活字デジカメ

益なし,根拠なし,言いっ放しの電脳写真機机上妄想コラム。できれば毎日更新したい。

苦悩を越えて光器に至れ。

2011-05-29 08:36:43 | Weblog
「ゴルァ、まねすんな」
「してねーよ。ぷんすか」
「なにぃ、訴えてやる」
というようなレベルの低いやり取りはなかったでしょうが、手ブレ補正搭載レンズのパテント侵害でニコンがシグマを提訴しましたね。
ニコンとしては、交渉したのに同意に至らなかったのでやもを得ずといった感じ。シグマとしては、勝算があって受けてたつということでしょうか。
シグマは特許係争でトプコン(開放測光)やミノルタ(AF連動)に勝った経験がありますからねえ。
どちらも日本が世界に誇る光学機器メーカーで、争いごとは避けてほしいというのがユーザーの本音でしょうか。私も双方のメーカーに好感があるので、母と嫁が喧嘩する姿を思い浮かべてしまいました。
エンジニアさん。私も同感です。とんでもないことにならなければ良いのですが。

シグマは、被災した上に“高過ぎる高性能機”SD1、それに今回の巨額の特許係争といろいろ大変ですねえ。
そこで思い出すのですが、10年か15年ほど前、シグマの専務だか常務だかエラい人に内田亮さんというレンズ設計者の方がおられ(その風貌からレンズ界のベートーヴェンとも言われておりました)、活発にカメラ雑誌等に鋭い意見を説かれていました。
レンズメーカーからの視点が面白く、記事を読むのが楽しみでしたね。
ググっても全く情報がないのですが、今はどうされているのでしょうか。
内田さんだったら、今回の事態、どうしていたかなあ。

ロモワイドを見てコシナを思う。

2011-05-25 18:49:17 | Weblog
わぉ、カリスマトイカメラ(?)ロモLC-Aをワイド化したLC-Wideが出ましたよ。
超広角Minigon1 17mm F4.5付き。
ロモ蔵が男女ペアになりましたね。ロモ子か?
38,850円は高いか安いか、どちらとも言えますが、これ売れるでしょうね。
最新のコンデジが1万円台なのに比べてどうなんよ。
ちなみに本日の価格.comで、オリンパスXZ-1が38,000円、リコーGRDⅢが35,000円前後。

そこで思うこと。
ロモは、元はと言えば旧ソ連製の時代遅れな安カメラであり、その大元はコシナのCX-1/2でありました。
ダイレクトに言うとコシナのカメラをソ連が無断でパクったということであり、当時、コシナ社内でも問題となったそうですが、抗議なぞしたら、お返しに長野がミサイル攻撃されたら大変だということで無視(黙認)した、とどこかで読んだような気がします。
ソ連はいろいろなカメラをパクリましたが、ロモだけが生き残り世界的な人気モデルのなったのは、ウィーンのジレッタント共の活躍もあるけど、コシナのアイディアと基本設計が素晴らしかったというのも大きいと思います。
オリジナルから30年以上経つのに今も中国でどんどん生産されて、カメラ女子などに愛用されているわけで、コシナは数奇な運命をたどったこのカメラに「みんなに愛されてよかったね」と鷹揚な対応とか。

そんな大人なコシナにもちょっち見返りがあっていいのではないか。
そこでこの際、コシナから高級コンデジ「CXD」というのはどうでしょうか。
CXのボディに高性能レンズを着けて、リコーGRDやオリンパスXZ-1のような位置づけで。
もちろん、トイカメラモードも搭載。
ロモの知名度もあってセールスもOK牧場です。
どうですか、お客さん(←誰に言ってるの)。

