角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

建物あれこれ。

2010年10月18日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
グレー基調の桜花プリントをベースに、合わせは赤茶の小花プリントです。
落ち着いた配色ですが、決して地味ではないですね。組み合わせの小花が可愛らしさを表現しています。
「今日の草履」は完全一点もので、すでにお買い上げの方がおります。

ずいぶん寒くなりました。早朝の最低気温が一桁となり、今日の最高気温は16℃ほどです。我慢する必要はないので、下着を冬用に替えました。このさきもっと寒くなると、いよいよ綿入り作務衣の登場です。
能代市からお越しのおばさま、『寒くなってきたので、暖かい色で作ってくださる?』。これからの「お任せオーダー」では、こんな言葉も聞かれることでしょう。

米蔵に見える常連さんのひとりに、かつて大きな地主さんだった方がおります。ご夫婦でお越しになり奥様はお買い物、ご主人は実演席の丸太椅子に腰を下ろして時を過ごすんですね。
昨日の話題は「建物」でした。江戸末期から明治の頭にかけて造られた「蔵」をお持ちで、母屋もかなりの年代物と言います。その手の話は私も大好きで、夢のひとつは武家屋敷風か蔵造りの家に暮らすことなんです。

今日、関西弁を話す男性10名ほどがお越しでした。みなさん揃って草履に関心が高く、10名全員がオーダーされたんです。一日の売上10足以上というのは珍しくないのですが、10人グループ全員がご注文というのは初めてと思います。
こちらのグループが角館を訪問された目的というのが、「蔵の視察」なんですね。みなさんの職業は揃って「左官屋さん」、言われてみればどこか職人という空気がありました。

二日間「建物」の話題が続いたところで、明日と明後日はお休みとなります。先日他界した叔父の各種手続きのためなんですが、誰も住む人がいなくなった建物というのは、実に寂しいものですよ。
コメント (2)
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