角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

一年越しの笑顔。

2009年04月17日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
ブルー基調のハワイアンプリントをベースに、合わせは紫基調の桜プリントです。
これまでも何度か書いたと思いますが、私はこの「紫」という色がなんとなく好きです。「今日の草履」もそうした想いがあるせいか、実にお洒落に見えるんですね。

実は先日の祖父母の葬儀ではじめて知ったのですが、生前ばっちゃは紫を好んだとのこと。これまであらためて聞くことはなかったと思います。これを知人である葬儀社のスタッフさんに伝えたところ、棺の色や骨壷のケースに紫を揃えてくれました。こんなところにも人の心は見えるものです。

これから真夏まで着用する作務衣に、紫色を加えました。今日が袖通し、初着用です。新しい作務衣というだけでも気持ちがスッキリしますし、ばっちゃが好きだった色と知ったことで、なんとなくそんな供養も感じます。一日終わっての売上が今年一番だったことも、ばっちゃのご加護かなぁなんて考えたりしますね。

仙台市からお越しのお若いご夫婦、おふたりニコニコ顔で近づいて来ました。『去年こちらへ寄って草履を見たんです。それで、ゼッタイ来年は買おうと…』。
昨年の4月末に桜見物にお越しが、異常な早咲きでまったくありませんでした。残念と思いながら町を散策し、私の実演と出逢ったそうです。そのときに、来年はゼッタイ桜を観ることと草履を買うことを決意したんですね。

桜のほうはまだ見頃とは言えませんが、それでも街中ではチラホラ観られるところがあります。草履のほうは「一点もの」にお気に入りを見つけてくださり、まずはどちらも念願が叶ったと言えるでしょうか。嬉しいですね、私よりもお若い方にそうして草履を見ていただけることが。

もうひとつ嬉しさを感じたのは、草履をお買い上げはご主人だけなのに、奥様のほうがとってもイイ笑顔をされたことです。ご主人の念願が叶ったことを、ご自分のことのように喜んでくれたんですね。奥様のお顔は、まさに「一年越しの笑顔」なんでしょう。

大きなお世話と思いながら、こちらのご夫婦にも仲良くふたりで天寿をまっとうして欲しいものです。

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