活字デジカメ

益なし,根拠なし,言いっ放しの電脳写真機机上妄想コラム。できれば毎日更新したい。

デジカメでは撮れないモノ。

2004-11-30 22:08:29 | Weblog
飯沢耕太郎氏の言う「デジグラフィ」はいい造語だと思います。
現実との連続性に暗黙の了解があった「写真」に対して,現実世界との結びつきが希薄な「デジグラフィ」はデジタル写真ではない,と。

デジカメでは撮れないモノ…考えてみました。
針穴写真:CIS方式のスキャナで撮る方法が紹介されていました。
心霊写真:これはどちらかというとメイキングの方ですね。いずれ改めて書きます。
UFO写真:これも同様。デジタルでは基本的に成り立たない。
念写:同じく。なお,デジタル念写と称する像を見つけましたが,どう見ても熱ノイズ。

定位の明らかではない写真は,現実が前提だからこそ怪しく不思議だったわけです。
今や,写真自体が定位を失いつつあるのです。

Ayuが,ぶれない。

2004-11-29 22:20:10 | Weblog
先日の初心者写真教室の撮影会での1コマ。
講師のIさん「あー,その構え方じゃあ,ブレるで」
受講者のおばさま「大丈夫!これ,デジカメやから」

モニタ画面を見ながら撮る場合,腕を前に突き出してホールドするから,どうしてもブレやすくなる。ちゅうか,ブレずに撮るのは至難の業。(この点,スイバル機は手元でホールドできるのでブレにくいのだ。)
しかも,光学ファインダーやEVFが付いていても,モニタでフレーミングして撮る人が多いみたい。
CCD感度がISO100以下相当というデジカメは,むしろ銀塩よりブレやすいのに。
受講者の方の撮った写真は,かなりの頻度で手ブレが見られました。

パナFX-5のCM効果のせいか,デジカメならブレないと思っているヒトもいるとは。
Ayuがブレないだけで,あんた確実にブレまっせ,おばさま。

初心者デジカメ状況2004。

2004-11-28 12:16:35 | Weblog
昨日,初心者写真教室の撮影会に参加致しました。
港町・越前三国の古い街並みを散策しつつ撮影し,この日撮った中から傑作1枚を大伸ばしして,地元の社会教育センターで作品展を行う,という企画です。
受講者27名と講師9名(地元の写真クラブ・フォトCのメンバー)が参加し,三国の観光ボランティアの方に案内して頂きました。

さて,受講者のうち10名がデジカメで参加。電化率37%。
内訳は,オリンパスE-1,C-755UZ,キヤノンPS Pro1,S1IS,G1,A40,A80,ニコンCP 5700,Casio EX Z30,QV-2100。うむむ,キヤノン率50%。
撮影会の解散時に,当方が持参したノートパソコンに各受講者のメモリーカードからデータをコピーして終了。

今,みなさまの作品を見ているところですが,撮り方も写り方も様々ですねー。
画質については,やはり各メーカーの画像方針のようなものが見て取れます。
本日,先生に見てもらい,会心の1枚を選ぶ予定ですので。

いろはむげんに。

2004-11-26 23:55:53 | Weblog
デジカメ初心者の方に尋ねられました。
「パソコン画面ではキレイに見えるのに,プリントでは冴えない。紅葉の『赤』がでない」というもの。
「あー,それですね。あるある」と,大事典しても仕方ない。

正直,デジカメの液晶モニタ-EVF-パソコンのモニタ-別のパソコンのモニタ-インクジェットプリント-別のプリンタからのプリント-FDIプリント・・・ぜーんぶ見え方が違うのである。
何が正しいのか。=ズバリ,記憶だ。
脳内のデータは今のところパソコンに取り出して処理できない。
色にこだわるヒトはちゃんとモニタの色調整をして,RAW現像をして,レタッチして,納得行くまで印刷し続けるしかないのだ。

