角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

ささやかな贅沢。

2008年09月24日 | 実演日記


今日の草履は、新潟市にお住まいのおばさまからの、お電話によるオーダー草履です。ご夫婦おふたり分のうちこちらの草履はご主人用、『紺の唐草はイイんですけど、組み合わせにかすんだ緑なんかあります?』でお作りしました。気に入ってくださると嬉しいですね、本日の便で出発しました。

大阪府泉南郡からお越しのご夫婦、おふたりとも実演を興味津々ご覧になり、私の説明にも関心高く耳を寄せてくださいました。
ご主人が私に、『ケチケチ旅行しとるんやけど、ひとつくらい奮発しよかっ!』。奥様もふたつ返事で了解です。奥様用は展示品からお選びになり、ご主人用は在庫がないためオーダーとなりました。

こうしたケチケチ生活の中での「ささやかな贅沢」、どんな人にもあるんじゃないでしょうか。わが家もご他聞にもれず、三人の子どもを育てていれば家計はたいへんです。そんな中で年に二度か三度、家族で晩ごはんを食べに行くくらいが「ささやかな贅沢」ですね。

大阪からお越しのご夫婦が、その「ささやかな贅沢」に私の草履を選んでくださったことは、なんとも言えない嬉しさがあります。
ただお帰りの際、やはり“大阪人”という言葉がありました。『ちょっと早く贅沢したかも知れんなぁ、これからもっとイイものが見つかるかも知れんゾっ』。

一言多い大阪人、私もそうした傾向がありますから、案外嫌いじゃないですね。前世に関西系がいるのかも知れません。

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