角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

冬が来る前に…。

2008年11月02日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズMグループ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
緑基調の落ち葉プリントをベースに、合わせはエンジ基調の麻の葉プリントです。
ベース生地はまさに今の季節、路面に落ち冷たい雨に打たれる落ち葉を見ていると、『もう冬なんだなぁ』と想います。
合わせに使っている麻の葉プリントは、私もかなり気に入ってますね。残りはそうたくさんありません。

三連休中日の今日、天気が悪いにもかかわらず多くのお客様がお越しくださいました。毎年この三連休が、観光シーズンのほぼ最終と認識しています。
大好評のうちに本当のラストを迎えている「男鹿和雄展」も、今日の人出に大きく貢献しているんでしょう。昨日までの延べ入場者数は、驚きの5万人超えです。一度の来場でゆっくり観られなかった人が、二度目を試みるケースがあると聞きました。「何度でも…」というのは、相当気に入った証しでしょう。

秋田市からお越しのおばさまお二方、うちのおひとりは以前もご訪問をお受けした気がしていました。それはおばさまの言葉で確信します。『もう何度が来てるんだどもよぉ、まだ買ってねぇものなぁ…』。
以前お逢いしたときに、私が土踏まず付き草履の足裏マッサージをご説明したようです。おばさまは極度の「冷え性」で、そのときから『いつか買いたい…』と思っていたそうです。

実は今日もご購入を固く決めていらしたわけではなく、『まず寄ってみよう』ということだったようです。それが試し履きをされたお連れのおばさまの一言で、流れが変わりました。
『おんやぁ、気持ちイイ草履だごどよぉ。どれっ、おめぇサひとつプレゼントするぅ』。
先のおばさまはさすがにこれを断りましたね、『ずーっと欲しいど思ってらったんだがら、自分の分は自分で払うべっ』。

結果それぞれにお気に入りをお選びになり、笑顔で西宮家を後にしました。ずーっと思い続け、何度も訪ねてくださった実演席。冷え性のおばさまに冬が来る前に履いていただけることを、私も嬉しく思います。


コメント
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