Silver linings

カリフォルニアで子育てとか仕事とか。

近況のまとめ&リフレクション

2011-07-02 23:05:37 | エクスプロラトリアム
最近の日々をリフレクションしようと思う。時間があるっていいなぁ、ゆっくりブログ書けるのうれしい。

■充実しているアメリカの Summer Camp プログラム
夏の間はミュージアムではフロアスタッフの仕事がないのです。
私が採用されたグループが担当する仕事は主に、学校からフィールドトリップ(遠足)で訪れる子ども達を案内する仕事なので、公立の学校が夏休みに入ると自動的に私たちの仕事もなくなり、夏の間(3ヶ月間)仕事なし、とされるのです。

きびしい現実。。

そんなわけで、フロアスタッフをしている16人の仲間達、みんな春頃から必死で夏の間の仕事を探します。ある者は映像制作の仕事をしたり、またある者はフランスへアメリカの子どもを引率するキャンプリーダーの仕事、ある者はダンスキャンプの仕事、夏の間は仕事しないで大学院に集中する、という人もいます。


(夏めく!サンフランシスコ!)

アメリカでは夏の間、Summer Camp のプログラムがとても充実していて、それに伴い雇用も生まれます。キャンプといっても、テントを張って山へ行くというようなものでなくて、「おけいこごと」の集中学習期間のようなもの。それこそ、いろんな種類のキャンプがあります。テニス、乗馬、ミュージカル、マジック、サイエンス、ヨガ、アウトドア、語学、バスケット、バレーボール、サッカー、映画づくり、ピアノ、バイオリン、木工、陶芸、いろいろ、いろいろ。期間も数日のものから、1ヶ月のものまで(泊まりのものから1日ごとの日帰りのものまで)。

アメリカのこども達は、夏の間それに参加することで、他の学校やエリアからきたこども達と友情を育んだり、いわゆる「学校」とは違った環境と時間枠の中で、様々なことを体験します。例えばテニスのキャンプに参加する子はその間テニスづけの日々を送りながら、学校では学べないことを深く深く追求したり、仲間を増やしたり、特別なスキルを身につけたりするのです。いわば、夏のあいだの成長の場。

■エクスプロラトリアムの Summer Camp プログラム

そう、もちろんエクスプロラトリアムでも Summer Campプログラムがあります。1セッションが2週間。エクスプロラトリアムをフルに使用し、サイエンスやアートについて毎日さまざまなことを探求するインテンシブなプログラムです。その2週間が4回くり返されます。

フロアスタッフの仕事がミュージアムでいちばんエントリーな仕事だとしたら、ステップアップのために次に獲得しなければならないのはこのキャンプの仕事です。なので、4月頃にそのキャンプスタッフの仕事に応募しました。でもこれもまた人気のあるポジションで、いまミュージアムにいる若手メンバーがこぞって応募するのではじめは落とされました(涙)。しかしその後、ちょっとした人員移動があり(つまり受かってた人がよそへ引っ越すことになりボジションがあいた)、な・ん・と・か滑り込みセーフでサマーキャンプの仕事をゲットしました。

その仕事が、6月半ばから始まっています。
(また、一度は Summer Camp の仕事に落ちたと思ったのでその間に、マイク達のグループで働かせてもらえないかと交渉をしたこともあり、マイク達のグループでも夏の間だけ働いています。)

■3つの仕事が重なった6月
だから、6月の間は3つの仕事が平行して進行していました。
1) 日本人学校の夏期講習
 →中1数学を2週間インテンシブに講習

2) エクスプロラトリアムのサマーキャンプ
 →サイエンス・アート系のワークショップを考え実践する

3) エクスプロラトリアムのラーニングスタジオ(マイク達のグループ)
 →倉庫の整理整頓、これまで行ってきたアクティビティのDeep Dive!

