夢うつつ♪つれづれ草子

書いて残しておきたい事が、たくさん出来ました(*^^*)
自分自身のための備忘録なんだけれど…いろいろ書きたいな♪

『サンセット大通り』

2015-07-19 16:57:44 | 宝塚歌劇以外の観劇つれづれ

何年か前に公演したときに、これ観たいなと思いましたが叶わず‥‥
赤坂ACTシアターで、今回観てきました

主役のふたりはWキャストなので、安蘭けいさんと平方元基くんの組み合わせの方で観ました。


ノーマ(安蘭けい)は無声映画時代の大スター今は忘れられて、執事のマックス(鈴木綜馬)とふたり、ひっそりと、だが贅沢に暮らしている。
ひょんなことから、借金取りに追われた売れない脚本家のジョー(平方元基)が、ノーマの屋敷に飛び込んでくる。
ノーマは自分の書いた脚本をジョーに読ませるが、それはどれも時代遅れのしろものだった。
一方でジョーは、撮影所で脚本家志望のベティ(夢咲ねね)と共同で脚本を仕上げようとしている。
映画界への復帰をもくろみ、またジョーを自分のもとに引き止めておきたいノーマ。
ノーマとの贅沢な暮らしを楽しみつつも、賢く愛らしいベティとの時間も楽しむジョー。
ノーマの映画界への復帰が絶望的になったとき、ノーマとジョーの関係にも変化が‥‥

『サンセット大通り』とは、ノーマの屋敷がある通りの名前。
サンセット、沈む夕陽、一日の終わり、華やかに輝いたノーマの人生の終焉を暗示するような言葉です。

とうこさんのノーマは、まさに“大女優”でした。
オーラとプライドに溢れていました。
華やかな衣装にも全然負けていませんでした。(衣装担当は、有村淳氏。)
自分の“負の部分”(トーキーの映画ではスターになれなかった。)を認めまいとする強さがありましたが、それは哀しくも見えました。
変化のなかった日常に風穴をあけたジョーの出現によって、変わっていくノーマの様子は、まずは微笑ましく、そして滑稽で、やがて不気味さが漂うようになり…
老いていくことに、徹底的に抗うノーマの姿は、最後はやはり哀しかったです…
とうこさんの歌も堪能しましたが、ビブラートのかかりすぎがちょっと気になったかな

ジョーの平方元基くんは、笑顔がいいですね
ダンディーなイケメン。
ノーマに取り込まれて困惑していく様子が分かりやすかったです

ノーマの執事のマックスの綜馬さんは、ノーマとジョーの距離が縮まるにつれて、顔つきや居方が不気味になってくる…
マックスはノーマを狂おしいまでに愛しているのだな…と。

ベティのねねちゃん。
ごく普通の脚本家志望の女の子を無理なく演じていました。
娘役さんでしたから性転換の必要はありませんが、大芝居にならず、雑にもならず、気品は保って、作品としてもちょうどいい役に恵まれて、よい外部デビューだと思いました。


音楽は、アンドリュー・ロイド=ウェバー。
『オペラ座の怪人』や『Cats』でお馴染みの作曲家。
残念ながら、ワタクシのザル頭では、覚えている曲はないのですが、コーラスの楽しい曲からノーマの歌い上げる系の曲まで、耳に心地好い曲ばかりでした。
「歌えるのか」という俳優さんはキャスティングされませんしね


パンフレットに『オペラ座の怪人』になぞらえて、古色蒼然としたノーマの屋敷をオペラ座の地下、今を生きる人々が集う映画の撮影所をオペラ座に見立てていました。
そうすると、両方を行き来するジョーがクリスティーヌ、ノーマがファントムというところでしょうか? 面白い見方だと思いました


やはり、心に突き刺さってきたのは、老いに抗うノーマです。
『ライムライト』のカルヴェロと違って、ノーマは“幕ひき”を全く考えません。
そこにもやはり、人生の哀しみがたゆたっているわけで…
この作品からは、 真夏のsunset を感じたのでした。
…*…*…*…*…*…

マチネで『ライムライト』、ソワレで『サンセット大通り』を観ました。
一応、両作品ともフライヤーに書いてあるあらすじ程度は知っていたのですが‥‥さすがに、 老い がモチーフの作品の連続観劇はきつかったかも
でも、ふたつを同日に観たからこそ、ここまで深い?しつこい?ブログが書けてしまったのかなー、とも思います
翌日は、『1789』と『エリザベート』。
2日で4公演、しかも4演目は、初めてかもしれません
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