角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

昭和人の逝去。

2011年12月22日 | 地域の話




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔4,000円〕
【2012年1月1日より4,600円】
藍色と黒の組み合わせはあまり多くない気もしますが、綺麗なプリント柄同士という理由で選んでみました。昨日の「今日の草履」と同様、金の縁取りがなんとも美しいですね。
女の子が楽しく遊ぶ、「昭和」のプリント柄がこちらです。



三日前、同期生のお父上が急逝されました。享年80歳。師走の真冬日が災いしてか、心臓疾患による急死です。
とても人当たりが良く、「昭和人」らしい堅さを持った御仁でありました。お祭りが大好きで、今年務めた丁内張番の年番長が、奇しくも最期の花道となったわけです。

こちらのお父上に、私は大きなご恩があります。2005年6月、角館草履を発売して一年とちょっとでした。一人でも多くの地元民にこの草履の存在をPRしたかった私は、街中での路上実演を三箇所に計画しました。そのひとつが、こちらの同期生の自宅前だったんです。お父上は二つ返事で、私に実演場所を貸してくださいました。

実演中、お父上とお母上は縁台に腰を下ろし、私とお客様との会話を聞いておられました。お客様が途切れるとよく言われたのが、『あんたはほんとに商売向きだなっ』。
観光で訪れたお客様はもちろん、地元民で近くのスーパーへ買い物に見える方々にも、期待通りのPRが果たせたものです。

その後、真向かいの銀行へ立ち寄った際にお父上の姿を見かけると、自然に声をお掛けしていました。何気ない普段の挨拶程度です。さきほどご焼香に伺ったときお母上が言うのは、『年寄りなもんだがら、声を掛けられるのが嬉しいって言ってらったんだよ』。

今年は同期生のお父上をはじめ、知人である「昭和人」が何人も他界されました。ちょっと近年にない多さです。そういう年廻りに至っていることを自覚して、お世話になっていながらご無沙汰をしている「昭和人」に、想いを寄せるのも必要かと考えています。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 年末も仲良しご夫婦。 | トップ | 引き継がれる文化。 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

地域の話」カテゴリの最新記事