掲載写真はグレアム・パーカーのボックス・セット「THESE DREAMS NEVER SLEEP」。
6枚のCDと1枚のDVDで構成され、サブ・タイトルにTHE BEST OF GRAHAM PARKER
1976 - 2015とあるようにパーカーの歴史を振り返るベスト盤の体裁をとっている。
もってまわった書き方をしたのは、これが単なるベスト盤というよりは現在進行形の
パーカーの在り方を見事に証明するセットでもあるからである。最初の3枚のCDは
デモやライブにスタジオ録音曲で歴史を振り返るもので、4枚目は77年と79年のBBC
ライブを収録。ここまでなら普通のアンソロジーであるが、凄いと思ったのが5枚目と
6枚目に収録された昨年のライブであった。
昨年のロンドンはザ・フォーラムに於ける演奏を収録した2枚のCDは、再編されたルーモアと
ホーン・セクションを従えて70年代と何ら変わらぬ熱気で迫る素晴らしいライブ盤だった。
バンドの維持に掛かる経費を考えればホーン・セクションが常に同行することはないのだろうが
(事実、DVDに収録された15年のブルック・シアターではホーンは無かった)それでも
この編成での演奏を聴いて燃えないわけがない。(笑)
ブリンズレー・シュウォーツやボブ・アンドリュースが元気な姿を確認できるだけでも
嬉しいのに、昔と変わらぬ激しさと渋さを携えて演奏するのだから堪らない。皆、年相応に
老けたがパーカーの喉も健在で選曲もベストに近いのだから素晴らしい。
もちろん初出の79年のハマースミス・オデオンのライブも、ホーン・セクションを
削ぎ落して新しいスタートを切った時期の勢いが伝わってくる、いいライブ盤となっている。
映像は先にも書いたが15年の演奏を21曲と、77年から78年にかけてBBCに
出演した際の演奏を収録。この時期の演奏といえば78年と80年のロックパラストが
商品化されているが、今回は78年のOGWTでの演奏が10曲収録されているのが嬉しい。
派手な組物が続々登場し更には年末に向けて大物の組物が続く中、パーカーのこの箱は
さほど注目を集めないだろうが、彼の過去の足跡と現在の姿を確認できるという意味で
素敵な組物であることは間違いないだろう。
>ホーン・セクションが常に同行することはないのだろうが、この編成での演奏を聴いて萌えないわけがない。
おらも、彼らの演奏にはホーンがついているほうが好きですね。ブラスの音がはえるほど、唄のえぐみが増すようで、圧倒的にうれしくなります。
とはいえ、彼らの場合、シンプルなアコーースティック・セットも美しいのですが。
やっぱりトランプスの『HOLD BACK THE NIGHT』のカバーを筆頭にホーンの印象って強いんですよね。
ジャクスン5の『I WANT YOU BACK』カバーも好きですけど。(笑)
声がいいので、弾き語りも好きです。コステロからウェット感を少なめのしたような感じが男臭くて。(笑)