている気がした☆





「ひこうき雲」で



小学生のとき



スゴク意地悪で怖い女の子


「ガンリュウ」とあだ名がつくようなそんな・・



「死」とは到底結びつかないような子。



そんなクラスメートが



不治の病になる。



その時の



失敗。。



無神経さを大人になっても悔いていた。



そんな山本さんは



最終章で「看護師」として登場する。





「潮騒」で




ほんの少しの間関わった同級生が




死を宣告されたその日に突然やってくる。



石川は


その同級生「シュン」への思いを



花火に託す。




その花火大会のポスターを



最終章で妻和美を失う主人公に依頼する。





「ヒア・カムズ・ザ・サン」で



母が癌で余命いくばくもないと



知った高校生の息子トシくん。




最終章で妻和美の死の直前


病室に向かった主人公は看護師の山本と話すトシくんと会うことになる。







覚悟して


臨んだ「その日」



思ってたのと



現実は違ってたその日。





どんなに準備しても・・



これで



「満足」



そうはいかない。。





主人公「僕」は思う。



和美はそれでよかったのか?



と。




そして・・



和美が死んだあとの



看護師の山本から渡された



和美が死の直前に書いた手紙。





その内容。





人は



ずっと続くと思っていた



「明日」が絶たれるとき何を思うのか?




本人は?



家族は?



友人は?




「死」というものを深く考えさせられました。




著者の思いがジワジワと伝わってきて・・



思わず涙が止まらなかった





そして・・


自分の「その日」を


どんな「その日」なのだろう?



そんなことも考えました。




私は



今のこの仕事を



変わらずに続けて・・



「その日」を家族と迎えられたらいいな




そんな風に思いました。



でも


それは自分では選べないからね。。




今日をしっかり生きる!




これしかないんでしょうかね・・




きっと☆


















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