帝劇で『二都物語』を観てきました
これで最後の観劇
もう一回観たい気持ちが、むくむくと
でも、もう無理
何と最前列センターブロックというお席だったので、オペラグラスなしで舞台全体や出演者の表情がよく見えて、伏線がわかったり、小道具の使い方がわかったりして、とても満足できた観劇になりました
以下、思い出すままにつれづれと。
『二都物語』はフランス革命期の、ロンドンとパリを舞台にした物語。
飲んだくれ弁護士のシドニー・カートン@井上芳雄くん。
いつもの、安心して観ていられる芳雄くん。
だから、伝えたいことはちゃんとこちらに伝わります。
一幕はほぼ酔っぱらっているのだけれど、真面目人間が好きでもない酒を飲んで、無理に酔っぱらっているように見えました。
シドニーは、そういう人間なのでしょうか?それとも、根っからの酒飲み?
その辺りがよくわかりません
チャールズ・ダーニー@浦井健治くん。
お人好しで、人から嵌められやすい育ちのいい役柄が合っていると思いました。
叔父である、サン・テヴレモンド公爵の生きざまを嫌って、母親の故郷であるイギリスに渡ってはみたものの、明確な目的や、生きていくための手段があったわけではない。
そして彼は、シドニーに二度危機を救われます。
二度目のときには、シドニーはもういない‥‥‥
ここから、チャールズの本当の人生が始まるのだろうな‥‥‥
浦井くんは衣装もよく似合っていたのですが、気になったのは、姿勢。
貴族を捨てたとはいえ、貴族としての教育は受けたはずだから、もっと背筋を伸ばしてほしかったです
ヒロインのルーシーはすみれさん。
ハワイ育ちのせいか、幕開きは、発音やイントネーションに違和感を覚えるもののだんだんと気にならなくなりました。
クリスマスに、ルーシーがシドニーを食事に誘う、シドニーにマフラーをプレゼントする、などの場面はほのぼのするけれど切ない。
チャールズとの場面も含め、クリスマスの場面はどれも好き。
芳雄くんが、入れ替わった浦井くんの口真似をするのね
似ています
芳雄くんの「家族の絆を与えてもらった」の台詞にうるっと。
濱田めぐみさん(マダム・ドファルジュ)、今井清隆さん(Dr.マネット)、岡幸二郎さん(サン・テヴレモンド公爵)の歌がすごい
岡さんは傲慢さが板についています。(←もちろん褒めてます)
どんなときも真っ直ぐな姿勢が崩れなくて、さすが公爵。
殺されるときには鬘をとっていますが、ひろがる黒髪がゴージャス
今井さんの父親としての台詞は、温かく切ない。
コゼットを思うバルジャンを思い出してしまいました。
二幕の最初のフランス革命を語る場面は、人形劇を取り入れたりしているけれど、生々しくて…
最後も何もリアルにギロチンの場面まで持っていかなくても、とは思いますが、星の中でシドニーに想いを語らせて、終わりたかったのでしょうか?
(後味が悪かった『MA』を思い出してしまいました。)
そんな中で、シドニーとお針子さんとのやり取りが、唯一救われます。
と同時に、革命が革命でなくなっている、ということもわからせてくれます。
シドニーの死によってマネット一家は救われるけれども、マダム・ドファルジュの死も忘れてはならない。
誰も幸せにならない物語。
せめて、シドニーの想いが繋がれていきますように。
小さなルーシー(チャールズとルーシーの娘)が、シドニーの温もりをずっと覚えていますように。(父の身代わりでシドニーが亡くなったということは、暫くは伏せられるのでしょう。)
カーテンコールの最後は、芳雄くんと浦井くんがふたりで出てくるようになったのですね
1回目、浦井くんがバットを構えヒットを打ったパフォーマンス。そのまま一塁方向(下手袖)に走り、にこにこと追いかける芳雄くん
2回目、舞台中央まで出てきたものの、芳雄くんにおぶさってニコニコ手を振りながら捌けていく浦井くん
やりたい放題の浦井くんと、見守る座長な芳雄くん。
(因みに、某アメブロで期間限定で“StarS”がブログをUPしていますが、これがかなり楽しいことになっています)
西野淳さんの指揮は、間近で拝見すると、思っていたよりアクションが大きい。
指揮台にほんとうに、Dragonsグッズを置いて指揮しているのですね
さすが愛知県人