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重松清「十字架」~自分は「親友」と思ってない人に「親友」といわれて死なれたら?~

2014-08-30 02:07:00 | 




重松清「十字架」読み終わりました☆



前からタイトルが気になって読んでみたかったんですよね。



でも読んでみて



こういう内容だったんだぁ~。




と少し驚きました。





14歳の少年と少女が



しかも!クラスメイトの「遺書」によって



これから生きていく長い人生を



十字架を背負って生きていくことになる






その



十字架



だったんだぁ。




・・って。





真田裕は



藤井俊介


フジシュン






親友だった。



らしい。



ユウは


フジシュンから「ユウちゃん」



と呼ばれてた。



ユウは


「フジシュン」と呼んでいた。



でも


それは


みんなもそうで



ユウだけがそうだったわけじゃない。



幼馴染みで小学校の時はよく遊んでた。



家にも遊びに行った。



けど


中学生になって



特に


親しく言葉を交わしたこともない。



同じサッカー部に入部してきたフジシュンだったけど



すぐに辞めてしまった。



そのときに


何か相談されたわけでもなく


勝手に辞めた。




同じ2年3組になり



「三島」と「根本」にいじめられていたフジシュン。



そこに「堺」が加わり



いじめが陰湿になっていく。




そんな状況を知りながらも



ただ



静観していたユウ。





ある日5組の「中川小百合」に



フジシュンのいじめのことを聞かれて



「俺も「やめてやれよ」ぐらいはいうけど」


と嘘を言ってしまうユウ。




その中川さんとその先・・


十字架の重さに一緒に苦しむことになるとは


このとき思っていなかったユウ。





9月4日



中川さんの誕生日に



フジシュンは中川さんに電話で


「誕生日プレゼントを渡したいから会ってほしい」


という。



でも


今まで話したこともなかったフジシュンに


急にそんなことを言われ困惑した中川さんは



「やめてください」と一方的に冷たく電話を切ってしまう。




その後


フジシュンはコンビニから中川さんにプレゼントを贈る手配をして



自宅の柿の木で首をつる。





そして


遺書が見つかる。




「真田裕様 親友になってくれてありがとう。ユウちゃんの幸せな人生を祈っています。」






「三島武大。根本晋哉。永遠に許さない。呪ってやる。地獄に落ちろ」




追伸として


小さな字で書き込んであった



「中川小百合さん。迷惑をおかけして、ごめんなさい。お誕生日おめでとうございます。


幸せになってください」







これを知ったとき



ユウは



自分がなぜ



「親友」だったんだろう





それがわからなかった。




でも



「僕はフジシュンと親友じゃなかった」



とはいえなかった。




フジシュンのお母さんに「お礼」を言われる筋あいもないし・・



フジシュンのお父さん「あのひと」に



「親友なのになぜ何もしなかった」



そんなことをいわれる筋合いもない。




そう思っていた。





週刊誌の記者田原に


「見殺しにした」といわれ



他社の週刊誌記者の本多には



「ナイフの言葉」と「十字架の言葉」



を教わる。




自分はただ



「見ていただけ」



なにもしていないじゃないか。




でも



それも



罪になるのか?!




ユウは


それからの長い年月をかけて



その



「見ていただけ」の




十字架の重さを知る。






中川さんも・・



フジシュンから電話があったことを



ずっと長い時間いえずに



苦しむ。



「自分のせいで死んだんじゃないか」



自分を責める。





一人のクラスメイトの死が



2年3組の



いじめていた者



見ていただけの者




を犯罪者にし




遺書に書かれた



「親友」と




一方的に好意を寄せられ



自分の誕生日の日に命を絶たれてしまった者は




一生「フジシュン」を背負い続けることになる。





家族を失った



残された家族は



気づいてやれなかった



自分たちの無力を悔み




いじめた者



見て見ぬふりをした者



臭いものにふたをする学校の対応を



ゆるすことはない。





こんな状況を



死んでいったフジシュンは



想像できただろうか?




自分の死が



こんなにも残された人たちに



重いものを背負わせることになることを




想像できただろうか?




たった14歳の少年は




その何分の一でも



想像できただろうか?





きっと



苦しくて



辛くて



この先に



幸せがあるなんて想像できずに



死んでいったんだろう。




でも



残された者は



もっと辛いんだ。





そういうことが




想像できたなら・・



きっと



人への



思いやり



優しさ



になるんじゃないかな。





自分だったら・・



「やめなよ」



って言えるかな?




いえないなら・・



他の方法で?




そう言うことを一人一人が考えることができたら・・




世の中ももうちょっと変わるのかもしれない。




人を傷つけるのも



自分自身を傷つけ



命を粗末にするのも



ダメなんじゃないかな。






ユウは



何十年後かに



フジシュンが



なぜ自分を



「親友」に選んでくれたのか気づく☆





それに気づいた時・・



ユウは号泣するのだった




そして



フジシュンとともに生きていく。





























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