ズームマンはここまで進化しましたが何か。

2011-05-23 22:57:55 | Weblog
シグマSD-1が発表されましたが、なんとお値段70万円。
いかにフォビオンとは言え、これは高すぎるんじゃないかい。
それだけ出すならフルサイズの一眼レフやペンタ645Dが選択肢になるし、大方そっちに行っちゃいそう。
元から商売する気がないのかもなあ。
シグマはフォビオンを外販した方が儲かるんじゃなかろうか。
あるいは富士FinePix S-proシリーズのように、ニコンからボディを買うというのでもよいと思うし。
まあ、それでもシグマが「カメラメーカー」にこだわるのも、わからないではないのですが。

事実,画素数はどれだけあれば十分か―新たなる戦い。

2011-05-22 15:58:01 | Weblog
画素数戦争は終わった。地に平和が訪れた。
との話はコンデジではそこそこ聞くのですが、またぞろ一眼方面に第二次画素数戦争が来そうな予感がしますねえ。

そんなに無駄に画素数増やして、どんだけ大きいプリントするねん、と言うツッコミはもう聞き飽きたくらいされて来ました。
実際、この間も600万画素のデータをB0判に伸ばして写真展で展示しましたが、特に不満は感じられませんでした(ネットdeプリント.netさんに注文。安くて早くてキレイです)。
そりゃ、うんと近づいて細部をしげしげと見ればいろいろあるだろうけど、大きなプリントをそんな目で見る方がおかしい。
フルハイビジョン動画にしたって200万画素だ。
デジカメに1000万画素はいらない、そうだろ、みんな!そうだそうだ。

しかし、そう思っているのもどうかと思うようになりました。
まず写真は「プリント」が唯一の目的じゃない。今やその用途自体が相対的に小さくなりました。
いろいろな記録のデジタルアーカイブはより高画素である方が後々のために望ましい。
それにPCのディスプレイだって今後どこまで高密度になるか分かりません。
ちなみに現在開発中のスーパーハイビジョン液晶ディスプレーは3300万画素とか。
こういうのって実現していくのは意外に早いと思う。
これでホラー映画は観たくない(AVは観たい)。

硬軟自在デジタルペンタックス。

2011-05-20 06:05:59 | Weblog
カメラグランプリ2011大賞はペンタックス645Dに決定致しました。おめでとう!
これ、モックを今は無きPIEで見ました(確か複数の案があって人気投票もしていたと思う)。その後、お家騒動もあったりして、ペンタは紆余曲折しましたが、商品として完成に至ったことは賞賛すべきことでしょう。
「645」というのはセンサーサイズからちょっと詐称だけど、もう許しちゃいます。
つきましては2つ。
①銀塩ペンタックスの645や67は持っている人は身近にかなりいます。もちろん、これらは発売後の歴史が長いからと言うのはありますが、一方、645Dはどのくらい売れるんだろうか。
645や67は風景&ネィチャー親父がお得意様だったように思うのですが、このような層が645Dをどんどん買うとは思えないし、デジ物の商品寿命を考えると、うーん、どうなんだろう。
②銀塩時代、ペンタックスは110判から67までカバーする“一眼レフのパイオニア”でした。APSの一眼レフの開発計画もあったと聞きます。
とりあえず、APS-Cと645が揃いましたし、どうも1/2.33型のミラーレスも考えているみたい。
こうなったらフォーサーズとフルサイズもやっちゃって下さい。

最近は色物路線が目立ってますが、本来ペンタックスは「真面目」が身上。
二強や家電屋とは異なる展開に期待してます。

太陽がくれた季節。

2011-05-18 21:40:25 | Weblog
SUN ZOOM 38-90mm F3.5 MACROがマップカメラのヴィンテージカメラ情報館に取り上げられています。
その昔、学生寮の農学部の先輩がペンタックスSPFにこのレンズを着けていて、随分うらやましかった思い出があります。
当時は標準ズーム(ショートズームと呼んでいた)の黎明期で、カメラメーカーではニッコールの43-86mmがあるだけだったと思う。
よって、タムロンやシグマ、トキナー、そして、コムラーやサンなどのサードパーティが、この分野でしのぎを削っていました。
私はその後しばらくしてからシグマのミニズーム39-80mmを手に入れたのですが、サンの方がガッチリ感というか剛性があって、格上のような印象があったな。
しかし、これらのレンズメーカー製のショートズームはあっという間に安価となり、一眼レフボディとセット売りの「混血セット」となって市場に溢れかえるようになりました。