ずっとモノクロをやってきて,全然こだわらない私めは,「『色は無限にある』は写真のイロハよ」,と煙に巻いておきました。>聞くんじゃなかった。

替え玉カメラ。

2004-11-25 22:03:40 | Weblog
ディマージュA2は順調に値を下げているのに,購入を狙っているパナLC1はなかなか安くなってくれません。安価なデジ一眼の登場で,「一見一眼レフ」タイプは侵食されかねないのに対し,「一見レンジファインダー」タイプを採ったLC1は上手いポジショニングなのかも(それがセールスになっているかは微妙)。
丁寧な作りにダイヤル操作や固定鏡筒の大口径手動ズームなど,メカ好きカメラ好きの琴線に来るモデルですが,店頭で手に取ると,でかい。キャラ的には,広角系「なんちゃってライカM」なのですから,スナップ向きとすると,いつもハイスピードや暗いところでの撮影ではないでしょうから,ボディはこのままで,レンズだけ小振りにしたモデルが欲しい。
具体的に言うと,「DCバリオ・ズミクロン7~22.5mm F2.0~2.4」を同レンジでF2.8~4.5程度に抑えて。なお,バリオ・エルマーやバリオ・エルマリットは普及機に付いているので,本モデルのレンズは「DCバリオ・ヘクトール」に是非して欲しい。ついでに言えば,でかくていいので,固定焦点版の「DCノクチルクス9mm F1.0」付きもあると良いのだ。
このような玉を替えただけのカメラは,昔は結構ありました。イコンタとネッターとか,ローライフレックス2.8Fと3.5Fとか,ローライ35Sと35T,キャノネットQL17とQL19,オリンパスペンD2とD3などなど。
昨今巷のCCDだけ取り換えたモデルよりも,ずっとカメラ的。
「写真はレンズで決まる」ハズですから。

(再録)極小上等!

2004-11-24 22:56:43 | Weblog
高校の修学旅行ではワンテンが流行っていた。ポケッタブルも,カマボコ型でブレやすく,マジキューブ(閃光電球!)を付けるとよく赤目に写った。当時,私のカメラはオリンパス35SPで,古臭いのねと言われたもの。
大学の写真部の先輩に,シャレでミノルタ16PSを使っている人がいた。暗室に凝ってる方で,自家調製で超微粒子現像とかやっていたが,16ミリフィルムではそれなりに画像でしかなかった。
対抗してでもないが,中古でオリンパスペンSを買った。いつもフジドール現像で,せいぜいプロマイクロールを使うくらいだったが。シャープではあったが,プリントではどうしても粒子が目立った。
ディスクカメラが使われているのを見たのは,前にも後にも,公園でコダックディスク4000で記念撮影しているカップルを見かけた1回だけ。ディスクフィルムからのプリントは見れたものではなかった。
ある日,会社の同僚とスナックで飲んでいたら,そいつがやおらポケットからカメラを取り出してお姉さんたちを撮りまくり,ウケていた。それってアクメルミニ?ちょっと驚くなあ。
取引先の人が,「いやね。僕もカメラにちょっと凝ってるんで」とカバンからミノックスLXを取り出した。ウホッ。
超小型カメラの夢・・・みんな写りは今ひとつ,いや,かなりヒドかった。

今,IXYもEXILIMもDiMAGE XもFinecam SLも凄くキレイに写る。

何,極小画素?上等じゃねえか!写ったもん勝ち!

110版(13×17mm) ポケットフジカ300:125.5×48×26.5mm,130g
16ミリ(10×14mm) ミノルタ16PS:103×27×45mm,120g
ハーフ版(18×24mm) オリンパスペンS:108×68×44mm,400g
ディスクフィルム(8.2×10.6mm) コダックディスク4000:118×78×20mm,176g
ミノックス版(8×11mm) ミノックスLX:108×29×16mm,88g
ミノックス版(8×11mm) アクメルMX:126×26×16mm,65g
APS(16.7×30.2mm) キヤノンIXY:90×60×27mm,180g

裏切る記憶質量。

2004-11-23 23:29:18 | Weblog
コニカC35が我が家にやって来た時,何て小さいカメラなんだろうと子供心に思ったものでした。
ローライ35を手にした時も,その精密感と相まって,これ以上小さい35ミリカメラは作れないだろうな,と。
しかし,その後も人類の進歩と調和は着実に進み,オリンパスXAとかビッグミニが出て,もう本当の限界まで来た,これ以上の小型軽量じゃあ,使いづらいし手ブレでダメだ,と。

