82年に講談社から出た「ローリングストーン・レコードガイド」は私が手にした
最初のガイドブックで、その刷り込みというか影響は未だに大きい。
そこではアルバムを★で評価し、最高評価は五つ星(絶対不可欠)で評価が低いものは
■(無価値)の裁定が下された。評者の主観が左右する星取表なので、これが絶対で
無いことは当然だし、あれから30年以上が経ち今では歴史が評価を変えた盤も
多々ある。それを踏まえても、この本を未だに折につけ開くのも事実だ。
ボウイ様の新譜「★」は「ブラック・スター」という読み方を与えられ、自身の69回目の
誕生日に合わせてリリースされた。一昨年出たベスト盤「NOTHING HAS CHANGED」の
冒頭に収録された長尺の曲『SUE (OR IN A SEASON OF CRIME)』のジャズ的な
アプローチは新鮮で、これを軸にアルバムが出来たら凄いだろうなと思ったものだが
今回の新譜は正に期待通りの傑作である。
そんなことを書くと頭の中で、何を持ってジャズとするのか、ジャズ・ボーカルと
ロックの歌唱は何が違うのかという面倒くさい問答が待っているのだが、それはさておき。
曲は一聴して耳に残るキャッチーなメロディーで構成されていない。スタジオ録音の
アルバムとして記録に残すべく、多様なアプローチで曲が演奏されているが、単なる
ポップスと違うのは、ここに収録された曲の数々は次に演奏の機会があれば、また
違ったアプローチで演奏することができる幅を大きく残しているということである。
尺を変えることや、それぞれの楽器が定型に嵌らないソロを入れることができ、
また違ったソロが収まっても違和感のないその余裕の幅こそジャズ的アプローチと
私が考えるところなのだが、雰囲気一発でジャズ的と捉えても一向に構わない。
定型のロックに慣れきった耳には複雑に聞こえるかもしれないがメジャー・フィールドで
型にはまらないことをするのが素敵なのだ。
若い頃のようにアッパーな曲を繰り出すのは難しいのが現実だったとしても、
それ故に「老いた」と周囲に言わせないボウイ様の周到な計算だったら面白い。
魅せられし変容は続いているという事実は多くのボウイ・ファンの溜飲を下げるだろう。
ずばり、★★★★★。
69か、ロックで逝ってしまったのか、新譜出して逝ってしまったか、余りにボウイ過ぎるとか、不謹慎なことも駆け巡りながら、なんとも言えません。
50歳のイベントのルーさんとのシーンを見直したいと思います。
人の死の重さを比べたり云々するのは不謹慎極まりないのは承知しているのだが、ザッパが死去した時以来、
泣いてしまいました。
闘病18か月、その間にあれほどの作品を残したことに
言葉もありません。去り際もスターマンに相応しかったと
いうしかできません。
明日あたり、ボウイのHPが更新され「JUST A JOKE」と
コメントが出ないかと、そればかり今も願っています。
ロンスン、リード、ボウイ・・・・。
ポップさんには健康で長生きしてほしいです。
今年も、訃報連続が始まってしまいました。
8日にOtis Clay、10日にボウイ様と。
何年か前にこのようなことがあり、
がっくりした記憶があります。
ポップさんにも、ハンターさんにも、またクーパーさんにも、ご長命をお祈り致します。
オーティス・クレイのことを書こうかと思っていた矢先に
全てが吹っ飛んでしまいました。
今、追悼で87年9月29日グラス・スパイダー・ツアーの
映像を見ています。あぁ・・・・。
ハンターさん、クーパーさんの長命、私も願っています。
前作のPVを見たときに「終わり」の予感があり、それがプレイヤーもないのに「★」アナログ盤の予約をしたのに繋がりました(後出しジャンケンではなく)。デジタルダウンロードのKEY が入っているとは思うのですが、アナログ盤は封を切る気になりません。
数ある追悼文で 「彼は老いることそのものをロックにしようとしていると思った。絶対にロックにはなり得ないものをロックにしようとする果敢さと、その方法論の聡明さにわたしは打たれた。」まさに、、と思いました。
感謝を込めて。R.I.P
何事もそうですが、タイミングというか運命というか、そういった幸福な出会いの積み重ねで道が開けるものですね。たこべいさんのボウイとの様々な機会での出会いが
手に取るようにわかります。
老いることそのものをロックにしようとする・・・。
これは年老いて尚ロックを聴き続けようとする人たちに
とっても光が射すような言葉ですね。私もそうありたいと思います。