HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

LIFE IS THREE STREETS AND A VILLAGE GREEN

2015-08-17 00:04:29 | ROCK

今年7月の当ブログに書いた、『私が気になっている「今のバンド」の新譜』を
3連発でお届けするその第一弾。まずはストライプスの登場である。

13年にリリースされたファースト・アルバム「SNAPSHOT」はDVDが添付されて
いる日本盤CDを買ったのだが、CDに収録された曲は元より映像を見て即座に
彼らはドクター・フィールグッド直系のロック・バンドだと了解した。

ポール・ウェラーやロジャー・ダルトリーが絶賛する理由もわかるというもので
自作曲は先達の残した遺産を発展させて今に繋げる音であり、その歌詞も16歳の
若者が書いたとは思えない社会派な側面を持つ。

カバーの選曲も渋く数々のブルーズ・ナンバーに加えてニック・ロウの曲まで
取りあげている。一体、彼らはどこでそんな情報を仕入れてきたのだろう。

今年もらった年賀状の中に面白い一文が添えられているものがあった。
学生時代のバンド仲間で今は教師をしている男からの一枚であったが、そこには
こんなことが書いてあった。

「Strypesって知ってる?生徒に教えてもらったんだけどこんなハリーっぽいのが
今のUKにいるとは」

生徒と旬のロック・バンドの話が出来るというのは素敵なことだ。私が高校生の
時にそんな話が出来る先生はいなかった。彼に教えてもらっている生徒が羨ましい。
それにしても彼が私との思い出をそんなふうに美化して記憶してくれていると
いうのも何だか嬉しい。確かに当時の私は(自称)一本気なロックンローラー(笑)
だったのだ。(更に笑)

掲載写真はストライプスのニュー・アルバム「LITTLE VICTORYS」。前作より
メロディー・ラインに磨きがかかり、リズムのニュアンスはバリエーション豊かに
様々な曲調を演出する。アイルランド出身故の深刻な社会問題に触れた歌詞を
含め、前作で既に感じていたはずなのにまたしても「これでまだ10代か」と
感心してしまう。

前作と違い、強烈なオリジナル曲でアルバム本編は完了するのだが、日本盤には
MC5カバー『KICK OUT THE JAMS』が収録されている。オリジナルや数多ある
カバーに収録されている冒頭にがなられる有名な一節が省略されているのが
私には清々しくさえ思えた。

ストライプスはこの先も若者を魅了し続け、爺を感心させるアルバムを作るだろう。
その時には彼らにとって何の意味もない「10代」という文言は取り払われて
いるだろうけど。


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