角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

プロの「商売」。

2008年03月30日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズMグループ23cm土踏まず付き〔4000円〕
青のいらかをベースに、合わせはエンジ基調の和柄プリントです。こちらも和柄が効果的ですね、綺麗な草履と思います。

昨晩のテレビ番組で、大工さんや竹細工職人、それに炭作り職人たちが海外へ行って、その匠の技で土地の人々を助けるというのをやっていました。以前も一度観た記憶がありますが、単に人助けをするのではなく、その土地に技術を伝え遺すことが大きいですね。最近バラエティ番組ばかりが目立つ中で、久しぶりにイイ番組を観た気がします。

下世話ながら、おそらく番組出演でもらうギャラはいかほどでもないでしょう。そんな日本の「職人たち」が、後日その土地の人々から届いた手紙や、その後自身の技術がその土地で活かされている映像を見て、涙を流しているんですね。確かに現地の映像に流れる子どもたちの笑顔から、テレビを観ているだけの私たちにも伝わるものがありました。
技術を活かしたモノを売るのは商売でも、技術そのものは商売ではないのかも知れません。

今日実演席に長く座ったのは、この春5年生になる女の子と2年生になる男の子の姉弟。東京から大仙市大曲の親類宅へ遊びに来て、今日はみなさんで角館を訪ねてくれました。
例の如く、子ども二人だけが実演ベンチに残りました。男の子が実演を真剣に観ながら、『へぇ~、すっごく上手っ!』。よくある子どもの言葉ですから、『そっか~、ありがとうなっ』と応えました。するとお姉ちゃんが弟へ、『ナニ言ってんの、プロなんだからねっ』。

遠く海外とまでは言わなくとも、東京に暮らす子どもたちが私の技術を楽しんでくれました。テレビの職人たちには及ばなくとも、帰り際子どもたちの『おじさんありがとう、バイバ~イ!』の言葉に、売上ではない満足感を得ることが出来ます。
女の子の口から出た「プロ」という言葉、まずはこれに恥じることのないよう精進ですなっ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ひとつの「本性」。 | トップ | 裸足の空間。 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

実演日記」カテゴリの最新記事