毎年のことながら、ハリエンジュの花を見ると思ふのは、
この樹につけられてしまった”ニセアカシヤ”といふ悲しい名前です。
植物には、例へばイヌツゲ、オオイヌノフグリ、ヘクソカズラ、ドクダミ等々の
あまり芳しくない名前がついたものも沢山ありますが、
”ニセアカシヤ”は、やはり、余りに切ない名前です。
少し調べて見ると、明治の頃に外国から先に入ってきたハリエンジュをアカシヤと思ひ、
後に遅れて入ってきたアカシヤ(いはゆるミモザ)に遠慮してニセの冠がついてしまった、とか。
「エンジュ」といふ店を営んでゐる知人がゐますが、そこまで読んで名前をつけたのなら
何と聡明な方でせうか!
とまれ、ハリエンジュのもつ生命力は、いはれのない名称への怒りのやうに、
川岸を駆逐しながら増殖してゆきます。
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