それから幾星霜。
一眼レフは自社製ズーム(OEMかも知れませんが)とセットがスタンダートとなり、28-300mmというような高倍率ズームもごく一般的になりました。しかも高性能高機能で、中には単焦点レンズに匹敵するものさえ存在します。
今となっては、バカでかく、写りにもかなり問題のあったショートズームは、ほとんど誰にも省みられることもなく、不燃ごみとしてこの世から消えて行くことでしょうが、当時を知る者には一時は憧れの対象でもあったこと、その一瞬の輝きを思い出さずにはおれません。

細川氏の家紋ではございませぬ。

2011-05-16 22:28:28 | Weblog
世の中、いつの間に「トイカメラの写り」が認知されて、iPhoneのアプリやデジカメのモードのひとつとして、ごくスタンダードとなりました。
しかし、そういうデジタルなトイではなく、あくまでアコースティックなトイを極めたい。でもフィルムはもう勘弁して。という方には、デジタル一眼の交換レンズとして「トイレンズ」をどうぞ。
と、いうわけで、一眼レフカメラ用HOLGAレンズ60mm F8です。3000円を高いと思うか、安いと思うか。
しかも今回、周辺光量落ち用「ブラック・コーナー・エフェクター」が開発されました。
つまり、もともとは6×6判のレンズですから、APS-Cやフォーサーズで使うと、周辺部を使わないことになるから意外にまともに写ってしまう。そこで、レンズ前面に周辺を減光させる絞りを入れる、ということです。
これ、ローデンシュトックのイマゴンの蓮根絞りにそっくり。

しかし、トイカメラモードも含めて、レンズ技術者の方はこういう風潮をどう思っておられるんでしょうか。
何でも、この「トイレンズ」のカタログの説明文には、「折角のデジイチが台無しに…」とか「良いものをダメにする、革命的プロダクト!」など自虐的な語彙が踊っているそうな。
「重要なお知らせ」とともに、なかなか心得ておるな、と拙者感心致したでござる。

オリリンのささやかな嘆き。

2011-05-15 14:43:20 | Weblog
かのペンタックスが好転したは喜ばしいのですが、一方、オリンパスはどうも不振の様子。
何と言っても利益率の高いデジタル一眼がキモなのですが、オリンパスの製品展開には疑問符が3つくらいつく感じですねえ。
新旧3機種が比較検討される「オリンパス・ペン」、とのことですが、この状況は最悪でしょう。
大体、ペンE-P1が大ヒットしたら、すぐマイナーチェンジのP2が出てくる。高いうちに先に買った人の気持ちを考えていないよ。
E-PL1のあとは、ほとんど変わらないPL1s。何じゃこれ、と思うまもなくPL2。ちょうどボーナスシーズンにPL1sを買った人は怒るでぇ、きっと。
ま、私のようなスレた人は、おかげで激安になったPL1sを買いましたが。

で、それもそうなのですが、使ってみて、E-P1とE-PL1sがかなり違っているのも気になりました。
端的に言うと、E-PL1sの方がJPEG画質はハッキリと上。カラーバランスもよくなっているし、AF速度も体感大幅Upしています。
P1からPL1まで10カ月。ありがちなこの手の下克上とは言え、こうなるとE-P1はデザイン優先で練り上げられないまま、とりあえず出した感がありますねえ。飛びついたワタシがバカだったのか。

デジ物の速やかな商品回転は致し方ないところではありますが、メーカーはユーザーの期待と信用とそれらのタイミングの微妙な綾を感じ取って欲しいし、そこが二強メジャーとは違う商品戦略というものでしょう。
そういう点、ペンタックスや、パナソニックにしたって心がけていると思うがなあ。

