角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

会えて良かった。

2011年08月09日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡円〕
連日の猛暑続きでは、ときにこうした草履を編みたくなります。ベースは涼しさを連想させるブルー、そして木立を想わせる緑を組み合わせてみました。するとやっぱりお客様も、こうした配色を待ちかねていたのでしょう。すでに展示バネルから姿を消しています。

青森ねぶたや秋田竿燈といった東北の夏祭りが終わり、次のお盆帰省ラッシュまで少し中休みといった角館です。とは言っても、やっぱり夏祭りの人出は多くありませんでした。予想してはいたものの、あらためて原発事故が恨めしく思えますよ。観光業の風評被害に対し、秋田県は賠償地域にないようです。どこかで線引きが必要でしょうから、ひとまずそれは分かりました。でも北東北がこれほど寂しくなったのは、原発事故以外のなにものでもありません。

そんな中でも出会いだけはしっかりあるものです。ツアーでお越しくださった埼玉県富士見市のおばさまは、はっきりと角館草履をめがけてお出ででした。私を見つけるなり開口一番、『テレビに出てた草履屋さんですよねっ?』。

もう一年近くもなる「ちい散歩」。おばさまは番組を観て、角館に行ったら必ず立ち寄ることを心に決めていたと言います。定番配色①のオーダーは、明日の便で出発しますからね~。
『会えて良かったですぅ』。お帰りの際のおばさまの言葉に、ひとつの旅の目的を無事果たせた安堵が伝わってきました。

実演席でお客様から言われる言葉は数々ありますが、「会えて良かった」はさすがに大勢から聞かれるものではないですね。それだけこの言葉は重いものであり、また価値があるとも思うんです。

それにしても久しぶりに「ちい散歩」を思い出しましたよ。収録日が9月1日でしたから、ほんとに一年に近いんですね。9月20日・21日の放送後、角館にははっきりと人影が増えたものです。
震災の二次被害で苦労している角館に、有名な旅番組が来てくれませんかねぇ。
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