読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

近藤史恵「たまごの旅人」~海外旅行添乗員の新人・遥がたまごの中から見る景色☆憧れの添乗員になれたけど。。~

2024-07-15 03:33:39 | 


近藤史恵「たまごの旅人」読み終わりました。


憧れの海外旅行添乗員になった遥

派遣社員でも給料は安くても

旅を仕事にできることに喜びを感じていた。


初めてのツアーはアイスランド

その飛行機の中で

遥は海外添乗員を目指すきっかけになった

憧れの人「宮城彰」

に偶然会う。


嬉しくて声をかけ

自分が彼女に憧れて海外添乗員になったことを

打ち明ける。


しかし!

彼女の反応は冷たいものだった?!

初めてのツアーで憧れの人に会えたのに

遥の気持ちは

初めての海外ツアーの緊張と落胆で

重くなってしまう


自分本位のお客

緊急事に対応に困る遥。。


そんな遥を救ってくれたのは

憧れの人「彰」だった。

そして

彼女が冷たい反応をしたことの

状況を知ることになる。


自分が経験した辛い事。。

旅行添乗員になったばかりの自分のこと

そして

15年続けてきた今の自分

それがあまりにも違い過ぎていること。。


でも

遥は自分とは違う


たまごんの中から見る景色

ぶつかって

転がって

ヒビだらけになりなりながら

世界を見るのも悪くない。


そんな話をしてくれた。


そこに住んでいる人

旅行者

その間には隔たりがあって

近くにいるけど違う世界にいる


なるほどな~。

と妙に納得してしまった。


憧れの職業につける人は

そう多くはないのだろう。


でも

憧れてその職業につけたとしても

外から見ていたのと

中に入ってみるのとでは全然違ったりする。


こんなはずじゃなかった~。。

って思うことがよくある。


だけど

好きなことだったら

辛いことも乗り越えられる。


そんなに簡単じゃなくても

転んで傷だらけになって

それでも

後から思い返したとき

がんばってこられた自分を褒められる気がする。


彰が好きな仕事をする中で

得たもの

失ったもの

いろいろあって、、

つい遥に辛く当ってしまったことも

わかる気がする。


遥はいろんな国を旅して

いろんな人と関わる

楽しい思いも辛い思いも繰り返す。

そして

成長していく


遥の見る景色が

文字から情景になり

行ったことのない世界の景色を私に見せてくれた


本って素敵だなぁ~

とあらためて思う。


この本が書かれたとき

日本に蔓延していたあの流行り病


その時の遥の状況を思うと苦しくなる。。


幼馴なじみで親友の千雪とも

距離を置くようになる。


それぞれの辛い時期を経て

今私たちはここにいる。


これを読んで幸せって思える。

そのことにあらためて感謝したくなりました。


実際に旅行した気分になれる


インドアな私にはお手軽で贅沢な旅行でした








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谷瑞恵「あかずの扉の鍵貸します」~どこにも見えない金木犀の香り風彦に惹かれていく朔実☆金木犀の行くへは?~

2024-06-30 02:55:10 | 

谷瑞恵「あかずの扉の鍵貸します」読み終わりました。

前から気になっていたこの作品

図書館で借りてやっと読めました


谷さんの優しさがいっぱいの作品でした


育ての親で遠縁の不二代の死が近づいていた。

そんな時

朔実は不二代から

「あかずの間がほしい」

と言われる。

そして

渡される一枚の名刺

「神堂風彦」(しんどう かざひこ)

この人に頼んで欲しいのだと。

一級建築士の肩書がある

この人が設計してくれるのか?


よくわからないまま

朔実は風彦を訪ねる。


北鎌倉にある風彦の家は

ホラー映画にでも出てきそうな

錆びついて傾いた門

塔のような六角形の部分が不規則に張り出し

いびつな巨大な節々か

フジツボが張り付いた岩をおもわせる。

木々に覆われたその不気味な館

そこから現れた風彦は

ひょうろりと細長く

クラシカルなシャツにスーツ

髪をきちんと分けた30代前半ぐらい


不二代と風彦はどんな関係なのか?


不二代の依頼を風彦は

快く引き受けてくれる。


まずはあかずの間に不二代が何を入れたいのか?

それを探すことから始まる。


そして

子供がいなかったはずの不二代に

息子がいるという?


そして

不二代のあかずの間に入れたかったものは

その

息子に関係するものだった


知らなかった不二代のことが

段々明らかになる。


そして

朔実はあかずの間のに惹かれていく自分に気付いていく


そして

風彦の住む館の住人になる


金木犀の香り


それにも惹かれる朔実


香りはするのに


木は見当たらない。。


館に住むあかずの間を借りる住人達


それぞれに事情があり


そして

そこでの暮らしが大切だった


朔実は

薄気味悪いと思っていたその館にどんどん惹かれ


そして

風彦の仕事の手伝いをするようになり

自分も建築の仕事がしたいと思うようになる。


そして

風彦にもどんどん惹かれていく


自分のことをどう思ってくれているのか?

