角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

「人を訪ねる」ということ。

2010年10月27日 | 実演日記


今日の草履は、千葉市美浜区からお越しくださった母娘さんペアの、娘さんからのオーダー草履です。『じゃあ、紺系のお任せでお願いしますぅ』がこちらになります。今日の便で出発しました。今月中には届きますよ~。

こちらの母娘さんペアがお越しになったのは、「ちいさん効果」も落ち着いた十日ほど前でした。お母さんが「ちい散歩角館編」をご覧になっていて、角館草履をお訪ねくださったというわけです。
『イイお買い物ができたわねっ』のお母さんの言葉が印象的でした。お母さんの草履ももちろん一緒に出発しましたから、お二人で早速履いてくださいね。

角館草履の発売から七年、公開実演開始から六年が経ちました。まだまだ始まったばかりの角館草履なれど、ここ二~三年は新聞や雑誌・テレビなどでも取り上げてくださり、私を訪ねてくださる方がとても多くなっています。
かつてサラリーマン時代は、樺細工を取り扱ってくれるお得意先を「訪ねる」のが常でしたから、「訪ねられる」という受身は当初不思議に感じたものです。

昨日は盛岡市のご夫婦、今日は仙台市のご夫婦にお訪ねいただきました。それぞれ角館草履のご愛用者です。実演席の丸太椅子に腰を下ろし、つかの間を過ごされました。そんなお客様との時間が、とっても大切だと思うんですね。
さらに今日は秋田市から、かつてのお得意先がお顔を見せに寄ってくださいました。同じ時代に同じ業種で飯を食っていた、いわば「同志」。お互いに今の「元気」を確認できれば、それだけで訪問の目的が達成された気になりますね。

今月三日に他界した叔父、そして昨年六月に他界した叔母は、角館で十八年を過ごしました。叔母は元来角館の出身ですが、叔父はまったくの東京人です。
鬼が笑いそうな来年の話、叔父の一周忌と叔母の三回忌を同時に営み、その後叔父と叔母の縁故を訪ね歩きたいと思っているんです。二人の晩年の様子を知己の人たちに伝えることで、十八年の締めくくりができるような、そんな気がするんですね。

「人を訪ねる」ということは、どんな場合にも意味があるのでしょう。
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