Silver linings

カリフォルニアで子育てとか仕事とか。

新しい1週間

2012-04-30 08:01:59 | 日常

さぁ~、今週もがんばろう!
週末、Russian River までドライブしたときの途中の風景。

日本はゴールデンウィークなのかぁ。
こちらはまったくそんな空気はないけど、新緑がきれいな季節です。

発酵食品は奥深し

2012-04-29 16:19:49 | エクスプロラトリアム
スタディグループも無事に終わりました!
うつくしいなぁ、、、ぬか漬けです。サンフランシスコの Japan Town にある日系のスーパーマーケット Nijiya でぬか漬けの素を買い、ひさしぶりにぬか漬けをしてみました。あぁ、アメリカでぬか漬けがこんなに簡単にできるなんて。



今回、発酵食品についていろいろと調べ、私の食品を見る目がガラリと変わりました。何より、「生きている」食べ物を口にするということ。つまり、生きている微生物がそのまま体内に入り、私の手の届かないところで立派に仕事をしてくれる、そのことを改めて「すごいことだなぁ」と思ったのです。

1週間前の私は、、、
イースト菌が何であるかも、知らなかったよ?
乳酸菌がどこにいるのかも、分かってなかったよ?
「発酵する」ということのしくみも、ぜんぜん考えたことがなかったよ!
それに、チョコレートが発酵食品だなんて、、、まったく思っても見なかった!

でも、今は違います。
納豆=ぬか漬け=チョコレート=お酢=ザワークラウト=パン、などの発酵食品の基本的な「共通項」を理解しました。

発酵とは、イースト菌や乳酸菌などの微生物が糖分やタンパク質などを分解し、酸や二酸化炭素、アルコールをつくりだす過程のこと。わかりやすくいうと、微生物(イーストや乳酸菌)が甘いものを食べ、その代わりに酸っぱいものを放出するんですよ~、、、みたいな、笑。だから、微生物と糖分が必須条件なのね。


そう、この子たちが糖分を食べて酸をつくりだしてくれるのです。
Life Sciences Lab の顕微鏡で見たイースト菌。となりは乳酸菌。

私は、例えばザワークラウトやぬか漬けをつくるときに、どこにこういう微生物がいるのか考えたことがありませんでした。でも微生物(乳酸菌)はふつうに野菜の表面に住んでいたのね。だから、ザワークラウトの原材料はキャベツと塩だけ。ぬか漬けも同じ原理で、必要なのは野菜と塩分(つまり米ぬか)。なぜ塩かというと、塩分が野菜の中にある糖分を外に引き出し、微生物と糖分を出会わせるためです。あの酸味は微生物がちゃんと仕事をしてくれたおかげ。

それに、サンフランシスコ発祥の Sourdough(サワードウ、地元名産の酸っぱいパンです)は、空気中にふつうにいるイースト菌をつかってつくられているということも知らなかった。天然酵母は英語で wild yeast(野生のイースト)といい、イースト菌は手の中、台所、空気中にたくさんいる。だから極端な話、塩、水、小麦粉と、人の手、そして時間。それだけでサワードウができる。

スタディグループの当日は発酵食品をできるだけたくさん用意しテーブルの上に並べ、参加してくれた人達に味見をしてもらった上でこれはイースト菌?乳酸菌?というグループ分けをしてもらうなどのクイズもしました。



用意したのは、パン、ビール、ワイン、チーズ、ヨーグルト、みそ、ぬか漬け、納豆、キムチ、チョコレート、Kombcha、ザワークラウト、醤油。そして、プレゼンテーションのスライドは prezi でつくりました。(今まではプレゼンというと Keynote(Powerpointのようなもの) でつくってばかりでしたが、フロアスタッフのグループでプレゼンテーションというとだいたい prezi か、最近だと iPad上でスケッチブックのようにプレゼンできるpaper が人気。)

