やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

Schubert: Symphony IX (C), op. (944) 'Great'

2012-09-03 | 音楽を
ギュンター・ヴァントの動画で、シューベルトを聴く。

手兵だった北ドイツ放送交響楽団による、1995年のライヴの模様。DVDのものらしい。

Schubert: Symphony VIII (h) 'Unfinished' (NDR Symphony orchestra, G�・nter Wand, 20.08.1995)


Schubert: Symphony IX (C), op. (944) 'Great' (NDR Symphony orchestra, G�・nter Wand, 20.08.1995)


圧倒的な名演でした。こんなに素晴らしいシューベルトを聴いたのも久しぶりです。

正直、小生は彼のよきファンではなく、棚にあるのは、ベートーヴェンの全集、ブラームスの二組の全集、そして18番のブルックナーの幾つか、あとはモーツァルトとシューベルトがすこしくらゐー。

ブラームスは、その骨格のはっきりしてゐる演奏に、嫌ひではないけれど、ウ~ム、でも…といふ感想で、積極的に再聴はしないほどでした。

けれど、このシューベルト!

今どき、有名曲を2曲(『未完成』と『グレイト』)だけ並べるプログラムなんて、よほど自信がなければできないはずですが、そんな危惧は遥かに吹き飛ばし、シューベルトの柔と剛をものの見事に演じきる。

特に素晴らしいのは、『未完成』。
未完にならざるを得なかった8番(正式には、今は7番ですがー)の交響曲へ寄せたシューベルトの交響曲作曲家としての大いなる気概と空回りが、とても真摯な演奏で蘇る。

まさに、ラスト・マエストロの名に相応しい見事な指揮ぶりと、その老指揮者に全幅の信頼を見せる楽員の演奏ー。おそらく、名人芸的な演奏は極力抑へられ、マスとしての演奏にその全力を注がれた演奏会に、会場の、仕合せな聴衆は、限りない拍手を送ってゐます。