オリンパスのマイクロ沈筒中。

2011-05-09 22:32:54 | Weblog
先回も書きましたが、APS-CサイズのNEXとマイクロフォーサーズのパナソニックの標準ズームがほぼ同じ大きさ
画面サイズから考えたら、これはおかしいんちゃうか。マイクロフォーサーズはもっと小さくてしかるべき。
と、攻められては立つ瀬がない、と思ったかどうか知りませんが、オリンパスは沈筒式ズームという手を使って、小型化を図りました。
言っとくけど、私はこの沈筒式というのが好きじゃない。だから、沈筒エルマーもローライ35も好きくない。
①撮影前にワンアクション入るのが嫌。シャッターチャンスを逃すし(そんな決定的瞬間なスナップばかりするわけじゃないけど)、第一、撮影の気が萎える。
②何となく精度が落ちるような気がするのも嫌。エルマーなぞ微妙に傾いているように思えて仕方なかった。
今やコンパクトカメラのレンズのほとんどが沈筒式だけど、あれは電動だからまあ仕方ない。
手で引っ張りだして固定するのが嫌なんですよね。

実はオリンパスペンE-P1を購入するのに、沈筒式ズームが嫌だったから、まずボディのみを購入し、同時にセットレンズつきのLumix DMC-G1を買って、この固定鏡筒のG 14-45mmズームをE-P1に着けて使っています。またその後にG 20mmF1.7のレンズのみを購入致しました。
何という「損」な買い方。
ちなみにM.ズイコー9-18mmが欲しくてたまらないのですが、沈筒式なので今ひとつ踏み切れないまま。同スペックでパナが固定鏡筒版を出してくれないかなあ。

ところが、パナソニックもレンズの小型化のために今後沈筒式を採用するかもという噂があります。
オリ・パナ、連れ添って珍道中? これはいかんぜよ。
皆が皆、沈筒式でOKというわけじゃないよ、と声を大にして言いたいのだ。

世界のニコン わだばライカになる。

2011-05-07 23:06:25 | Weblog
ここに来てニコンのミラーレス機がフルサイズ換算でクロップ比率2.6倍という噂です。
センサーのサイズとしては、マイクロフォーサーズの半分くらいですね。
早くから「1インチ」との噂だったのが、やっぱりAPS-Cという話も出てきて、結局、元に戻った感がありますが、果たしてホントのところはどうなんでしょうね。
ひょっとして、ペンタックスのように2サイズ並行して開発しているのかも。

自社一眼レフとの市場競合を避けるという観点から、小さいセンサーのミラーレスを選択というのもあるかと思います。
しかし、APS-Cではレンズが小さくならない、と言うのもあると思うんです。
ソニーNEXはボディーに対してレンズが大きく、アンバランスな感じが否めません。
実際はNEXのレンズはマイクロフォーサーズのレンズと同程度の大きさなのですが、ボディがあれだけ小さくできるのにレンズの小型化が追いつかない(逆に言うと、マイクロフォーサーズのボディとレンズはセンサーサイズの割りに大き過ぎる)ということなります。
APS-Cサイズでは、何か大きなブレイクスルーがなければとレンズを小さくできない。とすれば、システム全体を小型化するにはセンサーサイズを小さくするしかない。
と、ニコンは考えているんじゃないでしょうか。

元々フルサイズ(ライカ判)は当時としては極小サイズであり、こんな小さな映画のフィルムからはまともな画像は得られないという世評から出発し、その後時代とともにグローバルスタンダードとなったわけです。
ニコンはこの「ニコン判」を後の世のスタンダードにするまでの青写真を描いているのかも知れませんし、動画とのクロスオーバーを考えると意外にそれも現実味があると思います。
が、果たしてホントのところはどうなるんでしょうね。