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HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

CONCERTS FOR THE PEOPLE OF KAMPUCHEA

2012-09-29 19:25:31 | ROCK

        

1979年のザ・フーのコンサートと言えば、すぐに思い浮かぶことが二つある。
まずは、12月3日のシンシナティーで開場時に入場ゲートに詰めかけた観客が
将棋倒しになり11人が死亡した事件。そして、12月28日にハマースミス・オデオンで
行われたカンボジア難民救済コンサートである。

ザ・フーの初来日公演は04年7月24日の横浜でのロック・フェスへの出演だった。
ポール・ウェラーが演奏したその次に登場する日本人アクトに興味の無い多くの人たち
(私もそうでした)がスタジアムの外に出て休憩をし、日本人アクトが終了した頃に再入場
しようとした際になかなか中に入れず、ステージ上で大きな音がしたものだから「早く入れろ」と
怒号が飛び交い入場を焦る人たちが苛立ちはじめた。私はその時シンシナティーの
出来事が大袈裟ではなく脳裏に浮かんだのだが、流石にそんな事態にはならなかった。
当たり前か。(笑)

昨日取り上げたJ.ガイルズ・バンドのDVDと同時に購入したのが、掲載写真左のDVDで、
これはザ・フーがカンボジア難民救済コンサートで演奏した全曲をプロ・ショットで
捉えたもの。NHKのヤング・ミュージック・ショーで同コンサートが放映された時は3曲だけの
放送であった。近年はCSの音楽チャンネルで何度も放送されたので、見た方も多いだろう。
その完全版を見ることができるなんて全く知らなかった。

ケニー・ジョーンズ在籍時のザ・フーのライブというのは、私的にはあまり評価してはいない。
スタジオ録音は、当然ながら新曲を演奏するので当時の右肩下がりのバンドの勢いを
鑑みて「まあ、あんなもんだろう」と思えるのだが、ライブでは偉大な前任者のステージと
比べてしまうし、前任者の演奏スタイルを無理やり取り入れた感もあり、ケニーには
気の毒と言えば気の毒なのだが。ケニーの名誉のために書けば、彼のフェイセスでの
ドラムはバンドによくマッチしていたと思う。

コンサートの出来であるが、「流石はザ・フー」という側面と「う〜む。」と首をかしげる側面が
交互にあらわれる。まあ、たった3週間前に大惨事に遭遇したバンドの置かれた状況や
ピート・タウンゼンドが内面で受けたであろうダメージというのが演奏に出てしまったということも
あるだろうが。最重要曲である『WON'T GET FOOLED AGAIN』の後半でグダグダに
なるところにそれは如実に現れるし、79年独自のアレンジの『SUMMERTIME BLUES』の
すっきりしない感(笑)も、私には辛い。それでも、演奏しているのは他でもないザ・フー
である。叩きつけられる音の塊は正にロックである。

私が購入したDVDは曲によっては日本語訳が画面に登場する。モニター上でそれを消す
機能はないようだが、見ていて邪魔だなと感じることもあった。意訳部分を含めて解りやすい
解釈がされていて訳の内容は良かったのだが、これも何度か見るうちに慣れてくるのだろう。

今回のコンサートの最後で演奏される曲が『REAL ME』というのも驚きで、この曲で終わる
コンサートというのも珍しいのではないだろうか。掲載写真右は同79年12月8日シカゴでの
演奏をこれもプロ・ショットで捉えたDVD。両者を見れば79年という年は、他の年と違った
レパートリーが多く演奏されていることがよくわかる。

結果として私はクイーン(映像無しの音だけですが)とザ・フーのカンボジア難民救済コンサートの
全貌を知ることが出来たのだけど、いつの日かクラッシュやスペシャルズ、イアン・デューリーらの
完全版を知ることが出来る日がくることを期待して待ちたい。


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