よくわからない風彦に

自分から気持ちを伝える朔実


それに風彦はどう応える



「あかずの扉に入れるものは、誰にも知られたくない秘密であって

 だけど、いつか、誰かに伝えたいものでもあるんでしょうか」


風彦の言葉


謎が解けていく過程を

読者は楽しみながら

金木犀の香りを感じながら

読み進めていきました


人の目から見えているもの

それだけがすべてじゃない。


そんなことを考えさせられた作品でした。


何かを守る為に

あかずの扉はある。


それはやっぱり優しさかな

終わり方も優しかったなぁ~






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山口恵似子「ゆうれい居酒屋5 枝豆とたずね人」~女将の秋穂の料理と助言に救われる人たちが今日も♪~

2024-06-16 03:32:40 | 
山口恵似子「ゆうれい居酒屋5 枝豆とたずね人」読み終わりました。

このシリーズも5作目

すっかり

居酒屋「米屋」と女将の秋穂のファンになった

読み終わると温かい気持ちになれる。

このシリーズが私は好きです

作品には

著者の山口さんの温かさが現れていて

食堂のおばちゃんを経験された山口さんの

カンタンでおいしい料理もたくさん

そして

その料理と人柄でお客さんの心をつかむ。

そんな秋穂が山口さんに思えてくる


この作品の中に

他のシリーズの人が登場したりして

シリーズのファンの心もググっとつかんできます


新小岩にあるルミエール商店街の一本裏路地にある

居酒屋「米屋」

不思議なことに

迷える人にしか出会えない不思議なこの店


見た目はしょぼくれた赤ちょうちんの店だけど

入れば

笑顔の親しみやすい女将「秋穂」が出迎え

シジミの醤油漬けを一口食べれば

そのおいしさに目をむく客たち!

カンタンで

しかもおいしい料理が次々と出てくる

そして

迷える人達に

的確なアドバイスをして

その者たちを救う


今回のお話は

画家になることを諦めかけていた莉奈が

米屋で出会う準平

実は

時空を超えた二人の出会いだった?!

準平が莉奈に渡してくれと秋穂に託した

一世一代の小説は、、


相良が息子にしてしまったことの後悔。。

そして

相良の息子「瑞樹」から身を引くことにした梢の決心

秋穂が涙するその行くへとは



拓也の後悔は

秋穂の「後悔は人の心をむしばんでいく病です。

 だから、後悔しないように生きないと、人間は幸せになれません。」

という言葉に救われる


ずっと

母が父を殺したと思い込んでいた哲二

今すぐに

母親に確かめてみるべき

と助言した秋穂

哲二の苦しみは消える


なぎさは

米屋にママ友を連れていく。

ママ友たちの態度にうんざりするなぎさ。

そして

娘をお嬢様学校に入れたことを後悔する。


そんななぎさに

秋穂は娘と話すよう助言する。


娘から聞くその話は、、

なぎさを安心させた



今回も巻末には

簡単にできておいしいレシピがたくさん


私は早速作ってみようと思っています。


ピーマンのコーンチーズ焼き

めっちゃカンタンでおいしそう


今日も誰かが

米屋の女将「秋穂」に救われてるかも














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道尾秀介「満月の泥枕」~娘のりくを死なせてしまった贖罪のため。。二美男が選ぶ堕落した生活?~

2024-06-09 03:19:50 | 
道尾秀介「満月の泥枕」読み終わりました。

タイトルから想像して

どんな内容なのかと思っていたら、、

想像を超えたものでした


すごいなぁ~!

道尾さんはどうやってこういう内容の作品を

思いついたのだろう?

そんなことを思ってしまった。

二美男のように

地面に寝転んでみたのかな?

