HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

DU JAZZ DANS LE RAVIN

2012-05-12 07:25:18 | JAZZ

「ルーツ・ロック・レゲエ100選」にゲンスブールを忍び込ませた私である。「門外漢が聴くジャズ100選」にも
当然ながらゲンスブールを選ぶのは言うまでも無い。最初の4枚の10インチのどれかを選ぼうと思ったのだが・・・。

半ば反則気味(笑)にミンガス・トリビュート盤を選出したので、セルジュも反則気味にオリジナル盤でなく
編集盤をぶちかまそうとの結論に至った。選んだのは98年の編集盤「ジャジイ・ゲンスブール DU JAZZ
DANS LE RAVIN(ジャズと自動車事故)」。

タイトル曲自体は、1STアルバム「DU CHANT A LA UNE !...(第一面の歌)」収録。58年から68年までに
様々な映画音楽やアルバムに残したジャズ・テイスト(笑)溢れる曲を20曲収録している。このコンピレーションは
全部で3作あるシリーズの1枚で、あとの2枚は「エロチック・ゲンスブール」と「エスニック・ゲンスブール」。
何れも優れた編集盤で、「エロチック・ゲンスブール」は、07年1月1日の当ブログで、私の「無人島レコード」に
選んでいる。(笑)

ゲンスブールの映画音楽は01年発売の3枚組CD「LE CINEMA DE SERGE GAINSBOURG」が手っとり早くて
便利なのだが、それには未収録の映画「LES LOUPS DANS LA BERGERIE(羊小屋の狼たち)」からの
曲が2曲収録されている。『GENERIQUE』で冒頭のカウントを呟いているのはゲンスブールなのだろうか。
『FUGUE』はサックスとベースの疾走感が素敵なのだが、尺が短く唐突に終わるのが勿体ない。(笑)
因みに『GENERIQUE』は、映画「SEX SHOP」の曲とは同名異曲。

それにしても、ここまでクールな曲をよくも集めたものだ。
映画「唇によだれ」収録の『ANGOISSE(不定)』の冷たい響きのトランペットと濡れたようなサックスの対比に
乾いたドラムスの組み合わせは最高。『BLACK TROMBONE』はゲンスブールのボーカルも聴きもの。

傑作アルバム「GAINSBOURG PERCUSSIONS」からは、『COCO AND CO』と『QUAND MAN 6.35
ME FAIT LES YEUX DOUX(6.35口径の誘惑)』を収録。前者は構成が面白く、早い曲を演奏し終えた後に
スローな曲に移る瞬間のスリルがあり、クラブかバーの客席のノイズが目の前で生演奏を聴いているような
雰囲気にさせる。後者は、以前当ブログで映画「病院坂の首縊りの家」のサントラをとりあげた際に言及した。

アルバム「GAINSBOURG CONFIDENTIEL」からの収録曲は、ジャズ・ギターをバックに唄うゲンスブールを
楽しめる。

ゲンスブールは、より金になり人目を惹きつける音楽へスタイルを変えていくが、本当にジャズが好きだった
のだなあという私の想いは、この編集盤を聴けば間違い無いであろう。


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