今日の草履は、秋田市からお越しくださったおじさまのオーダー草履です。
同じ配色の23cmを編んでいたときにお立ち寄りくださり、『その色いいですね』と24cmでご注文と相成りました。明日の便で出発します。早速履いてくださいね~。
こうして『今編んでいる草履は買えますか?』というのが、日常にあります。予約品でなくサイズもピッタリの場合はお持ち帰りいただけますが、サイズ違いとなれば布地在庫が問題です。こちらの草履は幸いもう二足分の材料があったため、すんなり承ることが叶いました。これもまた「ご縁」と思うわけです。
ところで23cmで編んでいたときは、中高年のおばさまをイメージした配色だったんです。紫ベースで金色が神々しいですから、お洒落なおばあちゃんという印象でしょうか。でもそのおじさまもなかなかお洒落な出で立ち。おそらくなんの違和感もなくお似合いになりますよ。
老若男女を色で区別することなどなにほどの説得力もないことを、あらためて感じた次第です。
それをさらに思わせたのが、編んでいた23cmをお選びのお客様。東京から初角館を愉しんでいた女性は、おそらく20代後半でしょう。またもや私のイメージがキレイに否定されたわけです。そして女性とこの配色を照らしてみると、やっぱりお似合いなんですね。
秋田市にお住いの70代の男性と、東京にお住いの20代の女性が同じ色の草履を履く。なんとも面白い現実です。
こちらの女性が、もうひとつ面白いことをしてくれました。お代をいただき草履を手渡し、『ありがとうございました。また遊びに来てくださいね~』『は~い、ありがとうございま~す』と言って草履コーナーを立ち去ろうとした瞬間、足元を見てビックリ。まだ試し履き草履を履いたままじゃありませんか。
『なんか足元が涼しいとは思ったんですよねぇ』と苦笑いの女性。一年に一千人を超える人々が試し履きをされますが、そのまま帰ろうとしたのはこちらの女性が初めてです。