こちらの人は「植物性乳酸菌」と「動物性乳酸菌」という区別がまったくないですね。ヨーグルトやチーズの乳酸菌もぬか漬けの乳酸菌もぜんぶ一緒の乳酸菌だと思っている。植物性乳酸菌とは、ぬか漬け、みそ、ザワークラウトなど、植物や野菜にいる乳酸菌を利用して生成された乳酸で、とっても強い。生きて腸まで届くのです。、、、なんていうと、こちらの人は、あぁ、probiotics(プロバイオディクス)ね、それならヨーグルトにもいると言うのですが、うーん、なんだか私的には野菜にいてブドウ糖やショ糖、果糖などを分解して育つ乳酸菌と、乳製品にいて乳糖だけ食べて育った乳酸菌は違う気がするんだけどなぁ。

でも風邪をひいた時は抗生物質(antibiotics)を飲み、腸内にいるウィルスやバクテリアを殺そうとしますよね(いいのか悪いのかは賛否両論だけど)。そして殺してしまった善玉菌や微生物を補う目的で、ヨーグルトを食べる、というのはよく知られているしなぁ。

うーーーむ、発酵食品そして微生物。奥は深し。

とりあえず、ぬか漬けは好評でした。納豆は匂いがダメだけど味はいいねという人がたくさん。健康志向な人が多いので、納豆のことを知っている人もいました。私は今回の勉強をもとに、とりあえずぬか漬けと納豆をきちんと食べ続けよう!と思いました。今回、日本の友達に教えてもらった塩麹のことも、もっと調べてみたいと思ってます。

探求はまだまだ続く。

今週はスタディグループ

2012-04-24 20:14:39 | エクスプロラトリアム
風邪は治りつつあります。月曜は代休、火曜の今日は様子をみて休みをとりました。寝て、食べて、薬飲んで、寝て、、、のくり返しでした。

さて、今週はスタディグループの週です。スタディグループはフロアスタッフの仕事の一部。2人ペアでサイエンスに関するトピックを選び、それについて調べ、エクスプロラトリウムのフロアを使って1時間のプレゼンテーションやミニアクティビティを行うというもの。順番が数ヶ月に1回まわってくるのですが、今週が私の番。今まで物理や哲学などやってきたので、今度は生物学からトピックを探すことに。それも一番感心のある食べ物から。

そして決めたのが「発酵食品を科学する」というテーマ。

さー、期限は金曜までです(しかも今日休んでるから1日損してる)。考えてみれば、お味噌、お醤油、納豆、ぬか漬け、、、日本人は発酵食品を昔から食べてきたのよね。おとなりの韓国のキムチや、ドイツのザワークラウトも。そしてアメリカ人に身近なのはパン、ビール、ワイン。同僚とメールでアイデアを話し合っていたら、相手の子が「これにフォーカスしたい!」といってあげてきたのが、Kombucha. これ、多くの同僚をはじめ、健康に関心の高い人達の間ではやっている飲み物です。



見たことありますかね?

これここ数年アメリカでかなり人気のドリンクなんです。健康オタクの人から広まり、今ではふつうの人もけっこう日常的に飲んでいます。紅茶をベースにした発酵飲料です。酢酸菌と酵母菌からなるゲル状の培養基が発酵し、酵素、プロバイオティック、アミノ酸、抗酸化物質やポリフェノールなどをつくりだします。消化促進作用、血液の浄化促進のデトックス作用、免疫機能を高め体内のバランスを整える作用があるのだそう。

といっても新しいドリンクではなく、実はもう2000年も前から飲まれ続けているものなんですね。古くは、ロシア、シベリア、ドイツ、中国などで。日本では昔「紅茶キノコ」という名前でちょっと流行ったことがあるそうです(※どこをどうまちがえてコンブ茶 Kombucha、という名前になったのかは謎。日本語の「酵母(こうぼ)」と「昆布(こんぶ)」とを間違えて翻訳された可能性が高いらしいです)。

ボトルで買うと、なかにそのゲル状のゼリーのような培養基が残っていたりして、けっこう私は「おえっ!」としてしまいがち。でもまさに、生きた飲み物。消化促進は実感できます。

