角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

アジアの中の角館。

2016年02月20日 | 実演日記







今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き[五阡二百円]
赤の折り鶴をベースに、黒の舞子さんを組み合わせてみました。赤と黒のコントラストもそうですが、プリント柄が可愛いですね。お若い女性の手に渡るのか、はたまた中高年の女性に選ばれるのか。在庫作りが主な冬期間は、そんなことを頭に浮かべながら作業を進めています。桜開花までおおむね二ヶ月、もうすぐそこまで来ている気がしますね。

この時季は例年台湾からのお客様が多いです。雪が楽しくて仕方ないのでしょう、西宮家中庭で小さな雪だるまを作って遊んでいる姿が見受けられます。「非日常を愉しむ」という旅の原点を想えば、実に素直な旅人ではないでしょうか。
台湾のお客様が多いのは自然に増えているばかりでなく、やはりそこには日本側の仕掛けがあるんですね。今日の西宮家ではそんな一端を垣間見る収録がありました。







山形と仙台の大学に留学中の台湾人男女二人が、冬の東北を旅するという観光VTRの撮影です。草履実演に立ち寄った二人が、草履職人から角館草履の説明を受けるというシーンなんですね。台湾で放映されるときは字幕スーパーが表示されるのでしょうが、テレビ映りより説明の文言が気になってしまいました。
いずれにしても角館の観光PRに少しでも役立てるのなら、それこそ草履実演の原点であり、面目躍如と思っています。

これから草履を編みながら想うのは「どんな女性がお選びになるかな」だけでなく、「どこの国の女性かな」という時代に入るかもしれませんね。
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2 コメント

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㈱わらび座造園 (山田みき)
2016-02-22 13:22:25
ベルリンの壁。鉄砲を構えた兵士。そこに日本の大曲花火が乗り込み〔笑)、”今壁はあっても、今一瞬だけは、西からも東からも同じ花火が見える、空に国境はないんです”舞台セリフは実話でした。戦争を知りません。知っている方だからこそ、一人の声で戦争が終るはずも無い憤りを知り、又悲しみを知っている人からの慈しみの心、言葉。秋田も国際交流が本格的に動き始めました。その作業、生地、畳井草、全てが”日本の伝統”。素晴らしいですね!草履にも国境は無い〔笑)。創る、造る、使う、治す、直す、繕う、大切に手を合わせる心。和。地球1つ!〔笑)。
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台湾の広告塔 (草履職人)
2016-02-22 20:26:02
みきさん

秋田県内の大学にも外国人留学生がいますし、秋田市の
国際教養大学にはずいぶん多くの外国人が学んでいるようです。
そんな方々が角館を訪れ、西宮家にも立ち寄られます。
みなさん興味深そうに草履実演を見ていきますね。

こちらの台湾のお二人も撮影という仕事で訪れたわけですが、
質問を考える余裕もなく実演に見入っていました(笑)
彼らに日本の伝統、文化、技術、慣習に興味を持って
もらえたなら、台湾において大きな広告塔となってくれることでしょう。
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