佐藤青南「連弾」読み終わりました。
壮絶な内容でした!
人は何かのきっかけで
こんなにも人生が大きく変わっていくんだぁ。。
ということをあらためて感じました。
母は自分を置いて男と逃げて行った。
残された父は酒におぼれ暴力をふるう。
そんな環境の中
生きていく術に覚えた「嘘」
それを生きる糧にしてきた「中村亘」
クラスメイトからは「ウソ村」と呼ばれ
誰からも相手にされなくなった。。
そんな亘が
あるきっかけで話すようになった
「北田弥生」
彼女が音楽室で弾いていたピアノの音色に魅せられる
それに気づく弥生は
彼をたった一人の観客として招く
彼女が弾いたのは
ベートーベンのピアノソナタ二十番
初めて聴くベートーベンに強く惹かれる亘
弥生に「ここにおいで」と隣の場所を示される
彼女に教えられながら弾く連弾
初めて触れる優しさ
そして
ベートーベンの曲が
彼の人生を変えていく
弥生に誘われ通うピアノ教室
そこで起きた事件!!
それが亘にある決意をさせる
そして
それを後押ししたのは弥生だった。
精霊流しの夜
彼らが果たしたこととは
そして
そのことが2人の運命を離れられないものにする
それからの亘の壮絶な嘘で塗り固められた人生
それは弥生に捧げる人生と言ってもいいのでは
愛されず育った亘が
初めてもらった人からの優しさ
そして
自分の才能を見出してくれた弥生
でも・・
亘はその表現を間違えてしまった。。
幼少期の過酷な環境はこれほどまでに
その後に影響を及ぼしてしまうのか?
人の愛し方を間違い・・
独りよがりな愛は
弥生を遠ざける!!
そして・・・。
有名な音楽家になった「篁奏」
その正体は?!
そして
そのコンサートの日に起こる
殺人事件
本庁の刑事「音喜多弦」
玉堤署の刑事「鳴海桜子」
2人の刑事がタッグを組み追う事件
鳴海を足手まといだと思っていた音喜多
でも
この事件を追ううちに
音楽隊志望で入ったのに
刑事課の配属された鳴海の事情が分かってくる
彼女ならではの勘が事件解決の糸口を見つけていく
鳴海のある特性
それは・・
そして
中村亘の特性
それは・・
人は誰も完璧じゃない
でもそのことによって
他の人にはできないことができたりする
そんなことも考えさせられました。
自分ではどうにもならない環境
その中で生きていくのはどうしたらいいのか?
自分がもし・・
亘のような環境だったら。。
そして
もし手を差し伸べてくれる優しさに触れたら・・
想像でしかないけど
彼の人生を思うとここが痛いなぁ~。
亘はただあの瞬間にずっと浸っていたかっただけなのかも。。
その幸せを感じられた時間に