さぁ、なにか新しい学びがあるでしょうか。
どうやってプレゼンテーションしましょう。
こんなふうに、まったく未知のことに取り組み、1週間でさくっとプレゼンに仕上げる過程で、自分自身いろんなことを学んでいるなぁと思います。

日本の発酵食品にも光をあてて、みんなに紹介できたらよいな。
がんばろうー。

終わったー!そして風邪をひく。

2012-04-23 15:00:21 | エクスプロラトリアム
イベントは無事に終了。

今月はエクスプロラトリムでのテーマが「ゴミ」。ゴミでつくれる water craft と題して、簡単にいえばボートづくりのようなワークショップをしました。



想定年齢は10歳以上としていたのだけれど、小さい子がわんさかきてしまって困りましたが、小さい子は小さい子なりになにかしら水に浮かぶ物をつくって楽しんでいたようです。ちょうどイースターが終わったばかりなので、カラフルなイースターのエッグシェルもこちらでは「ゴミ」です。



輪ゴムで回転するモーターをつくってボートを進める子、風船の力でボートを進める子、水を流し込んで水力でボートを進める子など、たくさんのクリエイティブな作品ができました。アーティスティックだったかどうかはさておき・・・。



は~、どっとつかれました。
イベントが終わった夜、エクスプロラトリムの向かいにあるビーチで仲間とビールで乾杯。暗くなるまでおしゃべりをしていました。



ビーチがきっと寒かったのでしょう(その時はハイテンションであまり寒さを感じなかったのだけど)。翌日の日曜日、高熱を出してダウン。外がすごくいい天気で遊びにいきたかったのに、一日じゅう家で寝ていました。月曜も代休だったのでトータルで30時間近く寝たかも。

こんなに眠れる自分におどろき。

ポールさん

2012-04-20 00:03:06 | エクスプロラトリアム
イギリスから来ているオートマタ(からくり人形、からくりおもちゃ)の巨匠、ポール・スプーナーさんに会えました。巨匠のノートブックは、テキストブックのようで、イラストが独特で、手書きの文字もとても味があって、時々日常的なメモがしてあったり、出会った人の名前を忘れないようにと私や同僚の名前が書いてあったり、、、とにかくすべての意味で芸術的で思わず写真を撮らせてもらいました。



こんなノートいつになったら書けるようになるのかな。私のノートと大違い!ポールはこれから1週間 Artist in residenceとして、私たちのグループに滞在します。どんな作品を制作されるのでしょう。

夜はグループのみんなでポールを飲みに連れ出し、ノースビーチの Specs というバーで丸いテーブルを6人で囲んで楽しいひと時を過ごしました。週の真ん中水曜日の夜、しかもこの週末に一大イベントが控えているという時に出かけるのはためらわれたのだけど、出かけてよかった!

今年も無事に桜をみました

2012-04-16 23:51:15 | 日常
ゆっくりお花見することもなく、桜の季節がかけあしで通り過ぎていきます。
今年もちゃんと桜みてるよ、ということを伝えたくて、それだけのブログです(って、ここで終わろうとしたんだけど、せっかくだから日記にする。)



今日はフロアに展示している Cabinet of Curiosities(不思議な棚)の中身を入れ替える作業でほぼ1日つぶれました。水のアクティビティ企画のほうはあまり進まず。でも、1000リットルの水を入れるコンテナのメドがたった!巨大バスタブを手に入れたのです。あぁ、気持ちがすこしラクに・・・。でもイベントが今週末なので、バタバタバタバタ落ち着かない。

それと、イベントの準備に奔走してるなかでも楽しみにしてること。
あさって水曜日にイギリスからやってくるオートマタ(からくりおもちゃ)の大師匠に会えるのです。1月に針金を使ったワイヤーオートマタのワークショップを開催して以来、オートマタづくりの魅力にはまり中。このタイミングでこの方に会えることはかなり幸運。ドキドキ!

