純粋に私が一番好きなジェフェースン・エアプレインの
アルバム、それが69年発表、バンドとして6作目となる
「ヴォランティアーズ」。
黄金のラインナップでの最後の録音でもある。
ベトナム戦争への反戦の気運盛り上がる中、エアプレイン
諸作品の中で最も政治的といわれる作品。
ジャケットの星条旗は引き裂かれ、声高に団結だの
反戦だの、革命だのと歌われる。が、再発のライナーによると
バンドの在り方はもっとクールなものだったようだ。
今起きていることの現実を伝え、それに対して自覚的で
あるように歌ったにすぎないとのこと。制作から30年以上たっての
物言いだから幾分クールであるが、当時はもっと意識的に
政治的で反体制的であったのは間違いない。
アルバム・タイトルは「志願兵」を指すが、バンドは
反戦の「志願兵」たらんとしたのだ。
演奏は今までのアルバムのなかで一番充実していると思う。
地元サンフランシスコにスタジオをつくったことで、余裕を
持ってレコーディングができ、その地にいたジェリー・ガルシアや、
CSNのCとS、そして何よりニッキー・ホプキンスの参加が
音つくりに華をもたらす。エアプレイン自体の演奏も充実していて
ボーナス・トラックに収録された同時期のライブ演奏を聞いても
それが顕著にわかる。68年録音のライブ盤「フィルモアのJ.A.」にも
収録されている「あなただけを」を聞き比べるとその充実ぶりが
伺える。
このアルバムに先立って発表されたCSNのアルバムにも
収録された「WOODEN SHIP」はクロスビー、スティルスとともに
エアプレインのポール・カントナーも作者に名を連ねている。
コーラス・グループの側面の強い(後に演奏面はYことニール・ヤングの
参加で強化される)CSNバージョンに対し、エアプレインは力強い
ロックを聞かせる。
傑作をものにしたエアプレインだが、バンド内での軋轢は徐々に
表面化する。政治的立ち居地を良しとしない、マーティー・バリンと、
ポール・カントナーの対立、そしてなんといってもオルタモントの悲劇
だろう。牧歌的に連帯を訴えた(エアプレインは東海岸から見れば
ヒッピーと捉えられても不思議ではない)バンドであったが、
オルタモントの現場に立ち会うことになる。
黒人青年の刺殺事件も勿論だが何よりヘルス・エンジェルスの
警備のやりかたに異を唱えたバリン自身がエンジェルスに殴打される。
バンドはとんだ冷水を浴びせられるのだ。
この模様はわかりにくいが、映画「ギミー・シェルター」で見ることが
できる。愛と平和なんてのは絵空事に過ぎなかったことを、時代も
バンドも身を持って知ることになる。
アルバム自体は演奏の充実は勿論、激動の時代を見事に捉えた記録として
バンドの歴史の中で真っ先に聞かれるべきものだ。
ベーシストのジャック・キャサディの演奏はもっと評価されて
いいだろう。
ジャケットを開くと中ジャケには、ピーナツ・バターとジャムを
塗ったパンが大写しで映っている。「戦争に行ったら、こんなのは
食べられないんだぜ」という見事な反戦の主張だと私は解釈した。
アルバム、それが69年発表、バンドとして6作目となる
「ヴォランティアーズ」。
黄金のラインナップでの最後の録音でもある。
ベトナム戦争への反戦の気運盛り上がる中、エアプレイン
諸作品の中で最も政治的といわれる作品。
ジャケットの星条旗は引き裂かれ、声高に団結だの
反戦だの、革命だのと歌われる。が、再発のライナーによると
バンドの在り方はもっとクールなものだったようだ。
今起きていることの現実を伝え、それに対して自覚的で
あるように歌ったにすぎないとのこと。制作から30年以上たっての
物言いだから幾分クールであるが、当時はもっと意識的に
政治的で反体制的であったのは間違いない。
アルバム・タイトルは「志願兵」を指すが、バンドは
反戦の「志願兵」たらんとしたのだ。
演奏は今までのアルバムのなかで一番充実していると思う。
地元サンフランシスコにスタジオをつくったことで、余裕を
持ってレコーディングができ、その地にいたジェリー・ガルシアや、
CSNのCとS、そして何よりニッキー・ホプキンスの参加が
音つくりに華をもたらす。エアプレイン自体の演奏も充実していて
ボーナス・トラックに収録された同時期のライブ演奏を聞いても
それが顕著にわかる。68年録音のライブ盤「フィルモアのJ.A.」にも
収録されている「あなただけを」を聞き比べるとその充実ぶりが
伺える。
このアルバムに先立って発表されたCSNのアルバムにも
収録された「WOODEN SHIP」はクロスビー、スティルスとともに
エアプレインのポール・カントナーも作者に名を連ねている。
コーラス・グループの側面の強い(後に演奏面はYことニール・ヤングの
参加で強化される)CSNバージョンに対し、エアプレインは力強い
ロックを聞かせる。
傑作をものにしたエアプレインだが、バンド内での軋轢は徐々に
表面化する。政治的立ち居地を良しとしない、マーティー・バリンと、
ポール・カントナーの対立、そしてなんといってもオルタモントの悲劇
だろう。牧歌的に連帯を訴えた(エアプレインは東海岸から見れば
ヒッピーと捉えられても不思議ではない)バンドであったが、
オルタモントの現場に立ち会うことになる。
黒人青年の刺殺事件も勿論だが何よりヘルス・エンジェルスの
警備のやりかたに異を唱えたバリン自身がエンジェルスに殴打される。
バンドはとんだ冷水を浴びせられるのだ。
この模様はわかりにくいが、映画「ギミー・シェルター」で見ることが
できる。愛と平和なんてのは絵空事に過ぎなかったことを、時代も
バンドも身を持って知ることになる。
アルバム自体は演奏の充実は勿論、激動の時代を見事に捉えた記録として
バンドの歴史の中で真っ先に聞かれるべきものだ。
ベーシストのジャック・キャサディの演奏はもっと評価されて
いいだろう。
ジャケットを開くと中ジャケには、ピーナツ・バターとジャムを
塗ったパンが大写しで映っている。「戦争に行ったら、こんなのは
食べられないんだぜ」という見事な反戦の主張だと私は解釈した。
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