角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

道を教えるのもおもてなし。

2013年10月18日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き[四阡八百円]
色合いは可愛らしいのですが、よく見ると金色が含まれていてゴージャスです。大奥の中でも、ちょっと力のあるお局様の雰囲気でしょうか。お若い女性よりは、人生経験の豊かな中高年のおばさまにお似合いと思います。

朝一番におばさま二人連れがお訪ねくださいました。秋田市からお越しというおばさまは、『二年くらい前に偶然ここで草履を買ったんですよ。そろそろ新しいのを欲しいと思ったんだけど、どこの店だったのか全然分からなくて…』。
近くの洋品店さんに駆け込んだところ、西宮家を教えられたというわけでした。

実はこうしたケースがたまにあります。誰かに連れて来られた場合、その足取りがほとんど記憶に残りませんからね。
それとは別に、「西宮家」は分かっていても、そこまでのルートが判然としないケースもあります。町の人に訊いてもらえば西宮家を知らない人のほうが少ないのですが、車を運転していてさらに雨が降っていたりすると、しばらくは自力で探すことも多いようです。

今朝の新聞に、「新秋田県立美術館」の場所がとても分かりづらいと、特に県外のマイカー組に不評との記事がありました。ときはDC(デスティネーションキャンペーン)の真っただ中で、県外からのお客様を誘致すべく全県が取り組んでいます。そんなときのこの不評は、美術館職員にとって頭の痛い課題なんですね。やって良いなら勝手に案内板を作りたいくらいの気持ちのようですよ。

角館でも、観光客に優しい案内板設置の話を聞いたことがあります。かなり進んでいると私は思っているのですが、すべての人がすぐに分かる案内板というのは、まず無理でしょうね。徒歩の方はガイドブック片手にスタスタ歩いていますから、やはり問題は車です。一方通行の多い角館では、悩む前にまず町民へ訊くことをお勧めしたいものです。十中八九、優しく教えてくれるでしょう。それも「おもてなし」の一つですから。

西宮家米蔵が面する道路は一方通行。逆走する車を見かけるのは、日常茶飯事であります(^_^;)

コメント
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