やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

至福

2016-06-03 | やまがた抄
休みの日は用事がたまってゐてとても忙しく、まあ、歳のせゐもありますが、早く起きてしまひ、早々に畑にでる。

曇天だったせゐか、さほど水やりは必要なく、ゆっくりと苗の世話をする。
まもなく隣りの方が来られたのか、いつものやうにハウスの中からラヂオの番組が聞こへ出す。

アナウンサーの”ではー”といふ声に次いで、チャック・マンジョーネのFeel so good が流れてきた。
まさしく、とても気持ちのよい朝になってゐた。


以前はよく、それが日曜日の朝ですと、吉田秀和さんのすこしシハガレタ声が流れてゐた。
彼が亡くなって何年になるだらう。

音楽評論家として特段に好きといふ訳ではないのですが、オシャレを地でゆくやうな風貌とその語り口、壮大な知識にはいつも感心させられ、特に美術へのアプローチはとても鋭かった。

いつだったか、畑と作業する小生の上に、彼の紹介でブルノ・ヴァルターのモーツァルトが流れてきた時がありました。
おそらく今頃だったやうな、季節も澄み、地から生命があふれはじめた頃でした。

モーツァルト 交響曲 第40番 ト短調 K 550 ワルター/コロンビア響 Symphony No. 40 (Mozart)


名演といはれた録音ですが、今はあるひは、骨董品のやうな演奏かもしれず、ヴァルターのために用意されたといふ寄せ集めのオーケストラの音は荒く、でも独特の節回しのヴァルターのモーツァルトは、やはりとても美しく、まさしく至福の時間が出現した時でした。