HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

GRAPEFRUIT / AROUND GRAPEFRUIT

2005-07-06 23:07:53 | ROCK
仮面ライダー・アマゾンに出てきた悪の首領、十面鬼ではない。
なんともいえないジャケットである。半分に切られた
グレープフルーツの房の中にまで細かい人の顔が描かれて
少々不気味である。

69年にリリースされたグレープフルーツの1ST。
といってもほとんどの録音は68年になされたシングルの
A面B面から集められたものである。
ジョン・レノンがオノ・ヨーコの詩集からグループ名を
つけたという話題性もあって順調な滑り出しを見せたが
後が続かず2枚のアルバムを残して解散する。

ブリティッシュ・ビートと爽やかなコーラスが交じり合って
なかなかの好盤。ビートルズ絡みではポールの肝いりで
アップルからデビューした「バッドフィンガー」があるが、
こちらは、命名こそジョンによるものだが、音作りとかには
口出しはなかったのが、ジョージ・アレクサンダーの伸び伸びとした
曲作りにはかえってよかったのではと思う。
フォーシーズンズのカバー「C'MON MARIANNE」も絶妙のカバー。
しかし、この時代のバンドはいい曲があったら即座に
カバーしてしまうのだなあ。67年のヒット曲を68年にカバーする
この早さというのは、今の時代では競作を除けば考えられないことだ。
いい曲を作っても売れないバンドがあるのは今も昔も
変わらないけれど・・・。
コーラスが多用されるのと、ロック者が肩入れしたくなる伝説が
ないぶん、バッドフィンガーほど聴かれてはいないが、バッドフィンガーや
パイロット、中期ビートルズの音が好きな人には、まずストライクなので
これは聴いていただきたい。ただし、2NDアルバムまでは保証できかねる
ことを申し添えておく。(あっ、合格ラインを高めに置いています。)

リード・ギターのジョン・ペリーは後に「オンリー・ワンズ」の
メンバーとなる。最後に余談になるが、全て命令調で書かれた詩集、
「GRAPEFRUIT」の中で私が気に入った一節を。
"MAKE A WAY FOR THE WIND"
風のために 道をあけなさい・・・。

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