昨日に引き続いてであるが、ジェリー・リー・ルイスという人についても私は熱心な
聴き手ではなかった。女性関係のスキャンダラスな側面まで含めて自身の若い時期の話を
89年に映画化した「GREAT BALLS OF FIRE !」はウィノナ・ライダー目当てに
見た(笑)というのが正直なところだったし。
ジェリーの持ち歌で有名な曲と言えば、どちらかというとアップテンポのハードな
曲が思い起こされるが、キース・リチャーズのブートレグで聴くことができた感傷的な
バラッド『SHE STILL COMES AROUND』の作者がジェリーだと知って興味は
急速に高まった。
掲載写真左はジェリーが58年に発表した自身の名前を冠したデビュー・アルバムを
オールデイズ・レコードがCD化したもの。例によってジャケットが少し改変されているが
オリジナル・アルバムの曲順で聴くことができる意義は大きい。この盤は6月に
別の会社がサン・レコードのオリジナル・アルバムを21タイトル紙ジャケ化する予定が
あるので、そちらを気に留めて購入するというのも手であるが、ボーナス・トラックが
無い(多分)のと値段がちょっと高いので、気になる方は懐との相談が必要かも。(笑)
いきなり、プレスリー・カバーでアルバムは始まるが、ジェリー自身の手による名曲
『HIGH SCHOOL CONFIDENTIAL』をオリジナル・アルバム収録の1曲として
聴くのは一味違う。
サン・レコードに残された音源で有名なものに、ロイ・オービスン、ジョニー・キャッシュ、
カール・パーキンスと共に録音したミリオン・ダラー・カルテットのセッションがある。
その中の唯一の生き残りであるジェリー・リー・ルイスは今もアルバムを発表し続ける。
掲載写真右は昨年リリースされたアルバム「ROCK & ROLL TIME」。ここ数年の盤と
同様に自身の影響を受けたであろう多くの後輩ミュージシャンがレコーディングに参加し
ジェリーを盛り上げる。
『LITTLE QUEENIE』にはキースさんにロン・ウッド、ワディー・ワクテルといった
ストーンズ人脈が参加しているのが嬉しいし、ジミー・リード・カバー『BRIGHT LIGHT
BIG CITY』ではニール・ヤングがギターとボーカルを聴かせる。ジョニー・キャッシュ・
カバー『FOLSOM PRISON BLUES』で素晴らしいラップ・スティールを聴かせるのは
ニルス・ロフグレン。ドラムスは全曲ジム・ケルトナーが担当。
しかしながら、尤も注目すべきなのはジェリー・リー・ルイスがオリジナル・アルバムを
リリースし続けているという、その事実である。若々しく溌剌とした歌唱にピアノ、
時にはギターも担当するという張り切り具合が何とも嬉しい。
キラー健在なり、である。
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