角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

あれも縁、これも縁。

2009年04月28日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
ピンク基調のカラフルとかげプリントをベースに、合わせは紫基調のまだらプリントです。
色目がとてもお洒落な草履ですね。プリント柄のとかげは私が最も苦手とする爬虫類ですが、愛嬌のあるカラフルさで許したいと思います。その平生地はこちらになります。




角館に晴天が戻りました。五日ぶりの青空は、それだけで朝から気分がイイですね。
長期にゴールデンウィークを取得された方はすでにお休みなんでしょう、今日の西宮家も朝からお客様が続きました。

埼玉県からお越しのおばさまふたり旅。何気に実演をご覧でしたが、角館草履の材料や健康効果をお話しすると、それぞれお気に入りの配色をお買い上げくださいました。
おばさまは、『話を聞いてみないと分らないものねぇ、最初はフツーの布草履と思ってたのよぉ』。
私が、『立ち止まっておしゃべりをしたのが“縁”っていうものですよっ』と言うと、『ほんとそうねっ、これが縁よねっ!』。

京都市伏見区からお越しの男性ひとり旅。ふらっと実演席に立ち止まると、樺草履を展示してあるパネルを眺めていました。どの程度の関心か分らなかった私は、『こんにちは』の挨拶だけで樺草履のご説明をひとまず待ちました。男性は彩シリーズの展示パネルに一度足を運び、ふたたび樺草履に見入ると、『このLサイズはもうないんですか?』。

実は今春も樺草履がなかなかご好評で、すでに在庫は23cmと24cmがひとつずつ残っているだけです。私もそれが気になっていて今朝樺染めの布地在庫を調べたところ、かろうじて一足分だけはありました。その材料を今日の実演で編むため持ち込んでいたんです。
めでたく当面最後の一足は、こちらの男性のご予約分と相成りました。男性にもお話したのですが、なかなかないご縁と思いますね。

愛知県春日井市からお越しのご夫婦旅。実演をご覧になり角館草履の健康効果をご説明すると、『お土産にこれがイイんじゃない!?』との話になりました。
私の草履は「ご自分用」が圧倒的多数で、ご自分用はお買い上げにならずお土産用とする方は比較的少数です。私もその考え方には賛成で、まず旅は自分のため、そこでするお買い物もまずは自分のためが最初と思っているからなんですね。

ただしこちらのご夫婦がお土産とするお相手は、83歳になるご両親宛てだったんです。『誕生日も近いし、母の日も近いですからねっ』とご主人。このお話には私も熱くなりました。
そのとき今日の実演で編んだばかりの、男女ペアに最も人気の高い定番②定番①がありました。ご夫婦へこちらをお勧めすると即決です。『おじいちゃんもおばあちゃんもきっと喜んでくれますよっ』と言うと、おふたりとも笑顔で頷いてくれましたね。

齢83歳の老夫婦がふたりで角館草履を履いてくださったなら、作り手としてこの上ない嬉しさですよ。今月逝去した「じっちゃ」と「ばっちゃ」をふと思い出しました。
お帰り際のご主人、『ずーっと元気で草履を編んでくださいねっ』。私はお返ししました、『元気で実演しているうちに、もう一度逢いませんか?』。

縁があれば、きっと逢えると思います。

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