昨年9月にプリンスのアルバム「HITNRUN PHASE ONE」がリリースされたその
三か月後に「PHASE TWO」がリリースされるというアナウンスがあった。過去に
3枚組とか2枚同時とかのリリースがあったことから、それだけなら何の驚きも無い
のだが、当初は配信発売のみでCDリリースは後日というアナウンスもあったために
いつフィジカルでリリースされるのか、ということは気になっていた。
一応CDはリリースされたのだが、どうも一般的に流通していないようで何故そのような
事態になっているのか理解に苦しむ。形だけ苦しんでみた(笑)ものの、この盤は
往年のプリンス好きを満足させる内容であり、事実私は手にしてからもう何度も
聴いている。
アルバム内容は純粋な新曲ばかりではなく、11年から13年にかけて配信或いは
フィシカルでリリースした曲も収録され、それらが違和感なくまとまっているのが
素晴らしい。何より「PHASE ONE」では過剰に思えた音作りの曲が此処には無く、
メロディー・ラインのしっかりしたミディアムが多いのが嬉しい。
「PHASE ONE」の冒頭に配された『MILLION $SHOW』のイントロで過去曲を
繋いで驚かせてくれたが今回も『STARE』の曲中にあの名曲『KISS』他のフレーズが
入っているのが面白い。アルバム冒頭の『BALTIMORE』のテーマは重いが徒に
攻撃的になるのではなくじっくり聴かせるし、続く既発曲『ROCKNROLL LOVEAFFAIR』
への流れも良い。アルバムの最後がファルセット炸裂のバラッド、そして強烈な
ファンクというのもよくできた構成だ。
ここ数年のアルバムの中では一番気に入った盤であるが、返す返すも未だにCDが
一般的に流通していないのが本当に勿体ない。
「PHASE ONE」といい、「TWO」といい、はたまた14年の「ART OFFICIAL AGE」
といい、ジャケットのセンスはちと疑問だ。実際にプリンスがこういったサングラスを
かけているのは結構なのだが、これを絵で描く或いは記号化すると何だか不気味だ。
怪奇蜘蛛男・・・を連想する私が悪いのだろうな、きっと。
>この盤は往年のプリンス好きを満足させる内容であり
往年のファンとして気になるのは、80年代の彼の音の主要な要素と思われる、
「ポコンポコン」ドラムスは健在なのかどうかです。
アポロニアやタイムズでは顕著だっただけに、この音には愛着があります。
メンバーチェンジが何度かあったレヴォリューションですがドラムスだけは変わっていません。『DELIRIOUS』『LET'S GO CRAZY』『RASPBERRY BERET』みたいな
音のドラムを指すのでしょうか。確かにあの音は特徴的でした。
今回はもっと滑らかな感じです。
アポロニア6とか、ジル・ジョーンズ、再発してほしいです。(笑)