とか

いろんな想像をした。


物の見方がすごいって思う。


笑いがあり

そして

ドキドキがあり

そして

軽く見えていたものが

実は

深い暗闇を抱えていたり。。


横尾さんならではの

人の、、

物の、、

いろんな見方が素敵だなって思います。


二美男がずっと抱えていた

娘のりくを自分のせいで死なせてしまった。。

その思いが、、

自分でも気づかないうちに

堕落した生活を選んでしまっていた


兄の死で

姪の汐子を預かることになり

汐子をとおしてりくを見てしまう。

そんな二美男の思いを

汐子は感じて

寂しい思いをする。


二美男が

祭りの日に泥酔して

寝転んだ時に目撃した事件


それが

二美男と汐子

そして

アパートの住人を巻き込んだ

大事件となる


二美男と懇意にしてた警官の剛ノ宮が

危機を救う


そして

二美男と剛ノ宮は

同じ穴の狢だった

剛ノ宮に二美男が言われた

「だから、あんただってそうやって、ろくでもねえ生活送ってんだろ?」


定職に就かず

安アパートの家賃を滞納し

苦しい生活を送る。

幸せになっちゃいけない。。

それが贖罪だと。。


そういう二美男に汐子が言う


「毎日楽しくしててもええねんで。変らへんもんは変らへんねん。

 自分が苦労したかて、そんなんおんなしやろ。そしたら、楽しい方がええやん。

 まわりも楽しくなるやん」


と。

二美男が選んだ泥枕は、、

汐子の満月で幸せに導かれる

なーんて思ってしまった


二美男が

汐子の幸せのため

と思うことが

汐子にとっての幸せとは限らない。


そのことを

汐子によって気づかされる二美男


凸貝二美男の人生は

汐子によって

これから変わっていく


そんなことを思わせてくれる結末


いいね


深い人の心の奥の奥、、

なかなかそこを覗くのは難しい。。







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碧野圭「書棚の番人」~書店の副店長の正和が過去の関わった事件!犯人の書籍が記憶を呼び覚ましていく。。~

2024-05-27 03:14:17 | 


碧野圭「書棚の番人」読み終わりました。


これ、、

実は読むのは2回目なんです。

それというのも

読んだものと同じと知らずに購入してしまった

タイトルが変わっていて

同じものだとわからなかったから


最近こういう

改訂版ってよくあるよね。。


読み始めてから

あれ?

もしかして?

と気付いた!笑


よく確かめてから買うべきですね


「書店員と二つの罪」から

「書棚の番人」になっていたこの本


でもね

前に読んだけど

また読み直すと

不思議と前回とは違った感想が生まれたりする。


きっと

自分の環境が変わったり

心情が変わっていくと

同じものを読んでも

その重点をどこに置くかも

変わって変わってくるのかもしれないなぁ~なんて


本って

読み始めると

どこにいても

自分が今どういう状況でも

その中にすーっと入っていけるのがいい


二度目でも

また新たな気持ちで読みました。


高田馬場の書店で派遣の副店長として働く

椎野 正和

バイトから派遣社員として働いている

正和には

暗い過去があった。

中3の時

隣に住んでいた家族と深い交流があった。

同い年の「創」とは

親友だった。


しかし

「創」が起こした同級生少女の惨殺事件


そこから正和家族がそれに巻き込まれることになる


その事件が

正和が共犯じゃないかと疑われる。

マスコミに追い回される。。


正和はその後実家を離れ

祖父母の元へ


そして

今の仕事に落ち着いていた。

しかし!

ある日働く書店に届いた本に

愕然とする。。


創が

「死我羅鬼 潔」

として書いた事件に関する本だった。。


17年前の記憶が

呼び覚まされる


それを売り場に置かなければならない

書店員として。。

でも

正和本人としては

それを置きたくない。。


狭間で葛藤する正和。。


そして

そこから

正和は

思い出したくない記憶をどんどん思い出していく。。


当時付け回された


雑誌記者の「青木」が正和の前に現れる。。


なぜ青木が正和の居場所を知っているのか?


そして

なぜかクラスメートだったつぐみが

正和に会いたがる。


甘酸っぱい気持ちを持ってしまう正和


当時憎からず思っていたつぐみに


しかし!

そこには見えない糸が絡んでいた


17年前の忘れたい記憶が、、

忘れていた記憶が、、

正和を苦しめていく。。


書店員ならではの辛さ。。


出版社の営業の辛さ。。


いろんな立ち位置で頑張ってる人たちの苦労


そんなことも垣間見えて


私たち読み手にそこも見せつつ


本がどれだけの人の手によって


ココにあるかを考えさせてくれる。


そして

ずっと事件と向き合ってきた

地元を離れず暮らしてきた

母と弟


弟がしたことを

正和は咎める、、

母の反応は

正和に

ずっと戦ってきたことを訴える


そして

母が言う


「言わないことが罰」



正和が背負うことになる罰とは一体



いろんなことに興味を持つ好奇心旺盛な思春期


どんなことに影響されるかはそれぞれ


そして


その何気ない「行動」や「言葉」が


事件の引き金になることもあるんだと、、


とても怖くなった。。


被害者

加害者

その家族


起きてしまったことを

変えることはできない。


辛いよね。。



どうしたら防げるのか?


自分ができることは何なのか?


そんなことを考えさせてくれる作品でした


二回目だけど

感じるものは多々あって

読み直したことはよかったなって思います







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