無事に会えたらまた感想を書きます。




だいじょうぶそう。

2012-04-15 10:51:35 | エクスプロラトリアム
ボスから与えられた試練はおおかた乗り越えつつある。何だったかというと、単純に言うと月一の大きなイベントで行うための新しいアクティビティを考えてほしい、というもの。ただそれが条件つきで、
1) Sink or Float?(浮くか沈むか?)というアメリカではわりと定番なサイエンスアクティビティをもとにすること。
2) テーマはゴミ(trash)とする。
3) 単なるサイエンスアクティビティにとどまらぬこと。

Sink or Float? ということは、「屋内でできる水を使ったアクティビティ」ということ。水を使ったワークショップはただでさえ手間がかかる。。去年エクスプロラトリアムの Summer Camp でこの Sink or Float?というワークショップをやらせてもらったけれど、そのときはサイエンスキャンプだったので浮力や体積といった文脈で純粋に「サイエンスアクティビティ」として実施した。でも今回は 3) のように、サイエンスの枠を超えてもっとクリエイティブな文脈でいく。


第一なにに水を入れる?プール?透明コンテナー?バスタブ??水槽?大きさは???というところから考えはじめ、容器や大きさを決めるのと調達するのと同時進行で活動の中身も考える。どんな活動にする?今月はテーマが "Trash" だから当然たくさんのリサイクル用品やゴミが素材として浮かぶ。それでもアイデアまだまだ中途ハンパで煮詰まらない。なのに、エクスプロラトリアムのスピリットとして、とにかく考えたアイデアをフロアですぐに試せ、ということに。試して、試して、試すのだ。


こどもって、水をみるとほとんどの子がボートをつくるのね(それはワークショップのねらいじゃないんだけどなぁ)。一番のネックは、Sink or Float?というものすごくクローズドな活動(つまり答えが1つしかないような活動)をどうオープンに tinkerable に仕上げていくのかというところ。それは今も思案中。それでも、海賊の旗をマスキングテープでつくったこの女の子の笑顔に救われた。

だいじょうぶ、だいじょうぶ。なんとかなる。責任者は私だけど仲間も助けてくれている。前に「10年のスパンで考える」で書いたように、一気にこの活動を仕上げなくていい。長~い目でみて。いつかラーニングスタジオに常設の「水場」が設置されてこども達が常にそこで何らかのクリエイティブな活動ができるようにするために、今の私の試みは小さな小さな一歩。

How can I do it?

2012-04-05 21:46:26 | エクスプロラトリアム
「試練を与えたのは分かっているわ。でもね、わざと、あなたに、と思って与えているのよ。」
今日ボスのひとりにこんなこと言われた。
ギクー、、、何それ、テストされてるみたいやん。

確かにいま仕事で試練を迎えていて、それがこのところの悩みの種。ボスにそんなこと言われたら、なおさら。この試練にスパッと爽快なほどのソリューションでお返しできたらどんなに気持ちよいだろうかと思う。なのに今は気持ちもへっぴり腰で「これ、できなかったらどうしよう・・・」という不安のほうが大きい。

あぁこんなときいつも思い出す。

困難にぶちあたったときは、
Can I do it?(できるのか?)じゃなくて、
前に HOW をつけて、
How can I do it?(どうしたらできるだろうか?)
というマインドセットでなければいけないはずなのに。

そうだ、この how(どうしたら?)の部分をもっとねっちり考えないと!
不安がってる場合じゃないね。

We have a 'strategic' plan. It's called doing things.

リフレッシュ!

2012-04-02 21:51:29 | 日常
Point Reyes から戻りました!
仲間とハイキングして、ぬかるみの道を抜けたところにひろがっていた海です。
それは、春の海でした。

私にとっての太平洋。
とてもとても、美しくて、情緒的で、
この後しばらくこの砂浜で過ごしました。


気がつけばもう4月。
風の中に、外の明るさに、人々の陽気さに、ショーウィンドウの色づかいに、アイスクリームショップの行列に、春を感じます。Point Reyes での山道ハイキングで出会った新緑の芽吹きたち。確かに元気をもらったよ。

明日からもがんばろう。
そう思える日々の愛おしいこと。