角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

草履職人の大反省。

2011年05月26日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡円〕
ブルー基調のアゲハ蝶プリントをベースに、合わせは青です。
青系でまとめた配色は、すっきり感と言いますか清涼感がありますね。水が恋しいというには少し早い当地ですが、もう寒さを感じる日もそう多くはないでしょう。

お隣り旧中仙町からお越しのご夫婦。角館草履の健康効果をお話しすると、ご主人は奥様へ勧め、奥様はご主人へ勧めていました。ときにこうしたご夫婦の姿を目の当たりにするのですが、互いにいたわる言動には少なからず感動させられますね。
ひとまずのお買い上げは奥様で決まりです。おそらくそう遠くないうちに、今度はご主人用にお越しくださる気がします。

夫婦であれ親子であれ、場合によっては商店とお客様の関係であっても、「いたわる心」というものはとても重要と思います。わが家の娘たちは卒業などの節目に、私とカミさんへ手紙をくれます。内容としてはおおむね『これからもよろしくね~』的なわけですが、気遣いと感謝の心がよく伝わってくるものでした。

ネット通販の際の「草履職人へ一言欄」を先日お伝えしましたが、草履が届いた「到着メール」、あるいは代金を振り込んだ「支払メール」までくださるお客様もいるんですね。
今日いただいた「支払メール」には、『本日入金しましたので、ご確認をお願いします。どうぞ笑顔の多い1日で』とありました。

いわゆる「震災不況」の話題はときどきお伝えしていますが、今日の角館もこれだけの晴天なのに人影は少ないです。仙台市からお越しの母娘さんペア、そして一関市からお越しのお若い女性二人旅とのおしゃべりも、話題の多くはやはり震災でした。今の実演席では笑顔が多いとは言えません。そんな中でいただいた今日のメールは、その言葉のありがたさが際立って感じるものですね。

今私は、大きな反省の中にいます。それは23日のブログでお伝えした「救援物資」の話。被災三県にこれまで草履を発送したお客様は、資料ですぐに判明します。小さな商いの私がだいそれた救援物資は無理でも、なぜ葉書の一枚も出せなかったのか。いや、どうしてそこに想いが至らなかったのか。角館草履の草創期からお客様の言葉に励まされている身が、いざ立場が逆になったら何もしないのか。

角館の草履職人、48歳にもなって人としてまだまだですよ。
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