時代はさらに進んで21世紀。人気で売れ筋のIXY Digital 400/500は厚くて重いのが難点と言われ続けていましたが,新製品40/50ではより薄くスタイリッシュになって,ブランドのトップセールスをキープ。 
やっと,IXYもビックミニ並にコンパクトになったわい…。あれっ?
・・・記憶色ならぬ,記憶質量というのがあるのねぇ。

コニカC35  112×70×52mm,360g  
ローライ35  99×68×42mm,355g  
オリンパスXA  102×64.5×40mm,225g
コニカビッグミニ 117×63×36mm,195g 
IXY Digital 400 87×57×27.8mm,185g
IXY Digital 50 86×53×20mm,130g
(いずれも電池,フィルムを除く)

人民よ,デジカメを手にせよ。カメラに真のプロレタリア革命を。

2004-11-22 23:44:47 | Weblog
当地の地場産業にメガネフレームがあるのですが,このところ安い中国製品に押されて気味でなかなか難しい状況のようです。かつては行政も民間も中国に生産技術の指導や移転を積極的に行っていた経緯がある上に,中国で生産できるのは普及品であり,ハイグレードな製品は無理と言われてきたのも,どうやらそうでもないみたいで,これはもう困ったもの。

さて,デジカメ輸出大国・中国(ドイツの輸入先は中国がNo.1とか。昔の光,今何処)で,製造しているのはほとんど日本資本ですが,聯想,方正,海鴎などの中国メーカーから国産のデジカメもわずかばかり出ています(心なしか,デザインがミノルタっぽい)。今年上半期の中国におけるデジカメ販売台数130万のうち,国産品は1万台にも満たないらしいのですが,政府は2001年時点では5年後のシェア50%を目標にしていたとか。
技術面で大きく遅れている中国ですが,油断はできません。有人宇宙船を飛ばす国がいつまでもホルガを作っているとは思えません(作っていて欲しいけど)。

ユニクロのデジカメが出た日。「カメラ」は階級闘争から解放され,真に人民のモノとなるのかも。

ブランドもんレンズ-ワールド・オブ・トゥモロー-

2004-11-21 23:32:05 | Weblog
みんながデジカメの速さに目を奪われている隙に,ニコンF6が出たのもアレだけど,もっとアレなのはツァイス・イコンのレンジファインダー機。ニッチもん?売れるのか?
それに,イコンというのはイコンタのイコン?それって1930年代の話だぜ。己はスカイキャプテンかあ?ボーダレスというか,何でもありのヴァーリ・トゥード状態というか。
もうひとつ驚いたのが,このカメラ用のレンズ(といってもライカMマウント),ビオゴンやプラナーをコシナが作ることを公表していること。富岡光学はどうなったんだ?

そういえば,私のコンタックスSL300RT*にはバリオ・テッサーとか称するレンズが付いている。パナ・ルミックスにはバリオ・ズミクロンやバリオ・エルマリットが付いていた。サイバーショットにもバリオ・ゾナーとかディスタゴンとか。
こういうのは,カルダンのビーチサンダルと同レベルとは思っていたが,あちこちで作るっていうのは(それがユーザーにも分かっているっていうのは)どうかなあ。ありがたみが薄れるばかりのような。

カシオがキヤノンやペンタのレンズを付けていることをアドバンテージにしているのは健全なんだけどね。

シルバー!(←ジャイアントの掛け声で)

2004-11-20 21:48:29 | Weblog
地元の社会コミュニティーセンターの初心者写真教室で「デジカメの撮り方」の講義をして参りました。
毎年やっているのですが,以前は私の担当は「人物の撮り方」だったのが,2年前からは「デジカメ」になってしまった次第。
本日の参加者は30人足らずで,うち25人はリタイアされた年齢の方々。話をはじめる前にデジカメを持っているかを聞くのですが,昨年は2割程度だったのが,今年は4割程度になっていました。
前方に座って熱心に聴いておられたおじいさんは,ワイコン付きパワーショットA80を脇に分厚いマニュアルをめくっておりましたが,この方から質問を受けたのが,染料系プリントをラミネートした場合の耐光性について。
確実に時代は変わりつつあるようです。