Silver linings

カリフォルニアで子育てとか仕事とか。

フロアスタッフを卒業!

2012-10-14 08:45:04 | エクスプロラトリアム
金曜日がフロアスタッフとしての最後の勤務日でした。

エクスプロラトリアムには2種類のフロアスタッフがいて、私が所属していたのは遠足で訪れるこども達のグループをまとめ、館内の展示を説明したり、デモをしたり、アクティビティを一緒にやりながらこども達によりよいミュージアム体験を提供することが主目的のグループ(もう1種類は高校生で構成される大グループ、放課後にミュージアムのフロアを巡回してくれるアルバイト学生です)。


(イェイ!)

フロアスタッフの仕事は週に20~28時間の勤務で、フルタイムで働いている人と同様に社会保険も給付されていました。ただ、契約は1年ごとの更新制で、任期は3年がマックス。この「任期は3年がマックス」ということから分かるように、フロアスタッフの仕事は多くの人にとってキャリアにおける通過点のようなもの。

私はちょうど、フロアスタッフになって1年半が過ぎたところでした。
この1年半で学んだことはとても意味があったと思うので、これを機にどんなことが自分にとってプラスだったのか記しておこうと思います。

1)英語でガイダンス/オリエンテーションを行うための訓練になった!
留学時代に、英語でクラスルームティーチングを行う経験はあったものの、ミュージアムのようなガヤガヤとした場所で英語でこども達のグループを先導したりデモンストレーションをする経験が私にはなかったので、毎日仕事としてそれをさせられることがすごくいい訓練になりました。


(ミュージアムに到着したこども達はたいてい浮き浮きソワソワしていて、落ち着きがありません。
そんな子たちを前にどうやって全員を注目させ、話を聞かせるか。最初はみんな苦労します。)

2)英語でファシリテーションを行うための訓練になった!
エクスプロラトリアムには優れたファシリテーターがたくさんいます。またそのためのトーレニングも頻繁に行われます。ファシリテーションには、こども達のアタマの中のモヤモヤとした疑問を刺激し、育て、発見につなげるための良質な質問というものが絶対に存在します。良質な訓練を受け、先達者からワザを盗み(!)、毎日のようにこども達を前にしてファシリテーションを行い、ミーティングで仲間と話し合い、自分たちの実践をふりかえることはこの上ない学びの機会でした。


(The right question at the right time. と私たちは呼んでいますが、適切な問いかけを適切なタイミングで行えるようになるには訓練が必要。)

3)ミュージアム内の様々な人達とのつながりができた!
エクスプロラトリアムに働く人はパートも含め500人以上います。正直スタッフバッジをつけていても「あの人何してる人?」「どこの部門?」なんて疑問は日常的に起こります。でも、フロアスタッフはミュージアムのすべての部門のフロントラインとして働くため、生物、物理、アート、心理学、メディア、工房、などそれぞれの部門の中の人とも関係を築くことができました。そしてそのことはミュージアム全体を理解する助けとなりました。


(毎週木曜日はエクスプロラトリアムの名物教師、ポールによる研修、その他の日も他の部門からアーティスト、サイエンティストがレクチャーをしに来てくれました)

4)様々なバックグラウンドの仲間と知り合えた!
一緒に働いていたチームメイト達(全部で15人)は 20~30代で構成される若者達。彫刻アーティスト、元高校の理科教員、市内の劇場で芝居をする役者、物理学やコンピュータサイエンスの大学院生、写真家、ピースボートでアフリカから帰ってきたばかりの人、TESL(英語教育)の修士号をとったばかりの人、アフタースクールプログラムで教員をしている人、、、。この多様なメンバーで展示のスタディをしたり、ファシリテーショントレーニングをするものだから、意見もリアクションも様々。お互いがお互いにないものを見て学び、刺激しあう、そういう集団でした。



5)フロアの展示物にとても詳しくなった!
エクスプロラトリアムのフロアをフィールドとして仕事をするので、当然フロアの展示には詳しくなります。勤務中に展示物をいじくりまわして、遊んで、ビジターの人も巻き込んで、、、なんてことがしょっちゅうです。

大好きな展示の1つ。同僚ニコルがつくった Strob-O-scope!


そして、自らワークショップを考えていくうえでの様々なインスピレーションをもらいました。


自分で自分をパチリ。


毎日、ここが自分の仕事場でした。

様々な経験を積むことができたフロアスタッフ。
これで卒業です。

着ていたオレンジのベスト(ユニフォーム)を返却し、使っていたロッカーを空にし、毎朝館内のブレーカーをONにするための鍵(これも仕事の1つだった)を返却。代わりに、新しいオフィスの鍵を受け取りました。

もう、ユニフォームを着ることもないんだなぁと思うと感慨深いものがあります。もう、こども達を前に大声をはりあげて Welcome to the Exploratorium! なんて挨拶することもない。もう、フロアで牛の目を解剖することもない。もう、電球を爆発させたり、手品をしてみせたり、植物を解剖することもない。仲間と離れることはさみしいけれど、これからも同じ屋根の下で働く身。門出を祝福し、快く送り出してくれたみんなにありがとう、です。

さぁ、これからは、新しい仕事。
今までよりも、少し責任のある仕事をしながら、それでも今までと変わらぬ好奇心とワクワクで取り組んでいきたいと思います。



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