正直、1)の仕事は自分にとってまったく未知な仕事。
中学生に数学を教えた経験って、、、大学時代の家庭教師ぐらいです。日本人学校なので、もちろん日本式に、日本語で数学を教えるのですが、生徒達は生粋の日本人というわけではなく、ハーフだったりこちらで生まれ育ったせいで日本語がよく理解できていないこともあります。うちにいる数学の大先生フィリップに(笑)教え方を教わりながら、ほんと毎日寝る時間なくて大変だったけれどなんとか夏期講習が終了。

2)と3)の仕事の一部は、お互い重なり合う部分が多いのですが、部門はまったく別の管轄になります。似たようなことしてるんだけど、別部門なのね。でも例えばアクティビティを考える、なんてことは今までたくさんやってきているので自分のなかにもストックがあるのでやりやすいし、両方に適用できることがたくさんある。

3)のアクティビティのDeep Diveというのは、このグループならではのやり方で、今自分たちが持っているワークショップのネタをもっと飛躍させるために、夏はじーっくりふりかえり深く研究する期間としてとっているのです。だからメンバーひとりひとり全員がやる仕事。

けれど、3)のマイク達のグループで新しい仕事を創出したいと思っている自分にとっては「他の人がやらない仕事」をするというのが重要なのでした。なので、はっきり言って、3)の「倉庫の整理整頓」の仕事が自分としてはいちばん力を入れたい仕事なのでした(笑)。倉庫のオーガナイズって軽く見られがちだし後回しにされる仕事だけど、管理しているモノや素材の数が1000を超え、倉庫の数も3つも4つもまたがる場合、これは立派な仕事になると思います。今そこに人が割かれていないことのほうが、私にとってはおどろきです。


(倉庫Aから倉庫Bへモノを移動させる風景。台車に荷物つんで、引っ越しみたいなの)

そんなわけで、6月はてんてこ舞いだった。
さいわい、学校もミュージアムも同じサンフランシスコ市内。車のない私はフィリップから車を借り、双方を行き来していました(その間フィリップは友達とカープールで通勤、ありがとう!)。数学をどっぷり準備しながら、ミュージアムでのワークショップを考え、いかにクリエイティブに整理整頓するかという方法に頭を悩ませ、倉庫で肉体労働をし、1000以上のダンボール箱と奮闘した。

そんな6月だったの。
つかれたよ。


ある日の帰り道。ピンク色に染まった空をバックにエクスプロラトリアム。

■そして、7月!
でももう7月だね。
とりあえず学校の仕事がない分、時間をフルにミュージアムに使えることがうれしい。学校とかけ持ちしていた間、4時に学校が終わってからミュージアムに行くことが何回かあったのだけど、自分がどれだけミュージアムが好きかということを再確認した日々でもありました。



一歩入るとまったく違う学びの風景がひろがっている。
フロアにてんでバラバラに設置された大きなインタラクティブな展示装置を前に、大人もこどもも、目の前の科学現象に目を見張り「見てみて!」と興奮してたり「なんでだろう」とじっと考えていたりする。

決まった順路がないのも、説明が大まかなのも、「教えるため」につくられたミュージアムじゃないからなんだよね。ここで見たことが心にささって、自分で「もう少し知りたい」と思うようになること。自分で不思議に思って考えつづけること。たぶん、エクスプロラトリアムが提供しているのははじめの刺激の部分。学びのきっかけ、というか、心をゆさぶるインスピレーション。

教えるためのミュージアムでなく、考えるためのミュージアム。
ガチガチの指導にしばられた学校から、夕方、ここにくるとほっとするのでした。でも学校で授業をするときも、なるべく教えないようにしたいというのが私のモットーです。だけど教室という空間にいるとなぜか「教えてもらいたがり」なこども達を前に(「それは習っていません」といってくる子が必ずいるの)、今まで学んできたことのなかにリソースがあって、あの知識とこの知識を組み合わせれば目の前の問題が解けるよ!ということを気づかせるのはとてもむずかしいことです。

でもあきらめない、、、よ!
しばらくは学校もないのでミュージアム漬けの日々になります。知識どうのこうのよりも、活用する力、こども達が自分で考える力をはぐくむヒント、がこのミュージアムの中にたくさんあります。まずは自分がそれ楽しんでやらないとね。

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